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第45話

 生温かい煌の口の中で、玲衣は恥ずかしいくらいあっけなく果てた。  両手が解放された瞬間、玲衣は煌の下で身体を丸めて顔を覆った。 「玲衣、どうした? 嫌だった?」 「なんで……煌。嘘だよ」 「何が?」 「初めてだなんて」  煌の顔がやんわりと緩む。 「初めてだよ。そもそも、いつ俺にこんなことする機会があるんだよ」 「だって……」  玲衣がしたより、煌の方が全然上手かった。それに経験がある玲衣より、煌の方が、余裕があるように見える。 「何十回、いや、何百回もシミュレーションしたから」  煌は恥ずかしそうに答えた。  玲衣にキスされてから、それまで考えないようにしていた玲衣とのアレコレの想像が止まらなくなったという。  それに、と煌は続ける。少年院に入る前、玲衣と一緒にいた時から、実はそういうサイトを何度か覗いていたのだと告白した。 「余裕なんて全然ないよ。玲衣を傷つけないようちゃんと準備しないといけないのに、今だって玲衣の中に入りたくて、入りたくて、仕方ないし」  見ているこっちが痛くなるくらい、煌のものは再び限界まで張り詰めていた。 「もう一回してあげる」  起き上がろうとした玲衣を、それだったらと煌はくるりと反転させ、四つん這いにさせた。 「足、しっかり閉じてて」  煌の熱い塊が玲衣の内腿の間を行ったり来たりし始める。先走りの蜜でぬるぬると程よく滑り、まもなくして煌は二度目の熱を吐き出した。 「玲衣、このままもう少し足を開いて」  腰を突き出したまま膝を割られた。玲衣の内腿を伝う白く濁った液を指ですくうと、煌はそれを玲衣の窄まりに塗りつけた。  円を描くように入口をまさぐり、わずかに指先を中に潜らせる。ゆっくりと引き抜くと、またとろっとした液を指に絡めて戻ってくる。  それを何度か繰り返しながら、少しつづ奥へと指を進めてくる。自分の放ったものが足りなくなると、煌は口水を落とし、たっぷりと玲衣の秘所を湿らせながら、根気よくほぐしていった。  その間、煌は何度も玲衣に嫌じゃないか、気持ち悪くはないかと聞いてくれた。  その度に玲衣は大丈夫だから、もっとして、と声を絞った。  本当は少しも大丈夫じゃなかった。内臓をいじられる筆舌尽くしがたい感覚に耐えるのに必死だった。  でも止めたくなかった。煌を早く受け入れたかった。  身体を繋げ、煌を玲衣の奥に刻んで欲しかった。玲衣は煌のものだと、そしてまた煌も玲衣のものだと、その誓いを刻印したかった。  煌の骨太で長い指が、玲衣のまだ一度も他者の侵入を許したことのない場所を切り開いていく。一本だったのもが二本に、そして三本の指が玲衣の内側を撫でまわし押し広げ、煌を迎え入れる準備を整えていく。  固く目を閉じていた目をうっすらと開くと、煌のそそり立ったそれが目に入ってきた。すでに二回達しているというのに、全く勢いが衰えてないばかりか、ヒクヒクと頭を揺らしながら、玲衣の中に入るのを今か今かと待っている。 「煌、も、いいよ……入れて」 「でも玲衣のここ、まだだいぶきつい」 「あとは、煌ので広げて」  煌の全身の血がカッと沸き立ったのが伝わってきた。 「煽んなよ、優しくできなくなる」 「優しくしてくれなくていいよ。乱暴にされたって、痛くされたっていい。煌にならどんなふうにされたって嬉しい」 「玲衣……」  煌は切なげな表情を浮かべると、玲衣を強く抱きしめた。 「そんなこと言うなよ。俺が玲衣を乱暴に扱うわけないだろ。俺の大事な、大事な玲衣をそんな」  そう言うと、煌は今度は玲衣の臀部を押し広げ、そこへ顔を沈めた。煌の弾力のある舌が玲衣の窄まりを突く。 「あっ、こうっ、そんなことっ」  一度もしたことも、されたこともない行為に玲衣は戸惑い、腰が逃げようとするが、煌の手にしっかりと押さえ込まれて動けない。  すでに三本の指を呑み込まされていたそこは、すんなりと舌の侵入を許した。煌の舌はそれ自体が意思を持った生き物のように、玲衣の中で動き回る。  いつの間にか指も一緒になり、卑猥な音を立てながら玲衣の中をゆるめていく。  玲衣の窄まりはぐしょぐしょに濡れそぼり、侵入者が出ていった後も、ぽっかり小さな口を開け、次の侵入者を待っている。

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