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出会い
休日。
いつものようにゲイバーに向かった。
気が向いたらたまにゲイバーに通ってる。
そこでいいな、て相手がいれば、お持ち帰りでラブホでおセッセしてバイバイ。
彼氏はいない。
約1年くらいいないかな。
この夜は気まぐれで初めてのゲイバー。
数人の客がいたが、どうもタイプはいない。
そんな日もあるよな、とグラスを傾けた。
「こんばんは」
男にしては少し高めな可愛らしい声。
ふと隣を見上げると、そこには俺を見下ろし、声と変わらず可愛らしい顔立ちの小柄で細身の青年が立っていた。
「お隣いいですか?」
「え?あ、はい、どうぞ」
よいしょ、と可愛い独り言を零し、隣に彼は座った。
「僕、ここ初めてで」
「あー、俺もです。なかなかいいお店ですよね」
「ですね」
周りを見渡した後、彼は俺の瞳を見つめたまま微笑んだ。
色白で小さな顔、クリクリした黒目がちな瞳、少しだけ厚めなピンク色の唇...。
どタイプ...!
「僕、高橋慶太、21です」
「慶太くん、か、よろしく。俺は矢野隼也、24で会社員」
「そうなんですか、少し上だ。僕も会社員で、まだ1年目なんですけど」
そう言って屈託ない笑顔。
めちゃくちゃ可愛い、可愛すぎる。
「...隼也さん、この後、なにか予定ありますか?」
「予定、ですか」
俺、心の中でガッツポーズ。
2人で店を出た後はラブホ。
見た目によらず積極的なんだな...。
風呂にそれぞれ浸かった。
ウケは色々と準備があるようで、タチの俺は最初に済ますんだが、この夜は俺が慶太くんの後だった。
慶太くん、どんだけやる気満々なんだ。
でも、淫乱なウケも嫌いじゃない。
いや、淫らな方が燃えるしな。
風呂から上がると慶太くんはバスローブを羽織り脚を組み待っていた。
「おかえり、隼也さん」
可愛らしい慶太くんの笑顔にどき、胸が高まった。
が、ここからは驚きの展開だった。
慶太くんが慣れた様子で俺の肩を引き寄せ、唇を合わせてきて、目を瞑る暇がなかった。
慶太くんの隣に座り、抱き締めてキスして押し倒す、のいつものパターンが覆された瞬間だった。
...かつれてるんだな、慶太くん、と思いきや、押し倒されたのはまさかの俺だった。
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