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第2話
ベッドに押し倒され、キスを繰り返しながら...慶太くんの手のひらでバスローブの下の素肌を撫で回される。
なかなか慣れた手つき...俺も負けてはない筈なんだが...。
「ちょ、ちょっと、慶太くん」
ぷは、と息を吐き、キスを解く。
「なに?隼也さん」
トロンとした可愛らしい瞳...。
「あ、あの、タチ、なんだけど...」
「誰が?」
「だ、だから俺、タチで...」
「そうなんだ」
そうなんだ、じゃなくて...!
「大丈夫、優しくするから」
可愛らしい顔立ちなのに、スイッチ入っちゃってるな、慶太くん...少々、鼻息荒い...
俺もタチなもんで、わからなくはないが。
俺もこんな感じだろうな...お目当ての子とラブホ来て寸止めされたらキツいよな...だが。
「で、でも...」
結局、慶太くんに身ぐるみ剥がされ、全裸にされた。
と言ってもパンツ履いてはいるが。
「...いい体してるね」
俺の上に乗って来ながら、慶太くんも自らバスローブを脱いだ。
ところどころ興奮からかピンク色だが、色白で細身。
めちゃくちゃ抱きたい体...。
「あ、待って。ローション買わなきゃだね」
ローション...。
俺に使う為の...?
「ま、待って、あの」
ひょい、と慶太くんはベッドを降り、室内にある小さな自販機からローションを購入し戻ってきた。
「心配しないで痛くしないから」
ちゅ、と頬っぺたに可愛らしいキス。
....いつもなら俺がやるんだが...てか、もしや、俺より上手くない?
俺、もっと雑な気する...。
俺はもうタカをくくった。
ほんの1時間程度、我慢すればいいだけだ。
まさかの首筋にキスされたり、乳首まで舐められた。
今まで舐める方、愛撫する側しか知らなかったから...乳首が感じるとは知らなかった...。
あっ、あん、とか変な声が出て思わず口元を抑えると、慶太くんがにっこり微笑んだ。
「隼也さん、すんごい可愛い声出すね。嬉しい」
こんな可愛らしいのに...やられんのはずっとタチしか知らないまさかの俺...。
「我慢しなくっていいよ、いっぱい声聞かせてよ、興奮するし。どうせ2人きりなんだしさ」
...それ、いつも俺が言ってるセリフだわ...複雑すぎる....。
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