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第42話 過去と現在(2)

 5ー2 娼館の朝  カルゼは、いきすぎてがくがくっと体を痙攣させている俺を後ろから抱き締め頬にキスをした。  「すべて、話せ、リュカ。何があったのかを」  俺は。  カルゼに促されるままにこれまであったことを話していた。話しながらも俺は、いき続けて。  俺は、そのまま意識を手放していた。  次に目覚めるともう、朝だった。  というか朝というには、もうかなり遅い?  昇りきった太陽に気づいて俺は、体を起こそうとした。が、身じろぎもできなかった。  俺の体は、がっしりと力強い腕に背後から抱き締められていて身動きできなかった。俺は、そのたくましい褐色の腕を見てほぅっと吐息を漏らした。  カルゼ。  俺は、ぽろりと涙をこぼした。  「なぜ、泣く?リュカ」  耳元でカルゼの囁きがきこえて俺は、頭を振った。  「なんでも、ない。なんでもないんだ、カルゼ」  俺は、カルゼから体を離そうとした。すると、俺の尻からずるり、とカルゼのものが抜けるのが感じられて思わず頬が熱くなった。  一晩、入れられてた?  カルゼのものが抜けて俺のそこからカルゼが昨夜の内に俺の中に注ぎ込んだものが滴り落ちる。  俺は、カルゼの腕を振り払いなんとかして逃れようとした。カルゼは、俺を離そうとはしなかったが、これ以上やると俺が傷つくかもしれないと思ってか、すっと腕をほどいた。  俺は、解放されるとすぐに起き出してベッドを出ると夕べ脱いだ服を身に付けていった。  身繕いしている俺にカルゼは、不機嫌に問いかけた。  「何をしている?」  「もう、昼だよ?そろそろ帰ってもらわないと」  俺が言うのを聞くとカルゼは、驚いたようにベッドの上に体を起こして俺を見た。  「なぜ?」  「なぜって」  俺は、カルゼに答えた。  「そういうものだから」  そう。  ここは、娼館で俺は、男娼だ。そして、カルゼは、いや、ヤーマン老は、俺の客だ。  男娼が客をもてなすのは夜だけだ。朝がくれば、客は、帰っていく。たまに、居続ける客もいるが、俺は、今、彼に帰って欲しかった。  

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