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第54話 恋と愛と欲望と(4)
6ー4 月の落水
「王太子殿下と寝るのか?」
シャルにきかれて俺は、返答に困っていた。
口の軽い男娼は、この業界では、やっていけない。娼婦にしても男娼にしても最低限客の秘密は守らなくてはいけないのだ。
俺が黙っているのを見てシャルが苦笑いする。
「安心して。このことは、国王陛下から相談されてるんだよ、ルシウス」
「国王陛下に?」
俺は、シャルの脱いだ服をルトに渡すと自分も服を脱いでいった。
季節は、もう秋。
だが、まだまだ夏の名残の暑さが続いていてシャルが湯浴みしたいと望んだので俺は、ルトに頼んで部屋に風呂を用意してもらった。
だが、急なことなので時間がかかる。そこで俺は、アンリに許可をもらい魔法で湯を用意することにした。
といっても俺は、闇属性なので水や湯を普通には用意することができない。しかし、今の俺は、前々世の記憶を思い出して月の神の力が甦っている。
俺は、シャルの目の前で月の光を浴びながら唱えた。
「月の落水」
ごぽっと俺の手のひらから水が溢れ出て瞬く間に湯船を満たしていく。お湯というには少しぬるま湯だが、体感的にはちょうどいい。
「すごいな」
シャルが感心したような声を漏らす。いくら宰相とはいえなかなか魔法使いが魔法を使う場面に立ち会うことはないのだろう。
「ルシウス、お前は、確か闇属性だったんじゃ?水も使えるのか?」
「ああ」
俺は、シャルの体にかけられていた布をとると彼を湯船へと導く。シャルが先に入ったのを見てから俺も湯船へと入っていく。一人用の湯船は、さすがに狭いので俺は、シャルに抱き抱えられるようにして湯船に浸かった。
ルトが窓を開けたので爽やかな夜風が部屋へと吹き込んできた。風に揺れる水面に丸い月が写る。
今夜は、満月だ。
心地よさに俺がほぅっと吐息をつくとシャルが背後から囁いた。
「体を洗ってあげよう、ルシウス」
「んぅっ!」
シャルの手が俺の前を包み込みやわやわと揉む。俺は、呼吸を乱して湯船の縁を両手で掴んで体勢を立て直そうとした。
シャルは、片手で俺の胸の尖りをくちゅくちゅと揉み潰す。俺は、背をそらして甘い声を漏らした。
「あぁっ・・そこ、だめぇ・・」
「なんで?」
シャルが意地悪く俺にきいた。
「ここ、もう、こんなになってるぞ、ルシウス。お前は、ほんとに胸が弱いんだな」
きゅうっと両胸の頂を摘まみあげられ俺は、身悶えた。
「あぁっ・・シャルの、いじわる・・あっ・・そこ、ばっかり・・」
「ふふっ」
シャルは、楽しげな笑い声を漏らすと俺の胸を責め続けた。俺は、胸だけでいかされてしまった。湯の中で白濁を放ってしまった俺をシャルは背後から抱き締めた。
「お前は、ほんとにかわいいな、ルシウス。すごい魔法使いで、同時にかわいい男娼、とは」
「はっ・・ん・・」
快感の余韻にひたる俺の両足をシャルは開かせると湯船の縁にかけ、俺の体を暴く。すでに快感を期待して俺の後孔は、ひくついていた。
俺の尻にあたっているシャルのものは、すでに固く立ち上がっていて。
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