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第55話 恋と愛と欲望と(5)

 6ー5 やきもち  「あっ!ここじゃ、いやっ!」  俺は、シャルに訴えたけど、シャルは、かまわず俺のそこへ熱いものを押し入れてきた。ずちゅん、とシャルの凶悪なものが俺の中に潜り込んできて俺は、その快感に酔わされる。  「ひあっ・・あぁっ・・も、いっちゃうっ!」  「いけばいいさ」  シャルが下から俺の体を突きながら俺の腰を揺らす。  「何度でもいけ、ルシウス」  「あっ・・はぁっ・・」  俺は、シャルに責められ何度も何度もいき続け意識がふわふわとしてきて。哭き狂う俺をシャルは、責め立てて、ついには、俺は、そのまま意識を手放してしまった。  次に気がつくと俺は、ベッドの中でシャルに抱かれていた。  「ん・・シャル?」  「気がついたか?ルシウス」  シャルが俺の濡れた髪をかきあげて俺の顔を覗き込んで鼻先にちゅっとキスをした。  「すまなかったな、ルシウス。つい、やりすぎた」  「・・うん・・」  俺は、シャルの胸に顔を埋めて鼻をすすった。シャルは、俺の頭を優しく撫でながら申し訳なさそうに言った。  「お前が殿下に抱かれるかと思うとつい、歯止めがきかなくなった。すまない」  「シャル・・」  俺が顔をあげるとシャルは、唇で俺の涙を受けとめ、舌で頬を舐めた。  「んくっ・・」  「お前が若い殿下に愛され私のことなど相手にしなくなるのでは、と思うと不安で」  シャルは、俺をぎゅっと抱き締めた。俺は、その温もりに包まれて満たされていた。  暖かい。  俺は、ふっと吐息をついた。  「バカだな、シャルは」  俺は、シャルに口づけした。ちゅ、ちゅっと繰り返してから下唇を軽く噛む。  「あなたは、俺にとって無二の存在だよ。嫌いになんてならないよ」  「ルシウス」  その夜、俺たちは、お互いの体を抱いて眠った。満ち足りた眠りの中で俺は、いつしか微笑みを浮かべていた。  早朝、シャルは、帰っていった。  シャルは、眠っている俺を起こさないようにそっと抜け出していた。俺が目覚めるとベッド脇のテーブルの上にシャルからの手紙が置かれていた。  シャルらしく夕べの行為を詫びる言葉の後には、俺に対する愛情が綴られていた。  『愛しているよ、ルシウス。この世界の何よりもお前を愛している』  その手紙を抱き締めて俺は、微笑していた。  

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