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「葵がそうやって嬉しそうな顔をしているのに、ココはまだこのままなんだね⋯⋯また違うことをしてみようか」 何を、と予想もできずにいる葵人のことをぐっと自身の方へ抱き寄せてきた。 え、と言う言葉と共に口の中のものが溢れそうになったのを慌てて口を塞いでいる時、ふわっと宙に浮いた。 「⋯⋯っ」 また驚きで目を丸くすることになったのも束の間、座っていた椅子に今度は碧人が座り、その上に座ることとなった。 先ほどよりも夫と密着する形となり、それから伝わる確かな温度に少なからずどきまぎしていた。 このようなこと、今回が初めてではないのに。 「緊張している?⋯⋯ふふ、初々しい反応、可愛らしいね⋯⋯」 「ん⋯⋯ん⋯⋯」 頬に指先で撫でられ、そのくすぐったさに小さく身震いする。 その感覚も心地よくて、意識しなければ口を開けてしまいそうになるほどだらしない顔を晒してしまう。 そんな顔も幾度なく見せてきたのだから、見せたっていいが、今回ばかりはそうしてはいられない。 早く、夫が言うまた違うことをして欲しい。 「待ちきれないって顔をしてる⋯⋯。それは僕のが、葵のまだ小さいままのと触れ合っていることも関係してる⋯⋯?」 「ふ⋯⋯っ、ふ⋯⋯んっ、ん」 「うんうん、じゃあそうしてあげるからね」 そう言って腰をしっかりとした手で掴んで、腰を浮かし、それからずっと物欲しそうに収縮を繰り返していた蕾を開かせた。 「まだ口に入れたままだからね」 その言葉と共に腰が落とされる。

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