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第11話

「ん……」  生娘でもあるまいし、いまさら怖がることなど何もないはずなのだが、それでもアルスカは怖かった。  それは、この行為によってフェクスの人生が変わってしまうからだ。アルスカは服を脱ぐ手を何度も止めそうになったが、そのたびに敏感なところを嘗められて、ぐずぐずとシーツに沈んでしまった。  フェクスは夢中でアルスカの乳首に吸い付いた。  かつて学生だったころ、いまよりずっと性欲が盛んだったフェクスには、この乳首を夢に見て射精した夜があった。フェクスは赤くなったそれを転がし、吸い上げ、執拗に舐った。  アルスカは身を捩り、だめだ、だめだと首は振るのだが、フェクスの体を押しのけることはできなかった。アルスカは己の業の深さを思い知った。  いま、彼はフェクスを欲している。そしてその気持ちは理性ではとめられないほどに膨れ上がり、性欲として花開いていた。 「ん……ああぁ、あっ……」  アルスカの理性が溶けて腰が揺れだすと、フェクスはさらに強く乳首にしゃぶりついた。それからそこに噛みついて、自分のものになったことを刻み付けた。  フェクスは上体を起こして、アルスカの体を見つめ、そこに自分の歯形が残ったのを見て股間を熱くさせた。 「入れたい……いいか? ちゃんと言ってほしい……」  フェクスの言葉に、アルスカは頷いた。 「入れてほしい……愛してる」 「ああ、俺も、愛してる」  アルスカのそこはフェクスをすんなりと受け入れた。フェクスは夢中で腰を振った。アルスカの体に残った前の男の気配を追い出すように、奥へ奥へと腰を進めた。 「あっ、あっ、ああっ……!」 「アルスカ、アルスカ、アルスカ……」 「んん、ああ、あっ!!」 「――っ!」  アルスカが大きく仰け反ったとき、フェクスも中へ熱い飛沫を放った。

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