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14 何食べる?
先程のエレベーターから降りると、さらに階下にはネオン輝く街並みが一望できた。
「ここ、いい所ですね」
男だからと言って綺麗な場所が嫌いなわけではない。心に思ったことを口に出すゴー。
「確かにね……僕もこの場所が好きなんだ。たまに一人でここに来て、歌詞とか考えるんだよ」
「そうだったんですか。だから、春さんはあんな素敵な詞を書けるんですね」
「そんなことないよ……。まぁ、いいから座りなよ。ご飯を食べに来たんだから、注文しないとだろ?」
今まで窓の外を眺めていたゴーは、春にそう言われてやっと席に着く。
そんな子供みたいな仕草が春には可愛く見えた。
ゴーが席に着くと、メニュー表を開く。
「本当にここ、高いですね」
そう微笑みながら言うゴー。
「でも、僕はここを気に入ってるよ。個室で静かで眺めも良くてね」
確かに春が言っていることは分かる。自分たちのように有名人であっても、一般人に知られずにゆっくりと食事ができるからだ。
ここに入って来た時も、カラオケ屋の個室みたいに各部屋が別になっていた。
「じゃあ、僕はこれにします」
「遠慮しなくていいよ。今日は僕から誘ったんだから、ここは僕が出すしね」
「あ、はい……」
そう言われても最初は遠慮してしまうものだろう。
「あ、いや……いいですよ。僕、これ好きですから」
そう笑顔で答えるゴー。
「本当にゴーさんはそれでいいんだね?」
「はい!」
「じゃあ、僕もそうしようかな」
春もゴーと同じ料理を注文することにして、店員を呼ぶためにボタンを押す。
しばらくしてから店員が来ると、メニューを頼み、二人は会話をしながら料理が運ばれてくるのを待つのだった。
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