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2ー4 え? ゴー?
前に田舎に住んでいた頃は、時が止まっているかのようにゆっくりと時間が流れ、隣近所の人と挨拶を交わしたりしたが、東京では違う。同じマンションに住んでいる住人さえも、朝は慌てているのか挨拶もない。
街に出れば、人々はせかせかと忙しそうに歩き、主婦もサラリーマンも女子高生も皆忙しそうだ。
春が東京に来て気付いたことは、まず人の多さだろう。それに、こんなに空気が悪いにも関わらず、なぜ皆、東京という都会に憧れを抱くのだろうか。それは、東京に来て春が思ったことだった。
だがやはり、長年東京に住んでいるとその環境に慣れてくるし、皆が憧れるだけのことはあるのかもしれない。だって交通や鉄道は田舎とは違い、電車なんかは十分に一本というのが当たり前だ。コンビニも歩いて十分圏内には必ずある。確かに便利なのは分かるところだ。
そんなことを思い出しながらスタジオに向かう春。
思った通り約束時間の十五分前に着き、ホッと胸を撫で下ろすのだった。
春の性格上、遅刻はしたくない。いや、ただ単に相手を待たせたくないのだ。
春はスタジオがあるビルに入ると、前にゴーと約束した一階の喫茶店へと向かう。
約束の時間まで、あと十五分。
確かに時間より早く来ると暇ではあるのだが、自分が待っている分には全然構わないと思う春は、持って来た本でも読みながら相手が来るのをコーヒーを啜りながら待っていようか……と思っていた矢先に、スタジオのビルのロビーの真ん前にある喫茶店に、髪型は半年前とは違っているが、顔はゴーに似ている人が見えて来る。
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