22 / 30
2ー5 久しぶりの再会
春がゴーと確認するためにゆっくりと近づいていくと、やはり向こうも春だということに気付いたのか、
「春さーん!」
大きな声を上げながら無邪気に春に向かい手を振ってくるゴーの姿が見えてくる。
間違いない。やはり春が思った通りにゴーだ。
ゆっくりと春はゴーの所まで行くと、
「来ているなら、連絡くれれば良かったのに……」
「別にいいんですよ。僕、待ってるのは好きですからー。ほら、遅刻するよりはいいでしょ? 待っていると会えた時の喜びが何倍も嬉しいのが好きなんです」
そう笑顔で答えるゴー。
だが、久しぶりの再会にゴーに笑顔を向けられた春は一瞬息が止まったかと思うのだ。
半年前と変わらない胸の高鳴り。やはり春はゴーのことを好きなのだと再確認ができた。
いつもテレビでゴーを見ていたのだけど、その時は特になんともない。だけど本人を生で目の前にすると心は正直なことが分かったようだ。
「どうします? スタジオの予約時間まであと三十分ありますが、ここでのんびり待ってますか?」
「……へ? あ、ああ……そうだな……」
春はぼんやりとゴーに見とれていると、いきなりゴーに声を掛けられ生返事に近い返事をする春。
「あれ? 今、何か言った?」
「どうしたんですか? 大丈夫ですか? 春さん。えっと、スタジオの予約が十二時三十分からなので、それまで何してますか? ですよ」
「あ、ああ……そ、そうだな……ここで一休みしてから入ろうか?」
「はい! じゃ、春さん! 何飲みます?」
ともだちにシェアしよう!