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君との結婚式2
立樹と色々考えて海の見えるガーデンウエディングにすることにした。
そして最後まで厳かなチャペルでの式も捨てきれなかったから、ウエディングフォトでチャペルフォトを組み入れて貰うことにして、チャペルでの式を疑似体験する。もちろんサンセットビーチでも撮って貰う。これが2人で決めた式だ。
立樹はなんでも、俺のしたいことを優先する。それは嬉しいけど、これは俺と立樹の結婚式なんだから俺のしたいことじゃなくて俺たちのしたいことじゃなきゃ意味がない。それを立樹に言い聞かせた。
「俺、女の子じゃないからね。だから花嫁が主役とかなし。主役は俺と立樹の2人なの。だから俺のしたいことじゃなくて、俺と立樹のしたいことだから」
「わかったよ。じゃあ悠は白のタキシード着て」
「は?」
「俺のしたいこと言ってもいいんだろ? だから悠は白のタキシードで。俺が見たいから」
「なにそれ」
「絶対に似合うから」
「じゃあ立樹の衣装は俺が決めていい?」
「いいよ。あ、サテンシルバーのフロックコートはナシで」
「うん、違う。ネイビーブルーのショートフロックコートが見たい」
「わかった。じゃあそれにするよ」
「ん? 立樹のしたいことって言ったはずなのに、俺の希望も言っちゃってるじゃん」
「いいんじゃないか? 2人のしたいことで」
「そっか。そうだね。俺だけのしたいことじゃないもんね」
そんな感じで2人で決めた結婚式は3ヶ月後だ。
金曜日にパートナーシップ宣誓をし、その足でハワイへと飛ぶ。
式にはそれぞれの家族だけにした。兄さんに結婚式に出てよと言ったら仕事があるのに!と言われたけど、お義姉さんのハワイに行きたいとの一言で出てくれることになった。
それでいいのか? と思ったけど、夫婦仲はいいからいいんだろうな。
立樹の方もご両親に弟さんが出てくれることになっている。
こんな感じで俺の側も立樹の側も家族揃っての式を挙げられることになった。
女性なら結婚式までの間エステに通ったりするのだろうが男である俺たちはなにもすることはなく、ただ1週間の休みを取るために仕事をするだけだ。
ただ、立樹は主任という立場にあるのでちょっと大変だったみたいだけど、係長さんが優しくてなんとかなりそうだと話していた。
そして今日はあきママに結婚式を挙げるという報告に来た。
「まぁ! パートナーシップ宣誓だけじゃ飽き足らずに式まで挙げるの! しかも海外だなんて。やるじゃない、立樹」
「ママに言われた通り式挙げて、ウエディングフォトも撮って来ますよ」
「立樹、格好良いでしょうねー」
「ちょっと、ママ。立樹は俺のだからね!」
「イケメンはみんなのものよ」
「他のイケメンはみんなのものでも、立樹は俺のものなの!」
「はいはい。あんたのものですよ。って冗談はさておき、もっとゲイの間で結婚式を挙げる人が増えればいいのにね。お客さんの中にいないわけじゃないけど少ないのよね」
「戸籍上なにも変わらないから、そこで諦めちゃってるんじゃないですか」
「そうねー。でも、あんたたちの場合は立樹がノンケだったから良かったのかもしれないわね。パートナーシップ宣誓を結婚式と思えば式を挙げるのも抵抗なかったでしょう?」
「そうですね。逆にやらない方が違和感あるかも」
「良かったわね、悠」
「うん。ママ、アドバイスありがとうね」
「いいえー。お土産だけ待っているわ」
「うん、買ってくるよ」
「あ、写真だけは見せてね。あんたたちの幸せな顔見たいわ」
「うん!」
今回の結婚式というのはママのアドバイスがあるので、お土産は忘れない。後は大翔にも忘れない。俺の泣き言をいつも聞いてくれていたから。
周りの人の支えがあって、今回の結婚式になったと思っている。
そして、結婚式をやろうと言ってくれた立樹には感謝だ。いくらあきママがアドバイスしたって、それをやろうと言ってくれたのは立樹なのだから。
結婚式もウエディングフォトも楽しみだ。
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