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第1話

城内訓練場では、若き騎士たちが剣術の稽古に励んでいた。剣の音が響き渡り、汗が飛び散る中、エドガー・フォン・ローゼンハート侯爵は高みのバルコニーからその様子を見下ろしていた。朝の陽光が彼の整った顔立ちと長い体躯を照らし、その眼差しは熱っぽく輝いていた。 エドガーの視線の先には、背が高く逞しい体つきをしたルシアンがいた。彼は他の騎士たちを圧倒するほどの存在感を放ち、剣を振るう姿は美しくも力強かった。 エドガーは心の中でため息をついた。 「不憫だわ…」 心の声は切なく、彼の胸の奥底に響いた。 「毎晩私を抱かないといけないのだから、夢の中で…」 夢や希望に溢れた若者が、夢の中であってもおじさんを抱かないといけないのは不憫としかいいようがない。 エドガーは自分の欲望を棚に上げ、ルシアンに同情した。 自分に拾われたばかりに、無垢な青年がどれほどの犠牲を払っているのかを思った。 「アタシに拾われたばっかりに、不憫な子…自分の意に反して私にあんなことやこんなこと…」 夢の中での出来事を思い出し、様々な体位での愛の交わりが頭をよぎると、エドガーは鼓動が高鳴り股間が熱くなるのを感じた。そんな時、ふとルシアンと目が合った。 「やだ、アタシったら本人を前にして何を考えてるの!物欲しそうな顔してないわよね!?」と心の中で叫ぶエドガーは、その瞬間にルシアンが訓練を終え、汗を拭きながら彼のもとへ駆け寄ってくるのを見た。 「エドガー様」とルシアンが呼びかける。 「励んでいるな」とエドガーは微笑んだ。 ルシアンはエドガーが来てくれたことを嬉しそうにしながら、稽古の話を始めた。エドガーはその逞しい体を舐めるように見つめた。 「逞しい…こんなに逞しかったかしら…あぁ、この逞しい身体が毎晩私を貪るようにーー」 思い出し、心の中で叫ぶエドガーの視線は、ルシアンの筋肉の動きに釘付けだった。 「エドガー様?」とルシアンが不思議そうに声をかける。 「声でてたのぉ!?聞かれた!?やだぁ!!終わった!!」と心の中で動揺するエドガーだったが、ルシアンの顔には困惑の色はない。 「すみません、お忙しいところ、足を止めさせてしまい…」 「気を遣わせちゃったじゃない!アタシのバカ!」とエドガーは心の声が漏れていないことに安堵し、「気を遣わなくていい。私が好きでしていることだ」と優しく答えた。 ルシアンは控えめながらも嬉しそうに微笑み、その笑顔はエドガーの心を再び揺さぶった。 「可愛い、可愛い、可愛いもぉー、食べたい!うぅん、食べてほしい!私を食べてぇ!!!」エドガーは心の中で絶叫した。まだ一緒にいたいという気持ちが湧き上がる一方で、「夜まで我慢しなきゃ」と心の中で言い聞かせ、その場を立ち去ることに決めた。 日に日に欲望が大きくなっているエドガーは、「まずい、まずいわ。この欲望が暴走する前に手を打たないと」と感じていた。今はまだ夢の中だけで我慢できている。けれど、いつか現実になるのではないか、エドガーは不安を抱えていた。 ルシアンへの欲望を自覚してから、エドガーは禁酒をした。本能が暴走しないようにするためだ。 「あの子は、アタシが命令すれば逆らえない…不憫だわ」 エドガーは深く息を吐き、「あの子をアタシから守れるのは、アタシだけよ!」と心の中で決意を固めた。 「子供の頃は、母性だったはずなのに。いつから欲望になったのよー!私の可愛いルシアンーーそうよ。アタシのものだからいけないのよ。誰かのものになれば、アタシだって諦めがつくわよ!成人を迎えることだし、結婚よ。そうよ、ルシアンを結婚させましょう!子供が生まれれば…きっとあの子に似て可愛いわぁ」 ルシアンの幼少期を思い出し熱い吐息を零した。

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