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第2話

エドガーの寝室に足を踏み入れると、まず目に入るのはゆったりとした応接スペース、その奥にはキングサイズの天蓋付きベッドが豪華に佇んでいる。 応接スペースには3人並んで座れる椅子があり、そこにエドガーとルシアンが腰掛けていた。ルシアンは今日1日の出来事を報告している。 これは子供の頃から続く夜の日課であり、成人を迎える今でも変わらず続いていた。 エドガーはルシアンの貴重な時間を奪っていると心苦しく思う反面、彼のそばにいたいという乙女心が胸を締め付ける。 「いっそ、メチャクチャに抱いてくれたら諦められるなかしら?ダメよ、あの子にこんなおじさんを抱かせるなんて」と心の中で悶々とする。 「今日も色々あったんだね」とエドガーは微笑んだ。 「はい。エドガー様に朝にも会えて嬉しかったです」とルシアンが答える。 「可愛い!」と心の中で絶叫するエドガー。しかし、表情には出さずに言葉を続けた。 「パーティーを開こうと思うんだ」 「パーティーですか?」 ルシアンは少し驚いた様子で問い返す。 「成人を迎える、お披露目会ってところだ」 「俺の、ですか?」 「そうだよ。主役はルシアンだ」 エドガーは優しく微笑んだ。ルシアンは控えめに、しかしどこか誇らしげに笑った。 「ありがとうございます」 「パーティー用の服を仕立てよう。そうだ、ダンス。パーティーにはつきものだ」 「ダンスですか。ダンスはしたことないので…自信ありません」とルシアンは不安そうに言った。 「もちろん一流の講師をつけよう」 すると、ルシアンはエドガーの手を握りしめた。 「エドガー様が教えてください」 エドガーは自分の手を握るルシアンの大きくて逞しい手に興奮し、心臓が跳ねるのを感じた。 この大きく、分厚き手で、身体中を弄られたら。想像するれば、ジワリ…と股間が熱を持つ。 「わ、私がかい」声が上ずる。 「ダンス、本当に自信がなくて。知らない人から習うのは恥ずかしいーーだめですか?」 ルシアンの熱い眼差しに、エドガーは「え?キス!?」と勘違いし、目を閉じた。 「エドガー様?」とルシアンが不思議そうに声をかける。 エドガーはキス待ちした自分を恥じ、咳払いをして「わかったよ」と了承した。 「ありがとうございます。嬉しいです」ルシアンは笑顔で答えた。 「エドガー様ともっと一緒にいれるなんて夢みたいです」 エドガーは紳士的に手をほどき、さりげなく立ち、背を向けて少し距離を取った。 「ダンスの練習は明日からにしよう。時間と場所は追って伝える」

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