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最終話

エドガーとルシアンは、エーレンブルクの館に足を運んだ。目的は一つ、エレオーラに会いに行くこと。報告と謝罪を兼ねての訪問だった。消えてしまった主催者と主役の尻拭いをしてくれた彼女に、感謝の気持ちを伝えたかったのだ。 館の玄関先で、エレオーラが二人を迎えた。温かい笑顔を浮かべながらも、その瞳にはどこか心配そうな色が滲んでいた。 「色々迷惑かけちゃってごめんなさいねー」とエドガーが頭を下げると、エレオーラは優しく微笑み、「気にするな。無事で何よりだ」と言った。我が妹ながら男前だ、とエドガーは心の中で思った。 「ルシアン、兄を頼んだぞ」とエレオーラが続ける。ルシアンは真剣な表情で頷き、「はい」と答えた。 すると、子供達が「一緒に遊ぼう」とルシアンの手を引いて庭へ向かった。エドガーは少し寂しげにその後ろ姿を見送った。 「子供たちに嫉妬するなよ」とエレオーラが冗談めかして言うと、エドガーは慌てて、「し、しないわよー」と返す。 二人の視線が交わり、自然と微笑み合った。 夕陽が庭を染め、子供たちの笑い声が風に乗って届く。エドガーとルシアンは、これからも共に歩む未来を感じながら、静かに手を取り合った。館の庭は、その幸せを祝福するかのように美しく輝いていた。 エレオーラは二人を見守りながら、心の中で彼らの幸せを祈った。彼女の微笑みが、夕焼けの中で一層輝きを増した。その光景は、まるで永遠の幸福を約束するかのようだった。 これが、エドガーとルシアンの新たな旅立ちの幕開けだった。

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