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05 複数に迫られて
※モブレ未遂があるので苦手な方はご注意下さい※
望月くんとそういう関係になって早半月程が経った。すっかりと学校でも呼び出される事にも慣れた頃、自分の中で決定的な出来事が起こった。
【準備室】
いつも通り、不定期に送られてくる放課後のメッセージ。それを見て、つい顔がニヤけてしまう。
「何か最近千明楽しそう。今からなんかあんの?」
「あー…うん。ちょっと嬉しい事があって」
「へぇ。千明が楽しそうにしてると俺も嬉しい。いっつも俺らの事ばっかであんま自分の話とかしねーじゃん?だから千明も話したい事あったら話してくれよ。したい事とかも言ってくれたら嬉しい」
友人からの言葉に色んな感情が込み上げてきて少し涙目になると、可愛い~と言われてわしゃわしゃと頭を撫でられた。
「ありがと。これからは自分のしたい事とか、色々話していきたい。今から部活頑張ってね」
「おう。じゃ、また明日なー」
自分が必要以上に考えていただけで、自分の気持ちを優先にしてても友人達は俺の事好きで居てくれるんだ。そう思うと少しだけ今までの自分が恥ずかしくなった。
(あ、やば。早く行かないと)
パタパタと準備室まで走ると、何人か同じ色のスリッパの人達とすれ違った。制服を着崩していて、いかにも少し問題がありそうな風貌。
通り過ぎる時に少しだけちらっと見ると、何故かみんな俺を見ていた気がする。
(まぁいいや…待たせちゃまずい)
早足で準備室へ行くと、机に座って待っていた望月くんは相変わらず不機嫌な表情をしていた。
「今日遅くない?」
「ごめんね。さっきヤンチャそうな人達とすれ違っちゃって。ちょっと気になって見てたんだよね」
「へぇ。──お前、気を付けろよ」
「何が?」
「お前って、学校でオナニーする変態の癖に人気者じゃん。見た目も悪くねーし。だから気を付けろって言ったの」
「…うん?よく分かんないけどありがと」
「まぁいいや。とりあえず舐めて」
「うん」
不機嫌そうなのはいつもと同じなので、チャックをずらして可愛い望月くんを取り出すと、唾液をたっぷりと絡ませながら裏筋を集中的に攻め立てた。
いつも強気の態度なのに、裏筋を舐めたら少し足が震える所が可愛い。小さく漏れる吐息が可愛い。
「お尻向けて」
そして、欲情して俺の中に入る直前の表情はとても格好良い。
「うん…」
俺が多少痛くても平気だと伝えても、いつも時間をかけて解してくれる。乱暴な言動で、俺様気質な所はあるけど何だかんだ俺をちゃんと見てくれる所が嬉しくて、凄く好き。
でも恋愛なんてした事がないので、これが恋愛感情の好きなのかは分からない。
もし他に自分の事を激しく抱いてくれる人が居たら、俺はどう思うんだろう。
「おい。余計な事考えてんじゃねーよ」
慣らして準備が万全になった頃、俺は後ろから激しく望月くんに愛された。
肌のぶつかり合う激しい音が響きながら壁にもたれていると、俺の体の事をよく知っている望月くんは追い詰めるように腰を打ち付けてきた。
「ぁ…、──っっ、ぅ……ぐぅ、」
声が漏れないように必死に押し殺して耐えていると、何度もピストンする箇所から強烈な快感が送られた。
ガクガクと足が震え出し、立っているのが危うくなった頃に望月くんが欲を吐き出すと、俺は力が抜けた。支えてくれたので思いっきり膝を打つ事はなく、ゆっくりと床に崩れ落ちた。それを確認した望月くんはすぐに後片付けの準備を始め「またな」と言って帰って行った。
本当はもう少しだけ一緒に居たい。一人残された部屋でそう思っても、直接本人に伝える事は出来なくて。
だるい体を自ら綺麗にして制服を整えると、いつも机に置かれているミルクティーを手に取った。
放課後いつ呼び出されるか分からないので、昼休みに自分で買う事がなくなったミルクティー。これを見ると、一人の淋しい空間も少し和らいだ。
「──望月くんは、何が好きなんだろう。俺ばっかり、貰ってる気がする」
ストローを差して口に含むと、とても安心する甘い味。独り言のように呟いて体が落ち着くまで少し休憩していると、普段開くはずのない扉が開いた。
「…え」
中へ入ってきたのは望月くんでも、教師でもない。俺がここへ来る途中にすれ違ったヤンチャな人達。大柄な人を先頭に、少なくとも3~4人は居る気がする。
ニヤニヤとした表情を向けるその人達に、凍てついた感覚に陥った。
『お前、気を付けろよ』
ついさっき言われた望月くんの言葉が頭に浮かんで、冷や汗が出た。
「まさか優等生で人気者の千明くんと、学生トップの望月くんが二人でやらしい事してるなんてねぇ」
「なぁ、俺らにもさぁ…いい思いさせてよ?じゃないと、どうなるか分かるよな?」
「──分かった。俺には何してもいいけど、望月くんには何もしないでね」
望月くん以外の奴らとする気なんて更々なかったけど、俺はもしかしたら乱暴にされるのが好きなのかもしれない。
じゃないと、最初に望月くんに脅された日に、あんなに幸せな気持ちになるはずがない。
望月くんを守るため、そして自分の気持ちと性癖を確かめるために、冷静なトーンで男達に話しかけた。
「物分かりいいじゃん。早速脱げよ」
そう言いながらも、脱ぐ時間を与えなかった俺は、大柄な男に羽交締めにされた。
「はぁー…なんかいい匂い」
「体も細いしすっげー唆る」
複数の男が俺のシャツのボタンを外し、中に着ているインナーの上から体を撫で始めた。
「っ、」
望月くんに快感を教えられた体は、ピクリと小さく反応した。
「お、可愛い乳首」
キュッとインナーの上から乳首を摘まれると、前に望月くんから受けた擽ったい感覚が襲った。
あれから俺の反応を見てる望月くんは乳首に関しては甘噛みしかしてこないので、優しく触られると擽ったくて必死に体を捩った。
「おー…感じてる。えっろ……」
「服の上からでも勃ってんの分かんじゃん」
カリカリと爪で乳首を掻かれると、あまりの擽ったさに吹き出した。
「ふっ…!んん、ふふっ…」
「? あれ、もしかして望月に開発されてねーの?」
「擽ったいのか?」
男達が不思議そうしながら乳首の他にも脇腹や腹部を撫で回すと、ビクッと体が跳ねてしまった。
「ぁは、あっ……!?」
こんな刺激、望月くんに教えてもらってない。逃げようと必死に暴れると、楽しそうにしながら押さえつけてこちょこちょと子供のような攻撃を繰り返した。
「あっ、……ひはっ、……ぁはは…!やめ…ッ、やめてっ」
「へぇ。我慢して真っ赤になってんのも可愛いかも」
「えー、お前らこんな色気ねーのがいいの?俺が求めてんのはそういう反応じゃねーんだけど。早く下脱がそうぜ」
「そうだな」
ベルトに手をかけられ、下着諸共ずり下ろされると、そこには全く反応していない俺自身が姿を見せた。
(あれ…?くすぐったいだけだったから?みんなから迫られてんのに全然反応してない)
自分でも不思議に思っていると、床に押し倒された。腕を大柄な男に押さえつけられ、足は片方ずつ開かされて固定された。
「うわ…さっきまでここに望月の入れてたの?やっば……アイツ、人とつるまねーくせにヤることやっててずりーわ」
「……ッ、や…めっ」
一番恥ずかしい箇所を晒されると体が熱くなった。恥ずかしくて暴れても複数に敵うはずもない。
「俺は紳士だし優しく抱いてやるよ」
唾液で少し湿らせた人差し指を挿入されると、激しい嫌悪感に身体中鳥肌が立った。
(気持ち悪い!!)
さっきまで更に大きな物を受け入れていたのに。誰かにめちゃくちゃにされて、自分の心を知りたかったのに、体は恐怖に震えてしまう。
「びびってるフリ?望月も激しそうじゃん。優しくされてねーだろ?だったら俺らと変わんなくね?」
確かにそうだ。何なら脅して無理矢理犯してきた望月くんの方が酷い。
なのに。
(触って欲しくない!気持ち悪い!望月くんじゃないと嫌だ!)
ボロボロと溢れ出た涙は止まらなくて、必死に暴れた。
「暴れんなって。すぐに何も考えれねーくらいにしてやるから」
「助けなんてこねーから観念しろ」
そう言われても抵抗の力を緩めたくなくて、ボロボロ泣きながら望月くんの名前を叫ぼうとした。
──その時、バンッと激しい音を立てて扉が開いた。
「!」
一斉にみんなが扉の方を見ると、無表情で立っていたのは望月くんだった。
いつも戻ってきたことなんてないのに、どうして。
かなり怒りのオーラを纏った望月くんを見て皆が一瞬固まってしまったが、すぐに大柄な男が動き出した。
「…は?なーに?望月くん~お前だけ千明くんを独り占めとかずるいだろ?だから、コイツ可愛がらせて?」
大柄な男が俺を解放して望月くんの方へ行くと、普通体型のはずの望月くんがとても小さく見えた。
「お前退学になるよ。さっきまでの撮影してるから」
小さいのに果敢に立ち向かう姿はとても格好良くて、俺はつい見惚れてしまった。
相手は複数居るので何とかなるはずだが、望月くんのオーラが凄かったからか、大柄な男は舌打ちをすると、仲間を呼びかけて出口へ向かった。
「……行くぞお前ら」
「あのさ、もう二度と千明に近付かないでくれる?俺のなんだよ、コイツは。次に手出したら容赦しないから」
「……」
男達は望月くんを睨み付けながら準備室から出て行き、残された俺と望月くんの間には重たい沈黙が流れた。
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