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31. 巣作りと約束 ②
次に巣作りをする時は、番になるときだろうか。
そう考えると、ふわふわした気持ちと、嬉しくてニヤニヤが止まらなくなる。
蒼人も起きてるかな? と思いながら静かに目を開けてモゾモゾと体を動かすと、頭の上から蒼人の声が降ってきた。
「麻琴 、おはよう」
そう言って、髪の毛にキスを落とす。
「おはよう」
気恥ずかしいけど、やっぱり嬉しくてニヤニヤしてしまう。
「体調はどうだ?」
「うん、もうすっかり良いみたい。……ありがとな」
「俺に甘えてくれる麻琴、可愛かった」
──っ!!
突然、蒼人が爆弾を落としてきた。
おれの身体はヒート再来か!?って思う程一気に熱くなる。
頭なんて爆発寸前だ。これ絶対、顔から火が出てるぞ。
「……そっ、それっ……。……それは、そうなんだ……けどっ」
なんて答えるのが正解なのか? ありがとう……というべき? いや、なんかそれはそれで恥ずかしいし……。
しどろもどろになって、あたふたするおれを、蒼人はクスクス笑いながらぎゅっと抱きしめ直した。
「次のヒートでは、番になりたい」
耳元で、再び爆弾宣言。
何度爆弾を落とせば気が済むんだ?
でも、番になりたいということは、この先ずっと側にいて、一生を添い遂げる約束をするのと同じだ。
並大抵の覚悟で言える言葉ではない。
「……ふっ……ふつつかものっ、ですがっ」
自分が三指をついて、深々と頭を下げる様子を思い描く。
実際には蒼人に包みこまれているから、身動きが取れない状態なんだけど。
「待って、麻琴。……俺、まだプロポーズしてないんだけど? それじゃあまるで、プロポーズへの返事だよ」
蒼人は困ったように、でも嬉しそうにおれに言う。
うん、確かにふつつか者ですが……は、結婚の挨拶にもよく使われるよな。
「え……?じゃ、じゃあ……。番って、ください……。よろしく、おねがいします……?」
自分で言っておきながら、よくわからなくなってきた。
番ってくださいってなんだろう……。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
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