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花嫁 終わり
鬼は恋人を抱く。
毎夜。
そして何日にもなることもある。
人間では無いからこそ。
今はもう花嫁の精気を喰らわなくても生きていけるのだけど。
恋人の中が愛しくて。
そこを愛して確かめずにはいられないのだ。
恋人の中全てさえ。
花嫁達が快楽だけではダメだった理由がわかる。
今ならば。
これは快楽以上のもの。
受け入れられ、愛されること。
「寂しいの?おいで」
恋人は受け入れてくれる。
自ら脚を広げて。
恋人は甘い。
その股間にある甘い茎をしゃぶり、後ろまで舌で犯す。
何度でも零す甘い甘露を味わい、胸に尖るそこも齧る。
恋人は何度でもイけるし、その度甘くなる。
中を突き上げる度に甘く。
深く嵌るほど甘い。
「ダメ・・・今はああっ・・・」
恋人の指示には従う。
褒められてその指で撫でられるのが好き。
「もっと・・・もっとぉっ!!」
そう言われたなら激しく喰らうのも好き。
鬼と恋人は人のように暮らしてはいる。
それが恋人の望みだからだ。
人の姿でいるが、セックスする時はこの姿になる。
恋人がそれを受け入れてくれるのが嬉しいからだ。
恋人が望まないから、誰も傷つけない。
祟らない。
呪わない。
傷つけない。
恋人が望むなら、祟り神としての力を存分に使うが、恋人はそれを望まない。
人間のように静かに街の片隅で暮らすことを望む。
それならそれでいい。
なんだっていい。
凄まじい力を抑えて街の中に静かにいよう。
人間の中に。
ずっといるよ。
いてあげる。
恋人だけが言ってくれた。
恋人は何も望まない。
邪法などなくても。
神を封じて、思いのままに操れるのに。
封じられた神は。
恋人の腕の中にいる
終わり
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