1 / 31

高校1年 5月のこと

 黒い眸に見つめられて美己男(みきお)の息が止まった    あの眸の中の海に飲み込まれ、溺れたい    わかっている  自分の望みが叶わぬこと  自分が愛するようには愛されない事  だけど、それでも  何度も、何度も  追いかけて  飛び込む  あの腕に  あの海に  自分の望む形ではなくてもかまわない  自分と同じ好きの形じゃないと  わかっていても    俺は(かん)ちゃんに狂っている

ともだちにシェアしよう!