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なんで、こうなった?

「ユウ…」 「シュウ…ちょっと…落ち着こう?」 「ごめん…もう…」 「え?…も…もう?」 「~~っ!…我慢…出来ない…」 「…え?」 なんで?なんで? なんで、こうなった? って…四葉のせいなんだけど… 全ては、四葉(よつは)が小3の時、たまたま出会ったという漫画から始まる なんだか、やけに興奮して喜んでたが、少女漫画なんて自分には関係ないと思ってた ところが… 翌年になり、俺達は巻き込まれ始める 妹の四葉が小4、俺が小6、大和(やまと)が中3 両親が共働きで、よく3人で家に居たから 喧嘩も多かったけど、兄弟仲は良かった ある日… 「ねぇねぇ、ユウ」 「何?」 「あのね、大和とこれ、やって?」 四葉が漫画本を開いて見せてきた 「?…喧嘩?してんの?」 「違うよ。壁ドンだよ」 「かべどん?何だそれ?」 「いいから、やって!ね?」 「まあ…いいけど…」 俺には、何の事だかサッパリで 「大和~」 俺達のご飯支度をしている大和に声をかける 「何?」 「あとで、四葉が俺達にやって欲しい事があんだって」 「四葉が?いいぞ~♪︎」 「やった~~!」 大和は四葉に甘い そりゃもう、すっごく甘い 何だって言う事聞く 5歳下ってのもあるんだろうけど 妹ってのが可愛いんだろう 「結叶(ゆうと)…」 「何?」 「ちょっと、こっちの袖上げてくれる?」 「うん」 袖を上げると 「ありがと…ちゅっ」 「~~っ!」 おでこに、ちゅってされた 「大和…」 「何?」 「シュウは…朔(さく)兄に、こういうのされないって言ってたよ?」 「そう?」 「うん…お…おかしくない?」 「おかしくないよ!!」 びっくりした 喜んで向こう行ったはずの四葉が すぐ近くで大きな声で言ってきた 「ユウも、大和も、仲良しがいいもん!」 「四葉…」 「そうだよな?仲良しがいいよな?」 「いっぱい…ちゅ~するもん!」 「そうだよな?四葉もする?」 「ん~~…今はいい」 「え~~?残念」 世間知らずだった俺は まず、そこで間違いに気付けなかった 夕食が終わり、皆で片付け終わると 「それで?四葉は、何して欲しいって?」 「んっとね~…これ!」 「どれどれ?……へぇ…壁ドンかぁ」 「うん!やって!やって!」 大和知ってた… 「いいよ~♪︎四葉~♪︎」 デレデレ 「ユウ…こっちこっち」 立ち上がった大和に付いて行くと 「じゃあ、結叶は、はい。このままね?」 「うん…」 「四葉…壁ドンするよ?」 「うん!」 目…キラキラ まあ…四葉が喜ぶならいっか ドンッ ビクッ! びっ…くりした~… ああ… 壁…ドンッ…て事… そのままか 「あとは?四葉。終わりでいいの?」 「んっとね~」 パラパラとページをめくる 「これ!」 「ふっ…四葉、そういうの好きなんだね?」 「好き!」 「分かった。顎クイね?」 「うん!」 キラキラ~ 今度は、あごくいか アリクイじゃなくて? なんて、考えてたら 大和に、顔を少し上げさせられた 「結叶も、覚えとくといいよ?」 「何を?」 「これが、顎クイ」 「?…これって?」 「顎…手をかけて、クイっと上向けるの」 「ああ…あごって顎」 色んな言葉あるんだな ってか…四葉は、これ見て嬉しいの? チラッと四葉を見ると ぱぁ~~っとなっている 嬉しいんだ なら、いいんだけど 「ユウ…」 「うん?」 クイッと、また大和の方に向かせられる 「こういう時、余所見するものじゃないんだよ?」 「こういう時?顎クイの時?」 「うん…人と…見つめ合ってる時…」 「ふ~ん?」 大和と見つめ合ってたのか 「……………」 「…………いつまで、見つめ合ってればいいの?」 「それは、四葉がいいよって言うまで」 「四葉、まだなの?」 「も…もうちょっと…」 「ふっ…四葉は、おませさんだな?」 ? この日を境に 四葉は、毎日の様に俺達に、色んな要求をしてきた 「ユウ~♪︎」 来た 「四葉…今日も…何かやるの?」 「うん!」 うっ… そう…嬉しい顔されると 嫌とは言えない そう… 俺も大和には負けるが 妹には甘いんだ 毎日毎日 大和に、抱き上げられたり 膝枕してもらったり 一緒にソファーに横になったり 四葉は、何が楽しいのか 毎日、嬉そうにしている けど 実は俺も 大和に甘えられて嬉しかったりする 「今日はね~…これやって?」 「どれ?ん~~?」 これは… 首舐めてんのか? 汚ないな 「これは、なんかやだ」 「え~?なんで?」 「だって、これ舐めてるでしょ?」 「そうだよ?」 「汚ないよ。やだ」 「~~っ…ふっ…ふぇっ…ふぇ~~…」 「えっ?…四葉?」 四葉が泣き出した まさか、そんなにやって欲しかったとは… 「四葉~?どうした?」 すぐに、大和が駆けつけて来た 「ふっ…大和…ユウが…これ……やってくんないって…うっ…ふぇっ…」 いっ?! ソッコーばらした! 「だっ…だって…なんか今日の…やなんだもん」 「どれ~?どんなのかな?」 「これっ…えっ…やって欲しっ…のっ…」 「へぇ~?…ユウ…これ、やなのか?」 「だって…なめってるよ?汚ないよ」 「俺に舐められるの、嫌?」 「え?…そうじゃなくて……あれ?」 そうじゃなくて… なんだっけ? 「大和が…そんなとこ舐めるの汚ないよ?」 「おでことか…ほっぺとか…いつもキスしてるのと変わらないよ?」 「……そうかな」 「そうだよ?」 「…じゃあ…いいよ」 「良かったな、四葉。いいって」 「やった~~!」 あれ? なんか…違う様な… でも、何が違うのか分かんない 「あのね、あのね?大和と結叶、写真撮っていい?」 「ふっ…いいよ。な?結叶」 「別にいいけど?」 「やった~~!」 四葉の気持ちが サッパリ理解出来ない 「おいで、ユウ」 大和が、ソファーに座って、膝をポンポンと叩く 「そこ座るの?」 「この構図からいくと、そんな感じかな?」 「ふ~ん?」 照れ臭いけど 嬉しい 「結叶は、右手で俺の頭触ってて?」 「頭?この辺?」 「適当でいいよ。四葉どう?」 「うん!すっごくいい!」 まだ、出来上がってないのに パシャパシャ撮ってる 「じゃあ…結叶、少し上向いて?」 「こう?」 「そう…そのままね?」 これの何がいいん… ビクッ! 「大丈夫?結叶」 「……え?」 何…今の 大和が、俺を見上げる 「うん…なんか…ちょっと、びっくりした」 「こんなとこ、舐められる事ないもんな?」 「うん…」 そうだ こんなとこ、舐められる事ないから 慣れてないから、びっくりするんだ 「もう少し舐めるよ?」 「うん……んっ…」 くすぐったいの? 何? 「ユウ、あのね?口、開けて欲しいの」 「え?口?」 「これ、見て?少し開けてるでしょ?」 「ああ…」 細かっ… 俺は、その人じゃない時点で 真似しきれないよ? 四葉と話し終わると 大和が舐めてくる 「んっ……ん…」 「ユウ…下向かないで、お口閉じないで?」 そうだった 上…向いて… 「んっ…」 上向くと… なんか… 一段と… 「ユウ~…お、く、ち!」 口… 「はっ…分かっ…ぁっ…」 変… 体…変… 大和の頭を、ぎゅっと抱える 「やま…と…なん…か…へん…」 「ふっ…四葉…結叶、限界だよ?今日は、ここまでにしよ?」 「うん!ありがと!」 四葉が、そう言うと 大和が、ぽふっと胸に抱き寄せてくれた 「……大和?」 「変な感じだった?」 「…うん…なんか…変…」 「怖くない?大丈夫?」 「怖くはないよ?」 「そっか…かわい…」 可愛い? 大和に、可愛いって言われた 嬉しい 何が何だか分からないうちに 俺は、日に日に大人への階段を登って行ってたらしい 大和が高校に入ると、帰る時間も遅くなり 中学生になった俺が、出来るだけ食事の支度とかするようになり 幼馴染みの秀真(しゅうま)の母さんも働きだした事もあって 秀真が、よく家にやって来るようになった そうすると、自然と大和の代わりに 秀真が、その役に抜擢されるようになり 四葉の撮影会は続いた 秀真は、大人しくて、あまり喋らない 学校でも、あまり喋らないけど 四葉も大和も、幼馴染みなので そんなの気にしない 「ユウ!シュウ君!今日のはこれね?」 「はいはい。シュウ…毎日悪いな?」 「別に…俺も、ご飯支度手伝う」 平日は、ほぼ、シュウが来て、一緒にご飯作って食べて、撮影会をして帰る それを見て安心したのか 大和は、バイトを始めたので 大和まで、あんまり会う事がなくなってしまった 兄弟3人も居たら、色々考えるんだろう 俺だって、大学行けんのかな?とか バイトした方いいのかな?とか 考えるもん けど…俺でも、少し寂しいって思うんだから 四葉は、もっと寂しいに違いない 「んっとね~。これ!」 「どれ~?オッケー」 もう…1年もやってると だいぶ要領も良くなる 「あれ?どっちが、どっち?」 「んっとね~。ユウが、シュウ君を抱き締めるの~」 「シュウ、俺の前座って…俺にもたれかかって…もうちょい寝る感じ…これ位かな?」 「いい!」 ふっ… 嬉しそう 「あとは、俺がシュウの首に手を回して、2人して、そっち向けばいいんだな?」 「うん!表情は、こんな感じね?」 「はいはい」 「ユウ、もうちょっと顔近づけて?シュウ君の髪に触れる位」 「この位?」 「そう!はい!表情作って~!」 俺達、モデルなの? 四葉は、カメラマンなの? そんなこんなで 俺とシュウの、料理の腕と、ポージングの技術はどんどん向上してった 四葉が、小6になると、自分で漫画を描き出した 元々、絵を描くのが好きだったから いずれそうなるかなとは、思ってたけど… 「ユウ~!見て見て~!」 漫画と言っても、ただのイラストだったり 2、3コマで終わる様なものだけど 結構、絵は上手いと思う いや、自分の妹だからじゃなくて ただ… 問題は… 「四葉、上手いね…」 「へっへ~ん!」 「ねぇ、四葉…」 「何?」 「なんで、いつも…男ばっかなの?」 四葉が描く絵には 全然 全く 女の子が登場しない 「女の子描くの苦手なの?」 「そうじゃなくて…」 じっ…と、俺の顔を見る 「ん?」 「あのね、男の子が、仲良くしてるの見るの、好きなの」 「…へぇ~…」 分からない けど… 確かに、四葉が持ってくる漫画は いつも男同士が仲良くしてて そういう漫画が多いって事は そういうの好きな人が居るって事だ 分かんないけど 絵を描いてる時と この撮影の時の四葉は 凄く元気だから 「今日は?どんなの?」 「えっとね…あのね…」 チラッと…存在感を消してる、シュウの方を見る なんだ? 「これ…なんだけど…」 見ると… ああ… キスする寸前みたいな 確かにこれは、ちょっと頼みにくいかもな 「シュウ、これだって。出来そ?」 「ん?…っ…」 おお… シュウが、驚いた ほんの少しだけど 「あ…シュウ君…嫌なら、別のにする」 「…いいよ」 「えっ?!ほんと?!」 「うん」 「やった~~!ありがと~!シュウ君!」 「良かったな?四葉」 「うん!」 こんなの… 何がそんなに嬉しいんだか 可愛い奴 「えっと?どっちが、どっち?」 「ユウが、シュウ君の右腕掴んで、シュウ君が、左手で、ユウの首に手を回して?」 「オッケー…こんな感じかな?」 「うん!流石!あとは…切なそ~~な顔で、見つめ合ってね?」 「切なそうね?」 そんな言葉知ってんのか 毎回… ってか、シュウには期待出来ないぞ? って、思うんだけど 何故だか、ちゃんとそんな感じに写ってる 不思議だ 「ユウ~…集中~」 「あ…ごめん」 「2人共、ほんの少し口開いてね?」 相変わらず細かい ってか、俺だって切なそうとか分かんないし 「う~~ん…ちょっと、シュウ君、適当に左手動かしてみて?」 「左手…」 「指がね…微妙~なの」 微妙~なのね… 分からない 撮った写真達は 自分で描く時の参考材料にもなるらしく 注文は、どんどん細かくなっていく 「…っ!」 「?」 「あ…ごめん。気にしないで」 シュウの指が… 耳やら、首やら 不意に触れるから… ちょっと… 「…んっ…」 「ユウ!堪えて!目と口開けて!」 大和との撮影で 俺が、こういうの弱いって四葉は知ってる 「…分かっ…てるけど…」 ぎゅっと、シュウの右腕を掴む 「シュウ君!そのまま、もう少し顔近づけて?」 「…はっ…やくっ…してっ…」 「オッケー!」 疲れた… どっと疲れが… 「ただいま~!」 「大和!早い!」 「今日は、落ち着いてるから、もう上がっていいよって言われたんだよ~…四葉~♪︎」 「やったね~!」 「ね~♪︎」 嬉しそう 良かったな 「ユウ…ただいま」 「お帰り。ご飯食べる?」 「食べる!今日も、シュウと作ってくれたの?」 「そうだよ」 「シュウも、毎日ありがとな」 「ううん。作ったの、食べさせてもらってるし」 「朔は?帰ってから食べてんの?」 「バイト先で、ほとんど食べれるって」 「ああ…なるほど」 朔兄は、大和と同級生だ 高校は、別になったけど 「大和、見て見て~」 「どれ?」 四葉が、今日描いた漫画と さっき撮った写真を見せる 「へぇ~…四葉、どんどん上手くなってくなぁ」 「へへっ…」 「おお…2人共、いい顔してるなぁ…」 「でしょ、でしょ~?」 「モデルのバイト出来るぞ~?」 「大和も、格好いいから、出来るよ?」 「四葉~~!可愛いなぁ♪︎」 大和の隣に座って、一生懸命話す四葉 父さんも、母さんも優しいけど 圧倒的に、一緒に居る時間が少ないから なんか、特別感みたいな… 普段は、大和に褒めてもらうのが1番嬉しいんだ 「ユウ…」 「何?」 シュウが隣に来た 「手伝う?」 「大丈夫だけど…じゃあ、もう出来上がるから、野菜盛ってもらってもいい?」 「うん」 ? なんか… シュウ…いつもと違う? 大和に、ご飯食べさせて、食器洗ってると 父さんと母さんが帰って来て 「ユウ…ありがと。シュウ君と部屋行っていいわよ?」 「母さん達のも、焼いちゃうよ」 「いいの、いいの。ありがと」 「分かった。シュウ、部屋行こ?」 「うん」 部屋行ったからって たいして話する訳でもないんだけど たまに、一緒のゲームしたり それぞれ何かしたり たまに話したり もう 家族みたいなもんだから 別に、なんの会話もなくても気にしない どっちか寝てる事もあれば 2人して寝てしまう事もある 「はぁ~~…今日も疲れたっ…と…」 ベッドにゴロンと寝ると シュウが、ベッドの下に座る 「……シュウ」 ベッドで、うつ伏せのまま、顔だけシュウに向けると 「何?」 こっちも向かずに答える 普段から、あまり喋んないけど なんか違う 「何か…あった?」 ズリズリと、シュウに近づく 「別に…」 そう言って顔を背ける え? こんな事… 今までなかった 待って待って ちゃんと起き上がる 「シュウ…俺…何かした?」 「してない」 「じゃあ…何でこっち見てくれないの?」 「………」 え? 何? 「シュウ…ご飯?写真?何か…嫌だった?」 「嫌じゃない……今日は…帰る」 「え?」 シュウが、立ち上がる 「ちょっ…ちょっと待ってよ」 シュウの腕を掴む 「離して」 「あ…ごめん」 手を離す 「けど…理由…理由だけ教えて?」 「……無理」 「え?理由…教えれないの?」 「言ったら…一緒に居られなくなるから」 「え?!何で?!」 「……ユウが…俺の事…嫌いになるから」 ………は? 「何言ってんの?シュウの事…今更嫌いになる訳ないじゃん」 「……でも…ユウ…俺の事……気持ち悪いって思う」 「はあ?……シュウ…泣いてるの?」 俯いてて… はっきり見えないけど 声…震えてる 「なんで…何…教えてよ…」 「……でもっ…もう…どっちにしてもっ…限界っ…」 「え?限界?…なんで、限界になる前に言わないんだよ?俺…絶対シュウの事、嫌いになんかならないよ」 「~~っ…」 「シュウ…ねぇ…気持ち悪いなんて思わないから」 ゆっくり、振り返ったシュウが 俺を抱き締めてきた 「シュウ…何だよ?びっくりさせんなよ」 「……ユウ」 「何?」 「ユウ…」 「え?」 シュウが、俺の左頬や、耳を触ってくる 四葉の撮影じゃないのに なんで…こんな事… 「気持ち悪いだろ?」 「え?」 「俺…ずっと…ユウと、こうしたいって思ってた」 「……え?」 「今日…ユウの…あんな顔見たり…声…聞いたら…」 「え?」 「もう…~~っ…限界っ…」 これ… 切ないって…これじゃない? って、顔のシュウが近づいてくる びっくりし過ぎて 動けない 「ユウ…」 びっくりして目を見開いた時 シュウの唇が、俺の唇に触れた 待って… 待って待って これ… キスじゃない? それも…本物の 絶対、四葉の撮影会なら注意されてた 目も瞑らないで ずっと、目開けてた 「…ごめん…気持ち…悪いな?」 「……なっ…なんで…そんな泣きそうなんだよ」 「ごめんっ…酷い事した…今のは…なかった事にして……もう…ユウには話しかけない」 「………え?…え?…え?…なんで?!」 「?」 今度は、シュウが驚いてる いや… びっくりしてんのは、俺だよ? 「え?なんで…シュウ…俺に話し掛けなくなるの?」 「なんでって…話し掛けられるの…嫌だろ?」 「え?なんで?」 「え?なんでって…気持ち悪くないの?」 「え?なんで?」 言ってる意味が分からない どういう事? 「シュウ…言ってる意味が分からない…何?どういう事?」 「?…俺…ユウの事…好きなんだ」 「…ありがと」 「え?」 「え?」 何?! 全然意味不明 「好きだから…キスとか…色々したいって思う」 「~~っ…そりゃ…好きなら…そうだよな?」 「?…気持ち悪くないの?」 「?…気持ち悪いって、どういう事?」 「ユウ…もう1回…キスしても...いい?」 「い…いいけど?」 シュウだし… 大和とも、口じゃないけど、散々してるし なにより… そんな顔されて、断れるか! 「ユウ…」 「んっ…んっ…」 今度は、ちゃんと目を閉じる なんか… 唇だと… 「んっ…」 違う… すぐ近くの頬とも 全然違う 何この感じ 「…大丈夫?ユ…っ!」 「……シュウ?」 シュウが、固まってる 俺も、なんか頭回らない 「ユウ…」 シュウが、俺の体を抱き締める感じで、ヒョイと持ち上げる 「え?」 ベッドに…寝かされた シュウ…俺の上… こ…これは… ちょっと… ダメじゃない? ……と、冒頭に戻る 「ユウ…」 「シュウ…ちょっと…落ち着こう?」 「ごめん…もう…」 「え?…も…もう?」 「~~っ!…我慢…出来ない…」 「…え?」 我慢出来ないとは? 何を? 俺、何されんの? 「ユウ……いい?」 「いっ?…え…えっと…」 シュウが… とんでもなく優しい顔で 俺の髪や、顔を撫でてくる 「ユウ…」 「~~っ…」 こんなシュウ… 見た事ない こんなの… 嫌って言えない 「んっ…んっ……ん、ん…」 「ユウ…息…して」 「はぁっ…」 そうだった 「途中…ちゃんと息して?」 「んっ…んんっ……んっ?!」 口ん中… 口ん中に… シュウの舌入っちゃってる! シュウ…気付いてないの? 「はっ…んんっ…シ…シュ…んっ…~~っ!」 気付いてる! これ… めちゃくちゃ舌動かしてきた ちょっと待って… 何これ 「ん~~~~っ!」 待って待って シュウ! 何かに、しがみ付きたくて シュウの頭や背中に、しがみ付く 頭…おかしい クラクラする 「~~~~っ!…んっ…はっ…んんっ!…~~~~っ!!」 頭、真っ白になって 全ての力が抜けた

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