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今晩、少し安心を…

「ん………ん~~~~…」 四葉…目覚まし前に起きたか 「おはよ。眠れたか?」 「眠れた!大和起きてたの?」 「今起きた」 「大和の寝顔見たかったのに~」 残念でした 「ユウの寝顔見に行こうっと」 兄の寝顔を見たがる妹… 「わぁ…可愛いなぁ…ユウ」 兄の寝顔を可愛いと喜ぶ妹… うん、逞しく育ってるな 「お~い…起きてるか~?」 明慶(あきよし)兄ちゃんの声に すぐに四葉が襖を開ける 「おはよう!明慶兄ちゃん」 「おはよう。早起きだな?四葉。朝のお勤め前に掃除するけど、一緒に行くか?」 「行く~~!」 俺は、四葉の元気な声にも、ピクリともせずに眠っているユウの傍に居る事にした 多分じいちゃん、朝のお勤めちゃんと終わったら、お守りくれようとしてんだろな 頑張って起きれるかな… ユウの隣に行き、髪を撫でる じいちゃんに暗示をかけられるまでは 俺とユウは同じものが見えていた 俺は、そういうものを見ても、すぐに分かった 凄く嫌な感じがするからだ けれども、ユウは… 違いが分からない様だった 怖いものに対しては泣くが そうではないものに対しては まるで、普通の友達とか知り合いかの様に… 楽しそうに話しては その後、ご飯も食べずに眠り続け… そりゃ、暗示でもかけたくなるか 「ユウ…ユウを見てると、優しくて困るって事が、沢山あるんだなって思うよ…」 自分がそこまで優しいとかは、思ってないんだろな 口を開けば、誰かの心配 ユウは…もうユウなんだろうけど ほんの短い間だったけど 蓮になってたユウと話して 根本にあるものって…引き継がれたりするのかなって思った 今のユウの3つ下… 知らない世界で知らない人達 誰かに優しくとか 誰かの為になんて考えられるかな きっと蓮の家族も いい家族だったんだろな 俺達を ユウの家族を凄く大切にして 頑張ってくれてた 「ユウ…蓮は幸せだったかい?」 前世の記憶なんて 今を生きるのに必要ないから忘れるのに 忘れたく…なかったのかな ………あ、そうか ユウ…前世の記憶思い出したの、関係あるのかな 自分の死を自覚した事で 何か…無意識のうちに、そっちの世界と繋がりやすくなっちゃったり、するのかな 「ん…ん~~…」 「ユウ…起きれる?」 「…………」 だよな そりゃ、さぞかし体だるいし 眠いだろ 「結叶…もう少ししたら、朝のお勤め始まるからさ…」 「…ん?……おつとめ…」 「そうそう。起きれそう?」 「……ん……おきる…よ…」 気力はあるんだな 偉いぞ ちょっと手伝ってあげよう 「四葉は、お勤め前の掃除もするからって、張り切って先に行ったよ」 「…四葉…掃除?……先に……えっ?!四葉…1人で行かせたの?!」 一気に目覚めた 流石だな 四葉の効力凄いよ 「大丈夫。明慶兄ちゃんと一緒だ」 「あ…そっか……はぁ~…びっくりしたぁ…朝から心臓に悪い」 「ユウも起きれそう?」 「うん……大和…なんか夜中に大和と話した?」 覚えてないのか… 「ん…ユウが、凄い寝相で直してあげた」 「えっ?寝相?俺…そんなに動いてたの?」 「うん。気付いたらね。ベッドじゃないから、解放感満喫してたんじゃない?」 「四葉を潰さなくて良かった…ってか…そっか…ありがと、大和。なんとなく体だるいのは、そのせいか?どんだけ動いてたんだ?俺…」 動くどころか 金縛りにあって、全く動けなくなってたんだけどね 怖い事は、知らなくていいよ 結局、朝のお勤めを無事終わり 精進料理を食べ終わった俺達の元に じいちゃんが、やって来た 「じぃじ!」 「ははっ…四葉は、朝から元気だな?精進料理は美味しかったか?」 「美味しかった!お勤めは、お経よく分かんなかったけど、掃除はピカピカにしてきた!」 「ほぅ~…そりゃ偉いぞ」 「へっへ~ん!」 得意気な四葉と反対側を見ると 朝のお勤めに耐え… 腹も満たされ… 座ったまま、カクンカクンしてるユウが居る 「やれやれ…肝心の結叶は、これまた随分と眠そうだな?明慶から聞いたぞ?」 「じいちゃん…」 ユウには言ってないんだ アイコンタクトをすると… 「はぁ~…大和が一生面倒見る訳でもあるまいに…後から困るのは本人なんだぞ?」 「大丈夫だよ…ほっといても、ユウの周りには、ユウに笑ってて欲しい人達が、集まって来るよ」 「やれやれ…結叶」 じいちゃんが、ユウの前に座って声を掛けると 「ん…あれ?…じいちゃんが見える…」 ユウ…じいちゃんは幽霊じゃないよ 「正真正銘のじじいだ。ほれ、お守りだ。肌身離さず持っておけ」 「あ…ありがとう、じいちゃん」 「ふ~~む…それにしても結叶……」 あ、そっか じいちゃんは、蓮の事知らないから なんだか、前とは違うとか言ってたもんな 「じいちゃん、実はユウ…前世の記憶、思い出したみたいなんだ」 「…なんと…前世の…」 「そう!蓮って言うんだよ!」 四葉が、勝手にこの前の事を話してくれる 「そんな事が…それで…結叶は、ほとんどを思い出したのか?」 「ううん…なんか…印象深かった場面とか…色んな場面。肝心な事は、思い出さないから…どれ位前にどの辺りに住んでのかは、分からないんだ」 「……思い出さんでいい…はぁ~…そんな魂の根源に関わる様な事が起きてたら…なるほど、納得」 じいちゃん1人が、納得 当のユウは、不思議そうな顔 「結叶…思い出して辛くはないか?」 「辛い事もあるけど…嬉しい事も思い出したから……それに、今が凄く幸せで凄いって思える」 「そうか…流石にもう、じじいの暗示になど、かからんだろうしな…けど、魂が不安定だと、霊も付け入りやすいんだが…」 「?…暗示?…じいちゃん、暗示なんてかけられるの?」 じいちゃん… チロリと冷ややかな視線を送ると 「お…幼い子供にはな…怖い事や痛い事を、忘れる様に…そういう事をな…」 「へぇ~…流石だね?じいちゃん」 そこの君こそが 紛れもない当事者ですけどね 「大和も、ほれ」 「え?新しい数珠?ありがとう。ユウ…じいちゃんに、俺の数珠返してあげて」 「うん…はい。じいちゃん、ありがとう」 じいちゃんが、数珠を受け取ると ユウの頭を撫でながら 「いいか?結叶…自分を、しっかり持ちなさい。今ではない昔の自分も、本当の同じ魂を持っていた者だから。揺らぐと…また今の自分が不安定になるからな」 「うん…でも、大丈夫だよ。俺、今の自分も家族も友達も、凄く好きだもん」 「ふっ…そうか。じゃあ、大丈夫だ。もう昔の自分に戻る事はない」 「………うん」 これは… 全然力強い言葉でも何でもないのに じいちゃんに真っ直ぐ見られて、そう言われたユウは ぼ~~っとしながら、頷いた 暗示…かかってんじゃね? 暗示だからね プロじゃないからね どこまで効くかは分からないけど 少しでも… ユウが辛い思いしなければいい 帰る準備をしてから、ばあちゃんに挨拶に行く 少しお茶して行きなさいと、準備してくれると 寺に戻ろうとした明慶兄ちゃんに、ユウが声を掛けた 「明慶兄ちゃん…ちょっと、相談したい事があるんだけど…」 「俺にか?」 「うん…」 何だ? 明慶兄ちゃんも、チラリとこっちを見るが 小さく分からんとジェスチャーすると 「んじゃ…俺の部屋にでも行くか」 「うん…」 昨日の夜の事、気になってんのか? 俺が言わなかったから? それとも、普段から何かそういう事で、気になる事あった? 俺ではなく…明慶兄ちゃんに相談したい事って… 結構長く話してんな… そろそろ見に行ってみるか? とか、思ってたら ユウが戻って来た ……こりゃ、泣いたな 何の事だ? この前取り憑いてた霊の事か? 俺達には話せなかったけど とんでもない事されてたとか? 家に戻る途中 明慶兄ちゃんから連絡が入った 自分の性に関する知識の無さが不安で 皆は大丈夫だと言うが、ほんとに病院行かなくてもいいものかと相談したらしい 自分の周りは皆優しいから、自分を怯えさせない様にしてるのでは?と 本気で悩んでた…との事だった う~~ん… なるほど 俺達が優し過ぎる事で 信用出来なかったか しかし、そんなに悩んでたとは… 今晩、少し安心を与えてやるとするか… コンコン 「ユウ…ちょっといい?」 「うん」 帰ってから、昼過ぎまで眠ったユウは すっかり元気になった 「ユウさ…あれから自分でしてみた?」 「……してみてない…」 「ふっ…そんな…悪い事みたいに言うな。ただ、聞いてみただけだよ」 「……実は…今日、明慶兄ちゃんにも少し話聞いてもらったんだ…なんか…そういう事もそうだけど…好きな気持ちとか…周りは分かるのに俺は分からない事が、増えてきて…なんか…焦るって言うか…」 明慶兄ちゃんも、朝のお勤めした人達も そういう煩悩捨てる為に必死なのにな 人間上手く行かないもんだ 「ユウ…ちょっと触っていい?」 「うん」 「じゃあ、こっち来て、後ろ向きで座って」 「うん」 気持ちいい 感じる それが自分の快感に結び付けばいいんだけどな そもそも、他の人より感じやすいんだけど… それが、普通になっちゃってんのか? ユウの髪から…ゆっくりと耳に触れる 「んっ…くすぐったい…」 「ん…くすぐったいは、大事だからね」 「んっ…」 そのまま、ゆっくりと首筋に触れる 「~っ…くすぐった…」 もう片方の手で 服の下から腰から腹の辺りを触る 「ひゃはっ…くすぐったいよ、大和…」 そのまま、ズボンの中に入れて 太ももに触れる 「大和…ズボン脱いだ方がいい?」 ゔっ…全然そんな感じになってない 「そうだな…脱いでおくか」 「うん。下着も?」 「下着は、そのままでいいよ」 俺に対する羞恥心が欠如している キスとか、風呂入るとかは なんか恥ずかしそうなのに 診察とか治療的な感じに、なっちゃってんのかな? 羞恥心は、感じる為に必要なんだが… まあ、仕方ない 俺の前に戻って来たユウのうなじにキスをする 「んっ…」 ペロッと舐めると 「~~っ…」 そこで、ゆっくりと下着の上から触る 「…………」 あれ? 何故ここで反応無くなるんだ? ほんとに、ちょっと心配になってきたぞ? 「ユウ…もう少し、俺に体預ける様にして?」 「こう?」 「そうそう」 少し後ろに傾けたユウの股間… 触ってんのに、まるで反応ナシだな 「ユウ…色々触ってくから、くすぐったいが強いとこ、あったら教えてくれる?」 「分かった」 そうして、触れ始めて そうだ 胸触ってなかった 最初からじゃなくても  ユウならきっと感じやすい イコールそっちも反応しやすくなるはず すっ…とユウの胸に触れると… 「んっ…」 柔らかくて可愛い部分だけ 少しの間触ってると 「~~っ…や…大和…」 「ん…くすぐったい?」 「ううん…くすぐったく…ない」 まあ…最初から 感じたりはしないか けど、ちょっと反応してる? 「やっ…大和っ…」 あれ? なんか… 「じっ…~~~っ…」 「じ?」 股間…あまり変わんないけど… 感じてるとしか思えない反応 「じんじんっ…びりびりっ…するっ…~~~っ…」 もう? 「そっか。それ…少し堪えられそう?」 「~~っ…なっ…なんかっ…にっ……掴まりたいっ…」 なるほど ユウの両手は 両足の外で、必死にシーツを握ってた これ… 今日、いいとこまでいけるんじゃね?

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