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プロローグ
俺、兎洞修平は満月の夜に夢をみた。
同僚の白狼太一に抱かれる夢だ。
同期というだけで、部署も違う、会社以外で話したこともない、男に抱かれる夢だ。
ただ、今まで体験したことのない、心地よい行為だった。
全身に愛が注がれる感覚。
激しく求められ、俺は乱れていた。
そして、自分から白狼に縋りついていた。
朝起きると、下着が汚れている事実に呆然とした。
通勤電車でも、会社へ向かう道でも、会社についても、夢が頭から離れないし、ドキドキも止まらない。
それってつまり、白狼のことが好きってことだよな……。
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