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その熱

ベッドの上に腰掛けた彼は足を開いた かけられた薄い布地がはらりと滑り落ちて 腰元が姿を表す 腹を前面に張り出すようにこちらに向けて 濡れて熱を持ったそれへの愛撫を促した 生々しい男の香りを蓄えたそれに 唇で触れる その柔らかさに酔いしれて また、腰を滑らかに動かした 甘く吸い上げると まるで生き物のように脈を打って 蜜を降らす 小さな吐息をいくつも落として 腰は前後に動き続ける 喉元まで埋め込まれる苦しさと 快楽を受け止める淫らなその動きにほだされて もっともっと、溶かしたくなる 彼は私の頭を両手で支え いよいよ腰を激しく揺すり始めた 目を閉じて、恍惚とした顔で天を仰ぎ 腰を振る 苦しくて口を離すと彼はのしかかり 私の足の間に忍び込む あ、と声を上げるのも束の間 熱くなった腰元をワタシの腰に擦り付けてきた だめ わたしは少し興奮していた 彼の身体は汗で湿り 快楽を貪ることに熱中している それも、私を使って わたしはまた少し、興奮した 服を着たままの私の身体は 彼の腰と一緒に揺すられる 繋がっているわけではないけれど 一つになったような気分 彼の細かく湿った息遣いが、首元に降り注ぐ 彼の腰元は少しずつ私の体の中心へと位置を変えてくる 私は足を閉じて体をずらし、少しばかり抵抗する素振りを見せた その態度は彼を昂らせるだけだった 顔を逸らす私の首元に吸い付き 舌を這わせる 腰の動きは止まらない 熱く熱く熱を蓄えた彼の腰元は 私に解放を訴えていた 彼の腰に手を回した 波のようにうねるその動きは淫らで 私の情欲を掻き立てた 私は少しずつ太ももを開いて 彼の腰の揺れを自分の腰元に響かせた 2人の熱が降り重なると いよいよ甘い声が漏れ出る 気持ちが良い このうっとりするほどの快感に すっかり虜になる それを察してか 彼は私の膝に手を置き 足を大きく開かせた 私はもう抵抗をやめて 彼の背中に手を回した 振動に合わせて掠れる互いの吐息が 重なり合う ただ一心不乱に、その衣擦れを堪能した 脳天を突き抜ける快感は彼の腰を濡らし 私の腰も濡らした 彼はいっそう身体を揺さぶり自身と私を 追い立てた いつの間にか私は腰を反らせ 彼の腰元に身体を密着させていた 彼の解放を促すように 私の解放を促すように 私は服の中で溶けた 彼は私の服の上で溶けた その熱は私たちを溶かした 今ようやく、 月の光の眩しさにひとつ、瞬きをした 終わり

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