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催眠って……催眠って…… 2

 いつの間にかどこからかカチコチと左右に揺れる音が聞こえてきて、高峰の台詞に合わせて時々ゴーンゴーンと鳴る。柱時計……なのかな……。  ふわりふわりと意識が揺れる。左右に……そして眠りそうで眠らない浅く深く……。  夢に落ちる前の狭間にいるような気持ちいい状態というか、半分夢の中というか。 「秘密の地下室に降りるよ……ほら、階段が、20、19、18……」  そうか……地下室に降りるんだ。まるで高峰に手を引かれてるような……一緒に降りているような感じがする。  カツンカツンと靴音が反響する音が聞こえる……。ぴちょんぴちょんと水滴の音が聞こえたりボボボという何かが燃えるような音がしたりもしている。 「全部降りると目の前に扉があるよ。開けようか。ほら……」  そこからは高峰の声を追っかけるようにすぅーっと暗闇に吸い込まれてその中にぽつんと立っているみたいだった。  少し怖くなって薄く目を開くと近くに高峰の顔があって「大丈夫、上手だね」と耳元で囁かれた。  ──そっか……上手なんだ……何が……だっけ──  そしてまた目を閉じると高峰の響く声が聞こえる。その声が聞こえると俺の意識が勝手に引っ張られていくような感じだ。  パチンッ  突然耳元で音が聞こえてトロンとなっていた俺の身体がビクリと跳ねた。 「これから数を数えおろしていくよ。ゼロになって指を鳴らしたらの全身の感度が倍になる」  そんな馬鹿な……頭の片隅でそう思うものの、高峰の声でカウントダウンが始まると一気に気持ちが引きずり込まれる。 「……3、2、1……ゼーロ」  パチンッ 「んあっ!!」  肌が……ゾワゾワチリチリする……。待って、なんだ、これ。  そう思っていると俺の右腕に高峰が触れてビクンッと反応する。驚いたのもあったけど、違うんだ……そうじゃなくて……。 「もう少し、高めておこうか。もう一度ゼロまでいったらさらに感度が倍になる。いくよ? 10、9、8……」  待って待って待って……ダメだ……。  パチンッ 「はぁうっ」  何も触れていないのに、服が擦れるだけで変になりそうだった。つまり、チンコがやばい。ムズムズしつつもジーンズの中で痛い……痛気持ちい? 「あ……やだ……脱ぎた……」 「でも、気持ちいいね? 手は動かしたらだめだよ」  コクコクと頷きながら高峰に助けを求める。でも高峰はクスッと笑いながら声で指示を出すだけだ。  そして、ゼロまでカウントダウンしたら気持ちよさが弾けるよって言ったくせに何度も「1」でストップされまくっている。

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