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催眠≠夢 1

「あ?」    ガバッと起き上がると俺の隣で高峰が寝ていた。  あ、あれ? 夢?  頭が混乱してる。とりあえずトイレでも借りようと脚を下ろすとローションのボトルを蹴飛ばした。   「夢……じゃ、なかったか」    重い身体を引きずるようにトイレに行って、用を足すとフラフラとベッドに戻って当たり前のように高峰の隣に潜り込む。    俺が先に気を失ったんだろうけど、高峰はイけたんだろうか。  ていうか、催眠で失神するってなんなんだよ……いや、催眠でじゃなくてヤッたから失神したのか? どっちにしてもやべぇけどな。    一線超えちまったんだなって思うけど、これはこれで自然な感じもするし。恋人同士になるとかはやっぱよくわかんねぇけど、俺と高峰はこれでいいような気もするし……わっかんねぇ……。   「ううー……」    高峰の隣で小さく丸まって唸っていれば、寝ぼけた高峰に後ろから抱きしめられた。なんなんだよ、もう!  すぅすぅと寝息が聞こえて、その心地よさにまた睡魔が襲ってくる。  ああ……たか、みね……。    カーテンの隙間から差し込む眩しい光が目に当たって完全に目が覚めると、背中が寒かった。   「高峰……?」    暗い中パソコンをいじってた高峰が椅子をギッと鳴らして振り返った。   「起きたか? 朝飯、パンしかないけど」 「あ、うん。アリガトウゴザイマス」    あまりに普通な態度の高峰に昨夜のことを思い出した俺だけが挙動不審になる。だってさ、俺ってある意味、性欲を押し込めまくって俺に手を出さなかった高峰を誘惑したほうなわけで……。  気にしていないのか? でも、なかったこと……にはされたくないような、なんとも言えない気分だ。   「あの……きの」 「言うな」 「え」 「悪かったという気もしてなくはないが、謝るのも違う気がして混乱してるからまだ話題にするな」    やっぱ馬鹿正直だわ、コイツ。だから信用してる。  前に高峰が言ってたSでもMでもあるっていうのは本当なんだろうな……。ちなみに俺は高峰に言われまくってる「お前Mだし」ってのには未だに同意してない。俺は……快楽を追求、してるだけだし!   「でも、新作の話題するなら避けて通れなくね?」 「あっ! あああ……」    うお、マジでコイツ混乱してるのか。  俺には作成側の苦労ってわからないからな。きっとスクリプトを書くってのは大変なんだろうし、これから一から作り直しってのはキツイに決まってる。   「別に謝れとかこれっぽちも思ってねぇよ。お前はいつもどおり俺を気持ちよくしただけ。だから催眠も嫌になんかなってない。今までと同じだ。それでいいだろ?」 「猶木はそれでいいのか?」 「いいもなにも、それ以外何が」 「いや、助かる……わかった、今までどおりな」  

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