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男子校のバレンタインデー
ふふふっ 眼鏡をくいっとして
俺の名前は唐澤健人 、花山 高校に通う三年だ。
この高校にはとある伝統行事がある、それは男子校なのにバレンタインデーがあることだ。
つまり学校には女役がいるということになる。
それが【姫】と呼ばれる美少年だということだ。
美少年つまり姫は毎年学年別総選挙で決まることになっており、毎年継続的に選ばれているものもいれば落選しているものもいる。
特に二年の川口音葉 はダントツで可愛い、ただ可愛いだけでなく憎たらしい口調も人気の秘密だ。
いわゆる罵られたいという意見もあり選ばれた姫である。
かという俺もこの憎たらしい口調を持つ川口音葉をドロドロのぐちょぐちょにするのが楽しみというか絶対にこのチョコを使って俺の虜にしてやる。
あんなことやこんなことまでさせて音葉の顔を歪ましてやる。
「ひっひっひっ」
「おい、なんか唐澤気持ち悪いよな」
「近寄らないでおこう」
三年の同級生から俺はオタクと呼ばれている、別にオタクではない、ただ姫という人物をぐちゃぐちゃのドロドロにするのが今の俺の目標なのだ。
さてさて明日開催されるバレンタインデーどう音葉を捕まえてこの媚薬チョコを食べさせるか。
「ひっひっひっ」
当日 放送室
『さぁー始まりました、今年も来てしまったバレンタインデー!! 三年生は卒業するから今回も気合い十分ってとこか? さてさて他校とは違うバレンタインデーのルールを説明します。
まず、普通は女子から男子へのチョコ渡しなのだがこの学校には男しかいない、なのでルールが違うぞ、まず全生徒は姫にチョコをあげられる、そして姫にお気に入りをされれば最高の日常が待っているということだ、
今年も気合い入れて頑張るんだぞ!!
さてさて、今年の姫を紹介する、まず
エントリーナンバー1 一年三組の
聖陽一 こりゃまたべっぴんで可愛い美少年だ。
俺も思わず参加してとっ捕まえたいところだ!!
そしてエントリーナンバー2 二年一組川口音葉 音葉ちゃんは二年連続で姫を勝ち取っている、やはり人気なのは憎たらしい口調なのか??
そして最後エントリーナンバー3三年三組 尾崎雪 ここまで未遂を維持していたが卒業間近で処女喪失の危険もありうる……。果たしてオオカミたちから逃げられることはできるのか!!?
えっとここで情報が学級委員たちが職員室を制圧したと報告がありました、では一日がかりの姫争奪戦、いやいや花山高校伝統行事のバレンタインデー開催です!!』
放送委員の熱烈的な実況で生徒達の目の色は変わった。
そして俺もこの媚薬チョコを持ち音葉を探す。
姫たちは実況が始まる寸前、つまり登校時間中に学校のどこかに隠れているのだ、見つけてチョコを食べさせ、さらに俺はこの媚薬入りでドロドロにする予定だ。
「はぁ……はぁ……勝ち取ってやる」
検討はある、姫たちが隠れそうなところだ。
『ああっと!!! 尾崎雪、見つかった、逃げるが数人のオオカミに追われているさすがにこれは絶体絶命か!!!』
開始十分で見つかるなんて気の毒、でもこの学校にはもう一つ伝統の行事があるそれはホワイトデーだ。
つまり【王子】がいるということ。
ここまで言えばもう分かるよな?
『おおっと、姫を守る騎士が現われた!! オオカミたちは怯んでいるぞ、その間に雪は逃げる』
そう、バレンタインデーの時、王子の役割は姫を護衛する騎士になるのだ。
そして王子もまた毎年学年別総選挙でイケメンが選ばれる。
とここで姫に王子がいるのであれば俺たちは引っ込んでろという思いもあるだろう、しかし王子もまた姫を抱くことは叶わないこともあるのだ。
特に三年の雪はほぼ未遂、ちょっと触られたことはあるらしいが一年間の中でうまく過ごしていた。
クラスが違っていたからなんとも言えないが雪は逃げることを選択したそうだ。
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