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年頃ならでは?
サッカー部の部活が終わり、部室のベンチで一人、肩にタオルを掛け項垂れていた。
「蒼也?どうした。なにか悩みごとか?」
不意に進藤先輩から声をかけられた。
「あ、進藤先輩。悩み、ていうか、その...考えごと、と言いますか...」
「...ふーん。なんなら俺で良ければ話し聞くけど?」
「え、えっと...あの。できたら、その、人のいないところで...お願いしたいと、いうか...」
伏し目がちに、小さく応えた。
「ひ、人のいないところ...二人きりで、か...?」
「あ、はい...まあ、その」
照れくさくて目を合わさずに口元を手で覆う。
男子校ともあり、また、真尋を見ていたら、男同士、てどんなんだ?て思い始めた。
ただただ単純にそんな話しをしたかっただけなんだが...。
なぜか、進藤先輩は顔が赤く、表情も真剣そのものだ。
「...わかった。実は俺もお前に話しがあったから...」
「...俺に、ですか...?」
進藤先輩がこれまた真剣な眼差しで頷いた。
...多分、サッカーのことだろうな。
先日の朝練後、真尋と高城とやらのセックスを目の当たりにしてから、どうも調子が悪いし。
...下半身が疼くというか。多少の興味もあるというか...。
そうして、初めて俺は進藤先輩の自宅へ行った。両親は共働きらしく不在でお兄さんは大学生で一人暮らしな為、実家を離れているらしい。
真尋はなんとか撒けた。
決して広くはない先輩の自室でベッドに並んで座り俯きがちに切り出した。
「...その...気になって...俺...」
男同士で付き合うだとか、男同士のセックスだとか。
真尋を見る限り悪くはなさそうな...。
男同士だと尻を使うんだろうけど...全く痛みはなさそうだし、以前AVで知ったけど、女性も尻を使う場合があるんだよな...どう違うんだろう。
詳細は恥ずかしくて先輩に伏せた。
「...実は...俺もそうなんだ、気になってて...」
思わず隣に座る先輩を見上げた。
「...本当ですか!?おんなじだ!」
ガバ、と唐突に先輩に抱き竦められ、呆気にとられた。
「...好きだ!蒼也!」
....え、え、え?
意味がわからないでいたら、唇を奪われていた。
...俺のファーストキス。
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