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第6話 今日こそは
腰を落とせば、ぐぷんと先端が入り込む。
そのまま一番太いカリ首を飲み込めば心配することはない。
とはいえ、哲は平均よりも太くて長い。
中が柔くなっているとしても、はじめはゆっくりと動かなければ怪我をする。
慎重に腰を落としていけば俊の大好きな前立腺が緩やかに圧迫され、えも言われぬ気持ちよさに襲われる。
目尻からマーガレットがこぼれ落ちた。
「あっあ……ん、ふっ……」
「ああ、俊……」
快感に悶え動きが止まってしまった俊の腰を哲が掴む。
そして、哲もまた快感に耐えながら、俊を傷つけまいとゆっくり俊の腰を引き寄せた。
「ちょっ……僕が、するって」
「そんな可愛いことされて、俺も限界なんだよ」
「だめ!」
俊は哲の割れた腹筋をぺしりと叩いき、手をついて突っぱねた。
哲はぐっと眉を寄せると、俊の腰に手を添えるだけに留めた。
それを認めた俊は、再び腰を落とし始めた。
押し込まれる哲の楔は蠕動する肉壁を擦り、とうとう奥を突いた。
隙間なく埋められたそこがきゅうっと締まり、俊はより一層その存在を意識して思わず赤面する。
だが、奥まで埋まったものの、俊の尻に哲のすべてが収まったわけではない。
指二本分残し、俊の尻は微妙に宙に浮いたままだ。
俊はそこから腰を上げて哲のをギリギリまで抜くと、ぐちゅんと奥まで押し込んだ。
「んんっ……、あっあっ、はぁっ……」
いつも俊は哲に気持ちよくしてもらうばかりだ。
すべては快楽に弱いせいだが、諦めたくない。
(今日こそ騎乗位でマウントを取ってイかせてやる)
俊は極力、哲のものが前立腺を擦り上げないように角度を調整して腰を振った。
多少、そこを掠めるのはしょうがない。
ぽろぽろとセンニチコウを散らしながら、俊を見上げる哲の顔を眺める。
哲は快感に唇を僅かに開け、ふっふっ……と短く息を吐いたり、時折くっと息を詰めている。
格好良くて、それと同じくらい可愛い俊の花見鳥。
快感に歪む顔が愛おしく、体を屈めてキスをした。
なぜか、体を交えていた方が哲の唾液は美味しく感じる。
「ふぅ……ん、ふぁ……っ」
「ん、俊……」
キスに酔いしれていると哲が体を起こし、勢いのまま俊を押し倒した。
そのせいで哲の昂りがぐりっと前立腺を刺激した。
「ひっぃ……!」
エゾギクが弧を描きながら落ちた。
俊の胸に落ちたそれを哲は犬のように口に咥え、一口で飲み込んだ。
「僕がするって言っただろ」
「こんな可愛いことされたら我慢できない。それに……」
先程食べ損ねていたセンニチコウを口に含みつつ、哲は俊の太ももを抱えながらその内側をなぞった。
「ここ、もう限界だったろう?」
腰にびりびりと快感が走る。
哲に言われた通り、花を生んで怠くなった俊の脚は騎乗位を続けるのは難しかった。
小刻みに震える太ももはこれ以上動けないと悲鳴を上げていた。
「でも、いつも僕ばっかり気持ちよくしてもらってる」
「俊が気持ちいいなら俺も気持ちいいんだよ。じゃなきゃここに俺の、出してない」
俊の腹に哲の手が添えられる。
臍の下をぐっと押されれば、中の哲が脈打っているのがわかった。
「俺に愛させて」
キスをひとつ落として懇願され、俊はこくりと頷いた。
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