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第一章 赤紫の炎④*
「マティアス様!」
突然大きな声で呼ばれ、さらに首に絡めていた腕を解かれウィルバートの身体から引き剥がされた。
「マティアス様! しっかりしてください!」
肩を掴まれ揺すられながら強い口調でそう言
われる。
「やだ……なんで、ウィルは……ウィルは僕が嫌いなの?」
目からボダボダと涙が溢れた。ウィルバートに拒絶され叱られた事が悲しくて仕方ない。しかも身体は熱くどんどん興奮してきて、下半身に血が集まるのを感じた。
「マティアス様! 魔物の妖術です! 惑わされてはいけません!」
「やだ! ウィル、キスして。もっと抱き締めて」
マティアスは再びウィルバートに抱きつき、さらに股間をウィルバートの太腿に押し付けた。
「ま、マティアス様……」
「んっあぁっ、ウィルっ、苦しいよ……」
マティアスの中心部は固く大きくなり衣服の中で行き場を失っていた。
(触って欲しい。ウィルにそこを触って擦って欲しい……!)
興奮状態の頭の中はそれしか考えられなくなっていた。だが、異常な思考の中でもマティアスの良識ではそんな所を他者に触れさせるなどあり得ないことで、どうして良いか分からずただウィルバートに縋り付くことしか出来なかった。
「はぁ……はぁ……んあっ、ウィル……」
苦しくてウィルバートの肩に頭をもたれ掛かけさせ、この甘い苦痛から何とか逃れたいと思うのだが、熱はどんどん膨れていく。
マティアスは無意識に腰を揺すりウィルバートの太腿な股間を擦り付けていた。
「……マティアス様、一度吐き出せば収まるかもしれません」
ウィルバートが何か話しかけて来て、マティアスは重い頭を上げてウィルバートを見た。マティアスはウィルバートの言っていることが理解できず、その顔を眺めているだけだった。
「ウィル……好き……大好き……」
大好きな顔を見つめながら思うままに言葉を唇に乗せた。ウィルバートは眉間に皺を深く刻み、苦しそうな表情をしながらもマティアスの衣服に手を掛けた。水に浸かったまま下肢の前をくつろげると水中にマティアスの中心部がプルンと躍り出る。
「んっ!」
水の冷たさを感じるがそれくらいで萎えるような状態では無かった。
ウィルバートに横向きで抱きかかえられ、大きな手がマティアスのそれを優しく包みこんできた。
「はっ! あぁんっ!」
その手は優しくゆるゆるとマティアスの中心部を扱き始める。
「あっ!あっ! はんっ、ウィルっ!」
「……痛くないですか?」
「はぁんっ! 気持ちいいっ」
マティアスはウィルバートの腕の中でビクビクと身体を震わせた。
「あんっ! で、でるっ!」
ウィルバートに数回擦られただけでマティアスはあっさりと精を吐き出した。マティアスはハアハアと息を乱しながらウィルバートの胸に頰擦りをし甘える。
(もっとして欲しい。もっともっとウィルとくっついてたい……)
そう思っているとマティアスの下半身は再び滾り中心部が固くなり始めた。
「ウィル……」
潤んだ瞳でマティアスはウィルバートを見つめた。
「だ、駄目か……っ」
ウィルバートは落胆したように大きく溜め息をついた。
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