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第三章 ウィルとカイ⑥*
「ウィル……カイみたいに、子供の時みたいに話して。……私はお前のものだ。もう、王子として扱わなくていいんだ……」
笑顔でそう伝えるとウィルバートは微かに目を見張り、そしてふわりと笑った。今にも泣き出しそうな笑顔だった。
「ウィル」
再び名を呼び頬を撫でると、ウィルバートがその手を握りしめ掌にくちづけてきた。そして真っ直ぐにマティアスを見つめて口を開いた。
「マティアス」
そしてマティアスの首元に顔を埋めると、背中へと手を滑り込ませると強く抱き締め、絞り出すように声を出した。
「ああっ、マティアス!」
「んっ……ウィルっ」
それにより繋がっている部分がさらに深くなり、マティアスは呻いた。
ウィルバートはマティアスの首筋に唇を当てながらさらに言葉を溢れさせた。
「マティアスっ、愛してる。ずっとずっと、お前だけを見ていた……!」
ウィルバートの言葉にマティアスは胸がいっぱいになった。マティアスもまたウィルバートの背中に腕を回し抱きついた。
「ウィル、私もウィルを愛してる。カイも大好きだよっ!」
その言葉にウィルバートが顔を上げマティアスを見つめてきた。涙に濡れた吸い込まれそうな黒い瞳。そして噛みつくように唇を奪われる。
「う……んっ……!」
激しくキスをされながら、さらにウィルバートが腰を打つ付けてきた。最奥まで入り込んだ肉塊が激しく抜き挿しされる。
「はぁん! んっ! あっ!」
キスの隙間からマティアスの喘ぎが漏れる。ウィルバートもまた興奮しているようで粗い鼻息がマティアスの頬を打ってくる。
激しい動きで内壁を擦り上げられマティアスはどんどん昂ぶっていった。
「ひっ、ひゃあぁぁ! そこ、だめっ……!」
さらにウィルバートはマティアスの強く感じる部分を攻め立ててきた。カイの記憶と統合している証だ。
「ああぁぁんっ! でちゃうっ!」
マティアスはウィルバートの背中にしがみつき、ビクリと身を震わせた。その瞬間、ウィルバートとの間に挟まれたマティアスの中心部から熱い白蜜が溢れ出た。
「くっ……マティアスっ……中に、いいか?」
つられてウィルバートが我慢の限界に達し、マティアスに確認してきた。
「ん、奥に、一番奥に出して……!」
その言葉にウィルバートは激しく動かしながら奥の奥までその怒張を突き入れた。
「ああっ、マティアス!」
「んっ………あっ……!」
その瞬間、腹の奥に熱いものが注ぎ込まれるのを感じた。
荒く息を付きながらウィルバートが身を起こしマティアスをお見下ろす。
「マティアス……愛してる。もう離れないから」
ウィルバートのその言葉ににマティアスは目尻から熱いものが溢れ、流れ、髪に吸い込まれていくのを感じた。
「うん、私も愛してる……。ずっと、ずっと側にいて」
ウィルバートの唇が再び降りてきた。マティアスらうっとりとそのくちづけを受けた。
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