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第7話

 狭い車の中で二人は抱き合い、快楽の余韻のひとときを共有していた。 「……先生」  ようやく呼吸が整ってきた友一は剣上を呼んだ。  声がひどく掠れてしまっているのがなんとも恥ずかしい。 「ん? なに? 友……」  先生の声も掠れてる……。でも、それがまた色っぽくてかっこいい……。 「オレ、これから花火見る度、今夜のこと思い出して恥ずかしくなっちゃいそうだなって思って」 「ああ……、そういえばオレは花火、まったく見てなかったな。友が乱れるところだけ見てたから」 「…………」  剣上は友一を見おろすと、楽しそうに笑った。 「友、おまえ真っ赤だぞ。まったくそういうところは、いつまで経ってもウブだな。そのくせ、してるときは、やたらと淫らになるくせに」 「ななな」  なんて恥ずかしいことを口に出して言うのだろう……。大人の男の余裕ってやつなら、ちょっと悔しい。  友一がちょっぴり拗ねた気持ちでソッポを向くと、剣上が首筋にチュッとキスをくれた。  リクライニングシートをもとに戻し服を整えると、剣上は車をスタートさせた。  聞こえていた花火の音が徐々に小さくなり、やがて聞こえなくなる。 「なあ、友、また来年、来ような」 「……それは花火を見るため? それともエッチなことするため?」  友一がじとーんとした目で見ると、 「両方」  剣上は端整な顔に色っぽさ満点の表情をのせて、そう言った。

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