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誘ってるの? ⑤

「椎名……っ、ちょっと、力抜いて」 「ん……っわかんな……」 「く……っ、仕方ないな」 露木君は一旦侵入を止め、宥めるみたいに俺の脇腹に掌を滑らせた。腿から腰の柔肉を鷲づかみにされて揉まれれば、嫌でも力が抜ける。 「ァアッ!」 「それでいい、よ……っ」 「あ、は……ッ、や、ぁ、あ!」 露木君は苦笑しながら腰を引き、また突き立てる。そしてまた浅く腰を引いて、ローションを二人の間に足しながら徐々に埋め込んでいく。 ずぷずぷと露木君が俺の中に押し入ってくる。指とは全然違う圧迫感に、思わずシーツをぎゅっと掴んだ。 「はぁ、……く」 露木君の性器で内部を擦られて、産毛が立ち上がった。ゆっくりと再び腰を突き立て、またゆっくりと引く。 「は……っ、椎名……」 俺の真上で露木君が溜息を吐いた。吐息だけなのにそれが凄く色っぽくて、胸が熱くなる。  それとほぼ同時に一気に奥まで貫かれた。 「ふ、あぁッ! あ……は、ぁあっ!」 腰の奥深くまで入り込んで来た衝撃に喉が仰け反る。 「椎名の中、凄い……」 露木君は恍惚とした表情で呟くと、俺の体をぎゅっと抱きしめた。繋がったまま抱きしめられて、肌の密着度が上がる。 痛いのか、苦しいのかもうよくわからない。鳩尾のあたりまで、全部露木君ので塗りつぶされて支配されるような、そんな感覚。 「は……っ、椎名、大丈夫?」 「ん、うん」 そっと汗で張り付いた前髪に露木君の長い指が掛かる。ちょっと困ったような顔をして、俺の前髪を掻き上げながら露木君は笑った。 「ごめんね、優しくしてあげたいんだけど、ちょっと、余裕ないや」 「え? あ、まっ……ッ」 俺が答える前に、露木君はまたゆっくりと腰を引いた。そして、また一気に奥まで突き入れる。 「ひぁっ! あ、あ……っ、や、あっ!」 何度も、何度も。俺の中が露木君の形に押し広げられ、擦られ、突き上げられる。 「あ、あ……っ、や、だめ……っ」 自分の声とは思えないくらい、甘ったるい声がひっきりなしに口から零れた。恥ずかしくて口を覆いたかったけど、手に力が入らない。 「は……っ、椎名……」 「あ、ぁっ」 切羽詰まった声で名前を呼ばれて、ゾクゾクと腰が痺れる。さっき指で擦られておかしくなった箇所を露木君の張り出した部分が抉るように擦り上げられた途端。電流みたいな快感が内側から突き抜けて、自分ではどうする事も出来ない衝動が体中を駆け巡る。 「あぁっ、ん、あっ!」 「……ここ?」 「そ……こ、だめ……ぇッ」 無意識のうちに背中を反らして逃げる俺の動きを封じるように、露木君が俺の両足を折り、肩に担ぐと上体を倒して覆い被さって来た。 意地悪く笑いながらも、確実に俺の弱い部分を責めながら突き上げられて、勝手に腰が浮く。

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