「ふ、……ぁ、んんっ、だ、だめ、」 「駄目？ なんで？」 露木君は一旦口を離すと、今度は根元から先端に向かってねっとりと舐め上げながら、俺を見上げた。その仕草があまりにもいやらしくて、思わず息を飲む。 「だって、も……で、出ちゃう、から……」 「いいよ。イって」 「や……っ、だめ、……んんっ」 体を起こそうとするけど全然力が入らない。腰を捩って、押し寄せる快感を逃がそうとするけど全然上手くいかない。 集まり切った快感が目まぐるしく渦を巻き、俺の下半身がびくびくと痙攣する。 「あっ、だめ……っ、あ……ッ、だめ、だって……ば……！」 先端に吸い付かれた瞬間、目の前が真っ白になった。 「は……っ、んんッ」 我慢できずに俺が吐き出したモノを、露木君は何の躊躇いもなく飲み干した。 ごくりと喉を鳴らす音が、自分の荒い息遣いに紛れて耳に届く。 「は……っ、はっ……ぁ」 「随分薄いね……。まぁいいや。先に言っておくけど」 露木君は飲み切れなかった液体を掌で拭うと、ギシリと音を立ててベッドに手をつき、俺に覆いかぶさった。 「僕はずっとこうしたかったから……、もう、我慢なんてしないよ。いい？ 椎名」 そう宣言すると、自分の部屋から持って来たらしいチューブ状のものを露木君は自分の手のひらに出した。そしてその手で俺のお尻に触れた。 「あっ、や……」 滑る指先が、俺の尻の間に入り込んで来て思わず息を詰める。ぬるりと、ゼリーの助けを借りて指が容易く俺の中に滑り込むと、初めて味わう妙な異物感に背中が粟立った。 「……っん、」 露木君の手がゆっくりと俺の中を掻き混ぜる。慎重な手つきで抜いて、深く入れてを繰り返し、馴染むまで根気強く解しながら、更に指を二本に増やして行く。 「ふ……っんん、ぁ」 ぬめった感覚だけでは誤魔化しきれない圧迫感に、体が強張る。 「椎名、力抜いて。ゆっくり呼吸して」 「は……っ、ん、ぁ……」 耳元で囁く声に呼応するように息を吐くと、それを感じ取った露木君が少し強引にもう一本指を入れる。くぷ、と粘膜が擦れる音が響いて、恥ずかしさに思わずシーツを掴んだ。