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キミと一緒に ③
「や、やだ……っ、おねが……」
「ん? なに?」
「も、もっと、ちゃんと……っ」
恥ずかしさを堪えて露木君を見上げると、震える声で懇願する。
すると彼は嬉しそうに目を細めて俺の額に口付けた。
「環が、僕の名前を呼んでくれない理由を教えてくれたら、ちゃんとシてあげる」
「っ!」
露木君は意地悪だ。俺の気持ちなんてとっくにわかっているくせに、こうやって俺に言わせようとするんだから。
「ねぇ、教えて?」
「う……っ」
低い声が耳元で甘く響く。配信の時の甘ったるい声とは違う、少し掠れた余裕のない声。
俺はそれに滅法弱くて、耳朶を甘噛みされながら囁かれる度に腰が砕けそうになって、頭がクラクラしてしまう。
「……っ、だ、だって……っ、Naoは俺のずっと憧れてた人だから……っ露木
君を名前で呼ぶのは、ハードルが高すぎて……」
「え? なにそれ。僕は僕じゃないか」
「わかってる! でも、……それでも、名前を呼ぶのは緊張するんだ。ずっと
見てきた人だし……、Naoを好きな女の子だって沢山いる。憧れのNaoが俺の彼氏だなんて、俺には勿体なさ過ぎるというか……。なんて言うのかな。Naoは俺にとってやっぱり神様みたいな人だから」
露木君はNaoだって頭ではわかっているけど、心はまだ慣れなくて。こうして恋人同士になって、散々キスをしたり、もっと凄い事も沢山しているのに、それでもまだ時々夢を見ているような気持ちになる時がある。
俺の説明を聞いて、露木君は一瞬キョトンとした表情を浮かべた後、盛大に吹き出した。
「ちょっ、なんで笑うんだよ」
「フフッ、ごめん。でも、僕の事神格化し過ぎじゃない? ただ環の事が大好きなだけの一人の男だよ」
そう言って露木君は俺の頬を優しく撫でてくれた。その仕草や視線があまりにも優しくて、胸の奥がきゅんとなる。
「うん、わかってるよ。でも……」
「理由はわかったけど、何だか複雑だな。Naoに負けた気分」
「何それ」
眉を寄せてそんな事を言う露木君の言葉に思わず笑ってしまった。すると彼は少し拗ねたような表情で俺の鼻を摘んだ。
「悔しいから、今度から名前で呼ばなかったら所かまわずキスするから。覚悟してよ」
「ええっ、ちょっ、それは困るっ」
「だぁめ。キスされたくなかったら、ベッドの上以外でもちゃんと名前で呼ぶこと。わかった?」
そんな横暴な。と思ったけれど、露木君はこういう所結構頑固だ。そして、本当に実行しそうで怖い。
「わ、わかった……」
「よろしい」
渋々頷く俺に、露木君は満足げに微笑んで俺の額に軽くキスをした後、すっかり油断していた尻の窄まりに指をググっと押し込んできた。
「ぁ……っ、あぁっ……!」
つぷんっと入り込んだ太い指。待ち望んでいた刺激に身体がぶるりと震える。そしてそのまま浅い所を擦られて、全身の産毛がぞわぞわと総毛立つ。
痛いのは最初だけで、慣れてしまえば、もっと強い刺激が欲しくなって腰が勝手に揺れてしまう。
「ふ……ぅ、んんっ」
「いやらしい眺め。自分で足開いて、腰揺らして……。堪らないな」
全身を舐めるような熱い視線と、欲を孕んだ低い声。眼鏡を外した露木君の色気に充てられて、頭がくらくらする。
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