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第82話 深謀遠慮 ❸
3階でエレベターを降りると烈は社員を待った
社員達はエレベターで3階まで来ると、烈の姿にギョッとして部署ごとに整列した
知らされてはいなかった
告知されてない、抜き打ちの宗右衛門だった
が、社員達はこんな時の為に並ぶ順番を決めて部署ごとに並ぶ位置も決まっていたから、混乱する事なく並んで行った
始業の時間になると宗右衛門は
「今日、わざわざ此処で皆を待っていたのは、全社員に報告せねばならぬ事件が起きたからじゃ!
報道で知るよりも我等の口から皆に伝える義務が、我等にはあるからじゃ!
現場の方も此の朝礼は現場監督のPCから配信されリアルタイムで流れておる!
嘆かわしい事に、飛鳥井建設は倉庫や建設現場から配線を盗まれ、売り飛ばされる事件が起きた
当然、倉庫から盗み出す犯人の姿は、防犯カメラが捉えて確認しておる
当該社員の身柄は即刻 警察に引き渡し現在は事情聴取の真っ只中である!
組織的犯罪として別の犯人が配線を業者に売り飛ばす所を押さえ逮捕したが、その犯人は自爆した
我が社は徹底的に倉庫の在庫、建築現場の配線の確認をせねばならぬ!
そしてGWは我が社は取り調べの為に長く取らねばならなくなった
要は、流通ルートの解明、他の会社の被害状況等を擦り合わせて、被害状況を明確にせねばならぬのじゃ!
当然!犯人には被害を受けた会社と話し合い、合同で損害賠償請求をする予定である!
此の様な不届き者がいたとするならば、新社屋には当然、その様な輩は連れては行けぬ!
我が社としては徹底的な解明と、解雇者を出す覚悟で挑むつもりじゃ!
皆も努々忘れぬ様に気を引き締めて仕事に当たられよ!
儂からは以上じゃ!
話はあるか?ないのならば解散と致す!」
宗右衛門が聞くと康太は
「宗右衛門以上の話なんてねぇよ!」と言った
「ならば解散じゃ!梓、皆を解散させろ!」
と謂うと五稜院梓が「其れでは仕事へ戻られます様に!」と皆を促した
その時、社員達の中から突然、ナイフを持って飛び掛って来た社員二人がいた
明らかに康太と烈がターゲットになってるのか?
二人はターゲット目掛けて突進した
傍に控えていた梓と一条累と竜ヶ崎蘭は飛び掛って来る社員を確認した瞬間即座に動き、下着が見えるのも何のその!
飛び蹴りかまして、バランスを崩した瞬間ナイフを叩き落として腕を捻り上げて、あっという間に床に伏せさせ捕縛した
康太は「お疲れさん!んじゃ烈、此奴らを呪文で縛れよ!」と謂う
烈は詠唱を省略して「縛!」と叫んだ
するとナイフを持った男と女は身動き取れぬ芋虫の様に横たわっていた
「にーに達はフォーメーションAで、事を進めて行って下さい!
ボク達はこっちの処理を優先するしかないからね
ゴンちゃん、会議室まで運んでね!
父ぉーさんは唐ちゃんにでも連絡してね!
皆さんは自分達の仕事をしに行って下さい!」
榊原は「会議室へ行ったら連絡します!」と言った
ゴンは二人を肩に担ぐと、烈と共に歩き出した
エレベターを止めて乗り込むと地下へと向かう
康太は「え?会議室じゃねぇのかよ?」と問い掛けた
「ボクね地下に牢屋作ったのよ!
其処に先ずは入れとこうと思うのよ!」
ウキウキとそんな事を謂う
「お前……菩提寺の地下にも牢屋作っていたやんか……んとに牢屋好きだよな……」
「今度の新社屋には驚きの牢屋あるからね!」
「それは使われない事を願うよ!」
「そーよね!ボクも使われない事を願うわよ!
でも不埒な者はやはり投獄と決まりあるじゃない!定石に則ってやっぱ此処は入れとかなきゃね!」
と言い地下二階へ降りて行く
今 地下二階は使用不可能になっていて、許可を取らねば降りられないし、防火扉で出入り口を封鎖してあるから、無断で入るのは不可能な状態にされていた
地下二階に降りて鍵を開けて中へと入り、薄暗い廊下を歩き突き当たりの部屋のドアを開ける
電源のスイッチを入れると、其処には………
牢屋が作ってあった
でも普通の牢屋でなく………牢屋を見ると目眩が軽く来るのが解る
多分 別の次元と繋げてあるのが解った
そして牢屋の壁には渦巻くブラックホール並の亜空間が出来ていた
ゴンは男女を牢屋へと入れ扉を閉めた
烈は「自爆するならしちゃいなさいよ!
それか?漆黒の奴ならば時空を切り裂き逃げなさいよ!」と冷酷に告げた
男はニャッと嗤うと「何処で解った?」と問い掛けた
「最初から解っていたわ!」
「………っ!」
「我が社の社員の行動パターンは総てメインコンピューターが把握して解析している
一つでも違う行動をしたならば、警告は入るし
多分別の生き物なんだと駆除対象になる!
当然 ARЯK警備保障の方から管轄の警察に連絡が行き本人確認の為に動き出す!
成りすまして本人の体を乗ったとしても、100%完璧に本人の取る行動が取れる訳では無い
どうしたって違いか出るからね、総てバレバレだったのよ!」
男女は最期の悪足掻きとばかりに
「ならば仕方ない!」
と、自爆しよとしたが、その自爆も出来ずに唖然となっていた
「ゴンちゃん、魂と体の剥離をお願い!」
「承知した!」
「剥離した魂は牢屋の奥深くのブラックホールへ放り投げておいてね!」
「委細承知した!」
そう言いゴンは牢屋にすり抜けて入ると、男女の体をドンッと突き飛ばした
その瞬間、体内の魂が抜け出し、それを捕まえてブラックホールへと放り投げた
力なく二人は崩れ落ち、床に横たわった
榊原は牢屋の中へと入り、男女の手を取り脈を確かめた
男女は事切れていた
「駄目です!死んでます………」
「そりゃ強引に体を乗っ取れは、本人の魂は行き場をなくして彷徨うしかない!
その者の魂は乗っ取られた瞬間、菩提寺へと飛んで来て助けを求めていたらしいからキューちゃんに言って魂を保護させていたのよ
そしてこの前、えんちゃんが来たから魂は閻魔が預かり、閻魔帳には死亡を書き記した
だからこの体は維弦に回収させて、死亡通知を発行させて遺族に知らせるしかないのよ!」
「罪もない者達を弄びやがって!」
「本当にね………」
「ならお前、仕掛けて来るの知ってたのかよ?」
「確実に今日 仕掛けて来るなんて知らないわよ!ボクはそれ所じゃなかったからね!
でもその体が蛻の殻なのは知っていたわ!
その体の持ち主が、菩提寺に助けを求めて来たからね、それで発覚するまでは気付かなかったけどね………
時を同じくして暦也が『不審な動きしやがる社員いるぞ!どうするよ?』とは言って来たけから何かあるとは思っていたわ」
康太と烈が話している間に、榊原は唐沢に連絡取り誰か寄越してくれる様に話を付けていた
暫くすると西園寺維弦が、班の者達を連れてやって来ていた
迎えに行ったのは榊原だった
飛鳥井建設の受付まで来て貰って、維弦と班の者を連れてやって来たのだ
維弦は飛鳥井建設の地下に牢屋が有るのも驚きならば、その牢屋の壁のブラックホール並の空間は何処へ繋がっているのか?
怖くて聞けなかった
烈は「維弦、ゴメンね!魂は魔界に飛ばしちゃったから事情聴取は出来ないわ!」と謝った
「魂 追い出して体を乗っ取られたケースか……
最近こんなんばっかじゃないか………」とボヤいた
康太は「え?うちはこのケースが初めてだぞ!」と聞き返した
「鷹司の家から大幅に死者が出たんですよ!
鷹司の造園業とか、庭師とか、調理場の板さんとか、緑道さんに刃を向けて来て捕まえたら自爆しそうになったから、烈から渡された布で包んで自爆は阻止できましたが………
捕縛布を外したら………舌を噛み切り自害していたんですよ!」
「え!摂家の家の使用人は身元も確かでなくば入る事も不可能なんじゃねぇのかよ?」
「そうなんですが……実際は入り込まれて、狙われて警備網の甘さとか浮き彫りにされてしまいましたからね
御当主様はそれはそれは怒り心頭で、宗右衛門を捕まえねば!と申されてましたよ!」
烈は「え?ボク??」と叫んだ
「大量の死人が出たけど遺体をどうしたら良いか?相談した後に決める為に、冷凍させてあります!」
「あ~其れは閻魔大魔王様のお仕事じゃない!
ボクのお仕事じゃないわよ!」
「鷹司は警備態勢を見直す為に、ですよ!
俺の方は遺体確認した後に、遺族に遺体を返還するに辺り相談させて下さい!」
「あのさ維弦、この遺体もそうだけど、コイツ等を操っている奴は、魂の乗り換える事が出来るのよ!
体を渡り歩いてるヤツと言った方が良いかしら?
そんな奴を相手に警備網をどれだけ見直ししたとしても………不可能に近いわよ!」
「………それSF映画とか小説の世界の話じゃないですか………」
「現実にあるのよ
あの人ある日を境に人が変わったみたいになったのよね?
なんて言われてる人とか………もぉ別人レベルなら別人なのよ!って話よ!」
「何か人間不信になりそうだな………」
「ボクなんか等の昔に人間不信になってるわよ!」
「…………では、鷹司御当主からの伝言伝えましたからね!
其れでは、この遺体を回収して行きます!」
そう言い維弦は班の子達に遺体回収の袋に入れさせて台車に乗せて、車まで行き運び込むつもりだった
「其れでは、我等はこれで!」と言い維弦達の班は帰って行った
康太は烈に「此れから会議開くから帰るなよ!」と告げた
「了解してるわ!
GW前だからお仕事頑張らなくっちゃ!」
「脇腹はどうよ?」
「痛いわよ!そしてあっちこっち痒いわよ!」
「あっちこっちは傷が治りかけやからやろ!
仕事終わったら久遠んことにちゃんと行って消毒して貰えよ!」
康太はそう言い歩き出した
エレベターに乗り5階の大会議室へ向かい、役員 役職総て呼び出して今後の対策の協議に入った
康太は先程の刺客を皆に話した
「刺客は烈の秘書達が取り押さえて、烈の猫が地下の牢屋に入れたが、その牢屋は細工してあったから自爆出来なくて、烈の猫が魂と体を引き剥がして、魂はまぁなんだ、それなりの裁きを受ける事となった!社員の体を乗っ取られては堪らねぇからな、宗右衛門には今後どうしたら良いか?
対策を考えて貰う
我等は新社屋へ引っ越すに当たって、こんな社員を出さない様にしねぇとならねぇ!」
康太の話を聞いて役職達は唖然としていた
まさか………社員になりすましている輩がいるなんて………
榊原は「宗右衛門、社員達をこれ以上被害に遭わさない為の対策とかは?
お願い出来ませんか?
どの社員も我が社の資産です!家族です!
なので………此の様な酷い事態は避けねばなりません!」と話した
烈は「これ以上の対策なんて取り様がないわよ!
これ以上どうしろと言うの?
セキュリティは万全!
社員も行動パターンの解析とかやって管理をして………やられたのよ
ボクが気付いた時には既に入れ替わっていた
魂を乗り換えられる奴を直接叩かない限りは……不可能だと思って!」と一蹴した
「でも君ならば何か考えがあるのではないのですか?其れが我等が一縷の望みになるのであれば………我等は宗右衛門にお頼み申すしかないのです!どうかお願い致します!」
榊原に深々と頭を下げられ、烈は嫌な顔をした
そして榊原を一瞥すると、何も言わず神の道を開いて消えた
榊原は唖然として見送るしかなかった………
康太は「さてと、オレ等はGW前に配線泥棒の対策を取らねぇとならねぇかんな!
その話し合いをするとしようぜ!」と何でもなかった風に謂う
陣内は「宗右衛門が不在です!」と謂う
「宗右衛門は己の死命で考えて消えられた!
今我等は我等が出来る事をせねばならない!
配線泥棒にしても、会社の決算で赤字は確実に叩き出す事になる!
その赤字を補填出来るのは、宗右衛門事業団からの仕事の依頼のみ!
我が社は宗右衛門事業団に頼り切りになる訳には行かねぇんだよ!
そんな事をしていたら遅かれ早かれ、会社は倒産の危機となるしかねぇかんね!」
栗田は「売り捌いていた社員の資産の凍結をして貰う手続きはなされましたか?」と問い掛けた
「あぁ、其れ等は宗右衛門がやってるだろ!
彼奴は病院のベッドの上にいようが、意識さえあれば人を動かして事を成す!」
愛染は「ならば電算室に依頼を掛けて被害総額の把握せねばなりませんね!」
瀬能が「システムチェックが甘かったんですかね?まさか?我が社から泥棒を出すなんて!
常に倉庫の在庫の確認は必要事項と成りますね!
其れ等も今一度考えねばなりませんね!」
城田が「折角 悠太さんが大きな賞を貰い、社内も活気付いているのですから、水を差したくはないですね!」
陣内が「あ~この前見舞いに行った時に、烈から、嫌 宗右衛門から『今後は徹底した管理システムが必要となる!
倉庫管理は委託業者に出して管理して貰う様に整えないとならなぬ!
配線泥棒なぞ出さぬ管理システムの構築と倉庫が今後は必要となる!と、伝えるのじゃ!陣内よ!』と!言われてました!
決済の書類は上げといてね!と言われたので提出しておきました!」
と次々に己の部署の問題点を口にした
康太は「倉庫管理は委託業者に出す話は、聞いてねぇぞ?何時頃その話が出てたのよ?」と問い掛けた
「えっと……今 完全防犯対策した倉庫を建築中だとか?何処に倉庫を持つかは聞いてませんが、完成したら委託業者に管理させ在庫の不正は一切許さないシステムの構築中だと聞きました!」
「そうか、宗右衛門は危惧していたのか………
その前に泥棒に入られたと謂う訳か………」
「真贋は何処ら辺に倉庫が建つか?
ご存知ですか?」
「オレは一切聞いてねぇよ!
オレは宗右衛門のなさる事に口は一切出しちゃならねぇかんな!
宗右衛門だとて真贋のオレのやる事に一切口は出せねぇ!其れが真贋と宗右衛門の立場だ!
が、不正を見つけたならば即座に其れを正して斬らねばならない!
唯一真贋のオレを裁けるのは宗右衛門だけだ!
宗右衛門を裁けるのは真贋だけの様にな!」
何とも重い関係性を口にされても………
烈がそれを背負うのは荷が重いと皆感じていた
が、其れを口にするのは許されなかった
そんな重い空気をきり裂く様に、烈が突然戻って来た
ゴンが一人の男を背負って戻って来たのだ
烈が椅子を引くと、ゴンはその男を椅子に座らせた
そして烈が椅子に座ると猫達も椅子に座った
「此の方は賢人 ラルゴ ボクのお師匠様です!
お師匠様、ボクと社員を救う手助けして下さい!御礼にデメロン デマンゴウ デライギョの差し入れしますから!
そして今夜は飛鳥井で宴会しましょうよ!
社員達にお酒のカンパを頼むので、好きなだけ飲んで下さいよぉ〜!」
と、無茶振りする
康太は爆笑して
「弟子に連れられて来たのかよ?ラルゴ」と問い掛けた
「あ~我が弟子は、嫌、お前の倅は強引故、引き摺り出されたわい!
でも破格の待遇じゃならな、乗ってやるさ!
しかも今夜は宴会じゃと!」
ワクワク喜ぶラルゴだった
烈は陣内達を見て
「社員達の安全確保の為に、お酒のカンパお願いね!」と謂う
瑛太が「お酒のカンパですか?社員はしてくれますかね?」と不安気に呟いた
「無理かしら?飲兵衛達を満足させる程に饗さなきゃならないから……カンパして欲しいわよね」とボヤいた
瀬能は「ディスカウントショップでケース買いして来るよぉ〜烈!」とニコニコで話す
「あら?瀬能ちゃん有難うね!」
「烈の為ならばなんだってするよぉ〜
その代わりまたお茶してよ!」
「そんなの幾らでもするわよ!
でも少し前まで白馬に行ったり、入院してたからね、音信不通でゴメンね!」
「良いよぉ、そんなのは!
俺は烈が生きていてくれるだけで…」
そう言い瀬能は涙した
烈は立ち上がり瀬能をギュッと抱き締めた
愛染が「ならば俺は姉の秘蔵の酒を持って来てカンパする!」と笑って場の雰囲気を変えた
烈は「愛ちゃん……それは命知らずだわ!止めとくのよ!津葉木ちゃん止めるの無理だからねボクでも!」と脅して謂う
「……あ~、そうなるか、なら俺もディスカウントショップでケースで買うよ!」
「沢山集まったらGW後にでも慰労会開こうかしら?」
「其れ良いね!」
栗田は「なら俺もケースでカンパする!」
城田も「俺も!」と謂う
烈は瀬能から離れて席に座ると
「賢人 ラルゴはボクのお師匠様で、社員達全員、無論現場の者達も飛鳥井の社員達全員
プロテクトを掛けて貰おうと頼んでおいたから!」
と話した
榊原は「プロテクト?それを掛けてると乗っ取りは阻止されるのですか?」と問い掛けた
ラルゴは「嫌、其処まで完璧なモノだと思われぬ様に!
例えば拉致られて暴行を加えられ、無理矢理乗っ取られたとする
プロテクト掛けてある限りは、傀儡には成り下がりはしない!
無理矢理だと命に関わる危険はあるが………人として最期は逝ける……
それだけじゃ、その人を守るモノだからな!
んな万能で総て跳ね返す優れモノなど、この世にはない!それが現状だ!
またそんな完璧を許しはしないだろ?」とボヤいた
ゴンは「完璧なのを作るのは簡単だが、完璧な人間ってのは糊代がない分、この先がないと絶望して自死を選ぶ………嫌と謂う程に経験して不完全にしてるんだから仕方ないでしょう!」と嘆いた
康太は「だよな……ピーマン食えねぇもんなお前……」と完璧じゃないから好き嫌いあると揶揄した
「仕方ないじゃないか!
あんな中身スカスカの野菜が美味しい訳がない!」
榊原は「それ、慎一や一陽の前で言ったら、究極に美味しいピーマン料理ばかりになりますよ!」と呆れて謂う
ゴンはガーンとショックを受けた顔をした
烈は「明日 朝会社に全社員集合させます!
現場の者達も朝は会社へ来るように徹底的に周知させ、来なかった者は解雇となる!
其れをこの後に放送で流し、掲示板や部署の役職者に伝令を流し徹底的に告知して知らせさせます!
役職達は部署へ帰還した後、直ちに社員に話して、解雇対象になりたくなくば必ずや出勤する様に伝えて下さい!
其れで宜しいですか?」と問い掛けた
康太は「宗右衛門の想う儘に!」と深々と頭を下げた
「じゃ、お師匠様全員 飛鳥井にお呼びするので、今夜の宴会お願いしますね!
明日の朝 お師匠様達はボクと共に会社に来て、皆を転移させプロテクト掛けます!」
榊原は「はい!お願い致します!
では今夜は七賢人 八賢者総出となるのですか?
飲兵衛ばかりじゃないですか……」
「………かなり飲む奴らばかりだから、お酒の方はカンパを頼むので、何とかならないかしら?
料理の方は一陽たん引っ張って行ってくれるなら、軍資金は渡してあるから!」
「解りました、料理作りますとも!」とヤケクソに答えた
瑛太は「取り敢えず、明日プロテクトを掛けて社員達全員を護ると謂う事で良いですか?
盗難の件は宗右衛門がおられる時に新倉庫の話と、それを管理する委託業者のお話はして戴けるのですか?」と問い掛けた
「あぁ陣内に聞いたのね!
そうね、その話もしなきゃなのよ!
でも決裁書類に判を押したならば、中身見て解らなかったかしら?」
榊原は「え!元蔵持運送の会社の跡地の事ですが?アレは蔵持運送の倉庫じゃないのですか?」と驚いて問い掛けた
「え?ぜんちゃんちの倉庫じゃないわよ!
飛鳥井建設の資材倉庫よ、まぁ委託業者の名義での建設概要だったからね解らなかったのは仕方ないわね!
思った以上に、城之内の仲間や後輩達が集まってくれたのよ!
整備士やってる子達も中にはいてね!
バイクや車のメンテの整備工場は廃業したビルをかなり安く買い叩いて丸々買い取ったのよ!
まぁ整備工場の元の持ち主が家族を次々と殺し、最期に自分は首縊り自死したと謂う曰く付き物件で、本当にウヨウヨと居着いていたし、負のオーラが他の霊を呼び寄せ危ない物件に成り下がっていたけど緑道に祓って貰い浄化したからね
そのビルの上にバイク便の会社持って行ったのね
そしてバイク便の子達や整備工場の子達に、お給料支払って福利厚生も完備させられる様になったのよ
そしたら雇って欲しいと謂う子達が増えてね
で、雇っていたのよ
倉庫の管理のバイトしてた子達も結構いてね
案外使えるのよ、その子達!
だから倉庫の建設して、管理をして貰おうと思ってね!」
「城之内の仲間?
皆いい年してるんじゃないのかよ?
後輩にしても、そこそこの年齢叩き出しているんじゃねぇのか?』
社会人で生活しているならば中堅を担う年齢だと康太は暗に口にした
「そうなのよ、でもね会社に勤めるには経歴は必要不可欠だからね、正社員として雇用されてなかったのよ、あの子達
それをバイク便の仕事して貰ったのを皮切りに、整備の経験者とかメンテの子達が来たから作って、まだまだ後輩とか正社員で入れない子達が沢山いてね、雇用していたのよ
あのチームの子達は殆どうちの会社に入ってるわ
そしてその後輩や仲間もどんどん入って来てね
まぁ一応、暦也に調べて貰ってるから身元は安全なのよ!
そして正社員で働けなかった子達だから、水を得た魚バリに働いてくれてるのよ
ワン達の犬の散歩も、あの子達が順番でしてくれてるのよ!しかも無償でやってくれてるの!」
烈は増え過ぎて色々と作ったのを語る
康太は「離職率は?」と聞いた
「ゼロよ!他に行っても福利厚生の保障された会社で働けないの知ってるから辞めないのよ!
それと今、他所の会社の建築現場で働いてた子を飛鳥井の現場で仕事させてるのよ!
何でも海外の人材の方が安く上がるからとクビにされた子を遼ちゃんと棟梁に預けてあるのよ!」
「あ~外人使った方が人件費下げられるもんな! 増えてるんだよな今!」
「そうなのよ!取り敢えず遼ちゃんには試験採用として3ヶ月試用期間で様子見て貰い、正式雇用するなら契約書とか色々と書いて貰わなきゃなのよね!あ、一人は女の子なのよ!
そしてもう一人が男性で2級建築士の免許なら持ってるって!」
「二人入るのか?」
「うんん5人!」
「5人も!現場で働かせて大丈夫なのかよ?」
「今の所、どの現場の子達よりも必死に真摯に仕事してるって報告は上がってるわ!
経験者と謂う事で即戦力になってると報告書も上がって来てるわ
どの子にも一級建築士の資格を視野に入れて働いて貰ってるのよ!」
榊原は「ならば正社員になられたならば、即座に教育を始めねばなりませんね!
我が社の戦力になって貰わねばなりませんから!」と燃えていた
「本当に城之内の仲間は頼りになるのよ!
まぁ全員がそうだった訳じゃないけどね………
異論を唱えて出て行った子も少なからずいるわ!
まぁ全員が同じ考えな筈ないからね!
別に反抗して出て行っても構わないし……引き止めはしなかったわ………
でも戻りたいと謂うのは一切聞かないし許さないけどね!」
康太は「まぁ仕方ねぇ事だわな!で、何時その倉庫は何時建つ予定なのよ?」と質問した
「倉庫だから何年もは必要ないけど、倉庫の上に仮眠室と事務所、そして独身寮としてワンルームを作るからね!
半年は必要かしら?
そして解体終わって建築は始まってるから、飛鳥井が新社屋へ移転する頃には建つんじゃないかしら?それはボクより現場の管理してる陣内とか栗田に聞いた方が早いわよ!」
「うし!それは後て聞くとして、取り敢えず今日の会議は終わりで良いか?」
皆に問い開けると異論はなく、会議は終了した
会議が終わると烈は放送室へ行き、明日の朝の告知をした
【明日の朝 始業の5分前に3階エレベターホールの前に集合して下さい!
欠席する場合 正統な理由以外は許可されません!
場合によっては退職を勧告する事も有りますので、それを頭に入れて絶対に集合時間には遅れない様にお願い致します!
此れは社内行事なのでお給料が発生するので、社内規定に基づいて処する事が出来る事を忘れなく!
あ、此れは任意のお願いなんだけど、お酒をカンパしても良いと謂う方は、カンパお願いします!強制でないので、カンパしても良いぞ!と謂う方のみ協力して欲しいのです!お願いします!】
と通達した
部署の部長クラスの人間に絶対の権限権を持って集合させる責任を課した通達もした
部長クラスの人間は明日は絶対に遅刻はするな!と口を酸っぱくして伝達していた
やる事を終えると烈は、ラルゴを連れて猫達と共に会社を後にして飛鳥井へと帰った
飛鳥井の家に帰ると【R&R】のメンバーと竜馬が帰国していた
竜馬は「烈!本当に済みませんでした!」と謝罪した
「下方修正したのかしら?」
「徹夜で見直してロードから紹介して貰った社員は即座に解雇にした!
どうやら会社を乗っ取る気だったみたいで………
既存の取引契約相手には、難癖付けて契約解除させて、全く知らない自分の利益になる様な業者に乗り換えて契約されてたりした!
烈が調べさせた書類を見たけど、かなりの金額がキックバックされてたみたいだったから、それを提示して取引相手とも法律を盾に解約した
今後は裁判となりクリスに敏腕弁護士を用意して貰い闘って行く予定だ!
オリヴァーは倭の国へは来ずに事後処理をやると言ってたよ!
本当にゴメン!
烈から託された会社を危うく潰す所だった!
ゴメン!」
と涙ながらに謝罪した
竜馬は短期間に、凄い憔悴していた………
が、烈は優しい言葉を掛ける事もなく
「少し緊張感足らないんじゃないかしら?
日頃から常にチェックしてれば気付けた筈よ?
まぁ今はそんな話してる暇ないのよ!」と一蹴して着替えに行ってしまった
それからも忙しく宴会の準備をしていた
賢人と賢者は客間を早々に占拠して、神威や阿賀屋と毘沙門天と共に飲み始めていた
「まだ早いわよ!
京都で買った乾物で良いなら料理作らないわよ!」
神威は「そんな堅苦しい事を申すでない!わざわざお越しの主の師匠殿を饗すのも父の務めじゃからな!」と飲んでいた
康太も瑛太と共に帰宅して寛いていると、栗田からラインがあった
『お酒のカンパ 持って来ました!
何処へ運んだら良いですか?』
康太は「んなら飛鳥井記念病院まで頼むわ!」と告げた
『ならばもう来てるのでお願いします!』
康太は一生と一陽と共に向かった
すると栗田はワゴン車の助手席に乗っていた
運転をしていたのは城田たった
栗田は「康太!カンパが思いの外集まって城田がワゴン車で通勤してるの知っていたから乗せて貰って来たんだよ!」と謂い後部座席の方のドアを開けた
ワゴン車の椅子は折り畳んであり、所狭しと酒がダースで積んであった
その後に愛染と瀬能が車で到着した
それぞれの車の中にもお酒は積んであり………
康太は「え!こんなにあるのかよ!ならば桜林学園の方まで回って来てくれねぇか?」と謂う
城田は「桜林学園の方ですね!了解しました!」と言い栗田を乗せて走り出した
愛染と瀬能もその後に続いた
康太は家に帰ると烈に
「おい!めちゃくそお酒のカンパあったぞ!」とボヤいた
「え!そんなに!!有難いわね!」
康太は家の中にいる戦力になりそうな奴等を全員玄関まで連れて行き門を開けた
桜林学園の近くまで来ていた車を誘導して家の前で停まって貰い、車の中のお酒を運び出す!
烈は「カンパしてくれた社員のリストあるのかしら?」と問い掛けた
城田は「あるよ!ちゃんとチェックして記してある!」とリストの用紙を手渡した
「なら何らかの御礼を考えなきゃね!」
かなりの量のお酒を、玄関から手渡しリレーで玄関へ運び込む
翔達はお酒の銘柄と本数を写メで撮り残す
玄関には出入り出来ない程にお酒が積み上げられていた
お酒を全て下ろすと城田と栗田と愛染と瀬能は帰って行った
キッチンから榊原がやって来てお酒の量を見て唖然となった
が、玄関に置いて置く訳にも行かないから客間の前の縁側の方の透かし扉を開けて縁側の廊下に置いて行った
透かし扉を全て閉めれば庭木が部屋から見える落ち着いた雰囲気の部屋だった
冬は寒さ対策で閉めてある事が多い
かなりの数のお酒が縁側に積み上げられていく
社員の皆の想いが嬉しかった
その夜は久し振りに飲兵衛が集い 楽しい時間を送る事となった
賢人と賢者は久し振りの人の世のお酒に酔い痴れ
家族も久し振りの賑やかな笑いに包まれた宴会に、リラックスして飲んでいた
翌朝 日も昇らぬ内に、烈と賢人と賢者は飛鳥井の家を出て行った
転移装置を置かねばならないからだ
が、師匠は動かない
せっせと烈と猫達が動いていた
始業の一時間前に康太と榊原が出勤して来た
烈や賢人や賢者に朝食の差し入れをする為だった
転移装置の設置も一段落した烈は食堂へ行き、榊原の差し入れのお弁当を食べた
そして熱々のお茶を飲み干すと一休みして、3階エレベター前まで向かった
各部署の役職が既に到着していて、名簿を片手に出勤チェックをしていた
烈は「陽が昇る前に作業していたのよ!
間に合って良かったわ!」とにこやかに謂う
始業5分前 飛鳥井建設の全ての出入口がロックを掛けられた
遅刻した者はロックを解除するまで中へは入れない
そして社訓と入社前誓約書により、契約違反として退職か、降格、系列会社への転属となる
各部署の統括本部長が前に立ち
「遅刻者 欠席者一人もありません!
全員参加です!」と伝えた
九頭竜もその日は会社へ出勤して棟梁と共にチェックをしていた
「現場の方も一人の遅刻 欠席者はおりません!」と告げた
烈は「人が多いので1番目に真贋と社長が現場の者達と向こうに行き待機をお願いします!」と謂うと康太は
「承知しました!」と言い、さっさと転移装置に乗り込んだ
烈は次々と部署の者達を転移装置に乗せて転送させて行く
ラストは役職と共に賢人と賢者と共に烈が乗り込み転送されて行った
崑崙山には賢人と賢者に差し入れを持って来た素盞嗚尊が烈の愛馬達と共に待っていた
素盞嗚尊は「烈!!」と謂うと烈は祖父の所へ駆け寄り抱き着いた
「じぃさん、悪かったわね!」
「お前の為ならば、どんな事だってしてやると決めておるからな!」
と笑い烈の頭を撫でた
素盞嗚尊は烈の愛馬と共に来ていた
アル君が「烈会いたかったよぉ〜」と甘えると、烈はアル君とスィーツ兄弟の頭を撫でた
社員達は、なっ……何!そのラブリーな生き物は!!と釘付けになっていた
さ……触りたい
その毛艶の良さ……モフモフしたい!
そんな社員達の想いを断ち切る様に
ラルゴは「さぁ始めようぜ!」と開始の合図を告げた
「何人ずつ?」
「何度もプロテクトを掛けるのは面倒じゃわ!
よって全員を一纏めに集めてやるとする
と謂う事で烈よ、主は烏合の効果を同時に発動するかよい!」
「了解しました!お師匠様!」
それを聞いていた康太は
「おっ!烏合の効果やるのかよ?
ならオレも手伝ってやんよ!」
やる気になってる康太の背後から
「それは駄目です!
僕の創世の浄化が重ね掛け出来なくなるじゃないですか!」と声がした
烈は「レイたん!来てくれたのね!」と謂うと、レイは烈に抱き着いて
「烈が呼ぶなら何処へでもいくよぉ〜!」
とニブルヘイムの声で答えた
「うし!サクサクやるぞ!弟子よ!」
賢人が社員達の足元に魔方陣を出した
社員達は何か起こるのか?ドキドキして立っていた
賢人と賢者は呪文を唱え始めた
その後を烈とレイが呪文を唱えて行く
烏合の効果と謂う呪文は、全員に一度で掛かる様に相乗効果をねらった呪文だった
レイは闇に染まらない様に創世の浄化を唱えて行く
魔方陣の中には瑛太や清隆 玲香もいた
が、康太と榊原は魔方陣の外にいた
一時間ちょいの長い呪文が終わると、皆の体は光り出した
賢人と賢者は「プロテクトは完成した!此れで傀儡にされる事なく人としての最期は迎えられるであろうて!」と言った
烈はお師匠様に深々と頭を下げた
ラルゴは「烈と炎帝と青龍よ、魔方陣に乗るがよい!会社まで転送してやる!」と言ってくれた
烈と康太と榊原は魔法に乗る
烈は愛馬と素盞嗚尊に「近い内に行くから待っててね!」と謂う
素盞嗚尊は頷いた
烈は「レイたんは?」と謂うとレイは
「じぃたんに少し甘えてから帰るわ!」と笑って手を振った
ラルゴは烈達と社員達を会社まで転送した
眩い光に目が眩んでいると会社の3階に転送されていた
烈は社員達に「お疲れ様でした!次元の違う場に逝ったから怠さは残るかもだけど、自分の持ち場へ行きお仕事に就いて下さい!ご苦労様でした!」と言い軽くお辞儀をした
社員達はどっと疲れで、各々持ち場へと散らばって逝った
烈は康太に「ボクは帰ります!そして少しイギリスへ行かねばならないので、少し留守にするので、宜しくお願いします!」と言った
康太は竜馬を視て、イギリスのヨニーが大変な事になってるのは知っていた
「承知した!でも連絡は常に繋がる様にしていてくれ!」
「それは解ってるわ!
では帰ります!」と言いケントを呼び出し帰って行った
飛鳥井の家の横のオフィスビルの前で降りて、二階に向かった
ロックを解除して二階の部屋へと向かう
部屋を開けてソファーに座るとPCを開き、問題点を表示して竜馬と【R&R】のメンバーを呼び出した
「オフィスビル二階にいるわ!
話がしたいから来てくれないなしら?」
烈からの連絡を受け取り竜馬もメンバーも即座に動いた
竜馬はメンバーと共にオフィスビルへも向かった
暫く待っているとインターフォンが鳴り響き、モニターには竜馬とメンバーが姿映っていた
「今開けるわ!」
ロックを解除され部屋へと向かう
二階の部屋のドアノブに手を掛けると、鍵は掛かってなくて、竜馬とメンバーは部屋へと入った
部屋に入ると、ソファーに座る冷徹な瞳をしている烈に少しだけ覚悟を決めるしかなかった
皆が会議室の方の椅子に座ると、烈もそちらに移動して椅子に座った
烈は何も言わず竜馬を見た
竜馬はPCを持って来ていて、資料と共に烈に説明を始めた
烈は開いておいたPCの画面を竜馬やメンバーに見せた
「かなり奥深くまで浸透しているから、抜本的な改革が必要となるわ!
でなきゃヨニーは虫の息になるしかない!」
ダニエルは「しかし………こんなにやられてるとは……思っていなかった……」と苦しげに謂う
「此れが現実よ!目を離したら手薬煉引いてる奴等の好きにされて蝕まれ乗っ取られるわよ!
だからこそ、監視者置いたのに何時の間にか追い出されてるじゃない!」
「え?いたよ………不甲斐ないと謝罪された……」
竜馬は信じられないと……驚愕の瞳をして言葉にした
「あれはもう人ですらない傀儡よ!
クリスに頼んでM16を動かして貰い調べて貰ったわ!そしたら人ですらない………と答えが来たわ
仕組まれていたのよ、ロードの信頼を得て人材を派遣した時点で入れ替わっていたのよ」
「ヨニーはセキュリティが強化されて社員バッチも着けてるのに?」
「其れでも成り代われるならば、それは意味はないのよ!」
「じゃ何しても……手は打てないじゃないか!」
竜馬は机に突っ伏して絶望して泣いていた
「顔を上げなさい竜ゅー馬!
下を向くんじゃないわよ!
ボク等は負けない!
負ける気ならば、倭の国を追い出された時点で、尻尾を巻いて逃げてなさいよ!」
竜馬は顔を上げて「烈……」と呟いた
「ヘンリー、イギリス行きのチケット取りなさいよ!」
「え!!了解!直ぐに取るよ!」
ヘンリーは慌ててバックからPCを取り出すと、チケットを取り始めた
「宣戦布告と行こうじゃない!
ボク等は何者にも囚われない【R&R】なんだから!絶対に負けたりしないわ!
この命 終わるその瞬間までボクは諦めない!
共に行く気ないから切るわよ!竜ゅー馬!」
「共に逝くよ!ごめん!弱気になった………」
「弱気になるのは別に良いのよ!
其処で諦めない限り、ボク等の道は途絶えはしない!切り開く先の道は己の手で掴まねば意味がないからね!」
メンバーは【リーダー!】と叫び泣いていた
とても辛い一週間だった
己の信念も………信頼も………築いて来た総てを裏切られた気になっていた
烈と竜馬と【R&R】のメンバーは一番早い便のチケットを取り空港まで行き、飛行機に乗った
手ぶらでイギリスまで行き、半日以上掛けてイギリスへと到着
崑崙山から会社へ戻ったのが10時近くで、オフィスビルに呼び出して飛行機に乗ったのが午後1時半で、イギリスに到着したのが翌日の朝だった
飛行機から降りて税関通って空港を出ると、即座にハイヤーに飛び乗りマンションへと向かい、即座にスーツに着替えた
着替えが終わるとデリバリーを頼み、軽食を食べてヨニー@イギリス本社ビルへと向かう事にした
オリヴァーにも社員達にも知らせは一切入れずに、抜き打ちの訪問だった
オブライエン家からバスを頼み、バスが来ると乗り込み本社ビルへと向かう
本社ビルの前でバスから降ろして貰い、ビルの守衛に来訪を告げた
守衛は即座にゲートを開けて迎え入れてくれた
正面玄関から堂々と入って逝く
社員達は驚いたが、フレンドリーに声を掛けて来た
烈と竜馬とメンバーは、社員達の挨拶を受け取りながらも、ズンズンと社長室を目指す!
社長室とドアをノックすると、どうぞ!の声が掛かる前にドアを開いて社長室のなかへと入って行った
オリヴァーの目の前に冷徹な瞳をした烈が立っていた
オリヴァーは「れ………っ……」と悲鳴にも似た声を出した
が、烈はオリヴァーを無視して
「クーたん達お願いね!」とポケットを開いた
すると、ポッケからクー ルー スー ゴンが飛び出して姿を現した
クーは「了解!」と応えると、示し合わせた様に姿を消した
烈は取り敢えずソファーに座った
メンバーや竜馬も各々適当に座った
オリヴァーは立ち上がると烈に深々と頭を下げ謝罪した
烈は「報告を!」と告げ、何やら何語か?解らぬ言葉をブツブツと呟いていた
こんな時の烈には話しかけてはならぬ!と謂うのがメンバー同士の暗黙のルールだった
オリヴァーは必死に経緯を話した
そして今後はどうしていくべきか?解らない………と心の内を吐露した
そして「ヨニー@イギリスは世界に誇るセキュリティを自負している
なのに………こんなにもあっさりと………内部に食い込み経営状態を最悪にする輩が現れた
もぉどうして良いか?解らないよ!
僕は今回の責任を取って辞職する覚悟です!」
と苦悩を滲ませた表情で、やっとの思いで告げた
が、等の烈は聞いていなかった
烈のまわりをキラキラとした光が飛び交っていた
その幻想的な光景にオリヴァーは言葉もなかった
烈は「そう、妖精さん達有難うね」と告げた
竜馬は「妖精?妖精と交信していたの?」と問い掛けた
「この地の精霊に守護を頼めないか?と妖精に聞いていたのよ!」
「守護?そうすると、何の効果を得られるの?」
「この地の精霊に守護を頼もうと思ったのよ!
精霊の守護する地には邪な存在は長時間の滞在は出来ない!
其処で弾き出せる可能性もあるからね!
まぁ相当なゴリ押しで来られたら一溜りもないけどね、まぁ守護して貰いたいと思ったのよ
でも………この国のミスリルの力も枯渇しつつあるのね……精霊は今はそんな力なんかないって言ってたわ………まさかミスリルの枯渇なんて思いもしなかったわ………
そう言えば最近妖精を見ないと思っていたのよね………他の要因だと思っていたらミスリルとは…………」
と考え込んだ
そして「あ!ボクは今 イギリスにいるじゃない!
ゴンちゃん、オーディン呼んで来て!」と告げた
ゴンは「あの人簡単に来てくれるか?解らない頑固親父ですがな!あ~メンドイわ〜」とボヤきつつ即座に姿を消した
そして次の瞬間 オーディンを連れて姿を現した
オーディンは「烈!何用でイギリスにおるのじゃ?」と問い掛けた
烈はヨニーの不正があり、セキュリティは万全なのに入られた経緯を話した
そしてこの地を精霊に守護して貰おうと持参した妖精に聞きに行かせけど、この国のミスリルの枯渇があるので、其処までの力など今は皆無と成り果てている事を精霊が伝えて来たと話した
オーディンは苦虫噛み潰した様な顔をして
「ミスリルが濃い地など崑崙山にしか存在などせぬ!
何とか維持が出来ているのはバッキンガム宮殿のみ!彼処は聖獣もいるしHellと空間を結んでいるからミスリルに恵まれてはおるが、他はもう既に枯渇しておるわ!」
「可笑しいわね、原子の書を用いて蒼い地球(ほし)は創世記の力を復活させたのに?
ミスリルが枯渇してる?
何されてるのよ?ミスリル独占されてるんじゃないわよ!」
「ミスリルの独占………やはり話は其処へと逝くか………」
「それしかないでしょ!
あのアメリカでさえ妖精は飛んでいたわよ!
大きな公園とか球場近くの木々に妖精いたのに?
このイギリスには妖精すら飛んでないじゃない!
何されてるのよ?
変だと思いなさいよ!
妖精王はイギリスの地に、妖精の存在はほぼ不可能な状況とまで宣った!
ボクは妖精がその場を敬遠する何かがあったのか?と思ったのよ
で、イギリスに行く機会が有るならば、イギリスの地の守護精霊に聴くから!と謂うと妖精を貸してくれたのよ!
好き勝手され過ぎよ!オーディン!」
「…………儂も………正直に申すと………この地の滞在が年々キツく感じでおる………」
「神々を集めなさいよ!
ボクが地脈を詠むから、ミスリルを吸い尽くそうとしてる拠点をぶっ潰すのよ!
潰せないならば、永久封印するのみ!」
烈が言うとオーディンは晴れ晴れとした顔をして
「期限は何時までじゃ?」
「ボクもそんなに長い事の滞在は無理だから、セキュリティの強化に3日は必要となるから、それ以降にお願い出来るかしら?」
「承知した!この事は一番上の奴に話は通してもよいか?」
「いいわよ!どの道この現状を知る義務があるからね!」
「ならば、一刻も早く事を成せる様に動くとする!」と言いオーディンは姿を消した
烈は「完璧なセキュリティをどれだけ敷いたとしても、魂を乗っ取られて傀儡にされるのまでは防げないか………」と呟いた
竜馬は「それって烈でもっても何とも出来ないの?」と問い掛けた
烈は苦笑して
「何とか出来る領域じゃないからね無理よ……
ボクは全知全能の神じゃないから、其処までの力なんてありはしないわよ!
そんな凄い力あったら、ちまちま正して逝く作業なんて面倒だって力を使ってパパパッと何とかするわよ!
ボクはまだ子供だし、力もない、お金もないし貧乏な小学生だから!
ボクでは何とも出来やしないわ!」と現実を語った
リーダーならば何とかしてくれるんじゃないか!
リーダーならば、何としてでも会社を守る手段を取ってくれる!
そんな想いでいたのだ
そのリーダーで以っても何とも出来ないんじゃ、始める前から試合終了してるじゃないか………
と茫然となった
烈は「アンソニー呼んで!システムの見直しと強化やるわ!」と謂うとオリヴァーは即座にアンソニーを呼び出した
呼ばれたアンソニーはヨニー@イギリスの本社ビルの社長室に呼び出され、部屋に入ると……
その身を切り刻まれる程の重くて鋭利な空気を肌で感じて顔を引き締めた
「呼び出したのは……ひょっとしてリーダー?」
烈は身も凍る程に冷徹な瞳をアンソニーに向けて、唇の端を吊り上げて嗤っていた
「セキュリティシステムの見直しをこれからするから力を貸して欲しいのよ!
アンソニーはシステムを強化してくれるかしら?ボクは何処かにドアが作ってないか?調べつつトラップ張るから、お願いできるかしら?」
「了解!でもノートだと重すぎてデスクトップにしたいんだけど?」
「奇遇ね、ボクも移動するつもりだったわ!」
竜馬が「ならばオペレーションルームへ逝くとするか!
俺等もカヴァー出来る範囲で頑張るとする!」と立ち上がり謂う
ヨニー@イギリス本社ビルの地下深くには社員も近付けぬ部屋がある
監視・オペレーションルームと謂うのは、会社の中核を担うPCを管理するシステムの事だった
サーバー・社内IT企業の集中管理
遠隔操作・リモートアクセス(ソフトウェア・クラウド)
会議室・設備の集中コントロール(ハードウェア)等を含めた総てを管理するのが管理・オペレーションルームと謂うシステム管理のPC母体の管理室だった
そのオペレーションルームでメインのシステムの中へ入り込み、書き換えられてはないか?
チェックをするのだ
オペレーションルームに入ると、即座にデスクトップの前の椅子に座りPCを立ち上げた
其処からは地道なシステムの見直しに入った
そしてアンソニーがいる内にシステムの強化を図る
烈達は時間を忘れて必死に見直しをした
目が疲れ、アイマスクで目を冷やし、復活すると再びシステムの構築をする
やはり抜け道を作られていて、抜け道のドアを作られていたから、遮断し上書きされない為にトラップを張っていく
日が沈み、夜が明けて、また日が沈み………
ぶっ通しで作業をする
イギリスに来て三日目の夜
システムはより強固にされ完成した
メンバー達と烈とアンソニーは、やっと長丁場の仕事を終えて、一息付く為に社長室へ戻った
デリバリーを頼み軽く夕飯を食べて、温かいミルクティーを烈は飲んでいた
その時 社長室の窓にオーディンの馬車が横付けされた
オーディンは「此方の準備は万端!
さぁ始めようではないか!」と謂う
烈はプリントアウトした紙を手にすると、社長室の窓を開けてベランダに出てオーディーンの馬車に乗り込んだ
メンバー達には「ちょっと行って来るとするわね!」とコンビニにでも行く様に軽く言葉にする
メンバー達は唖然として、言葉もなかった
アンソニーは「え????何が起きてるのよ???」と訳が分からないとパニックになっていた
竜馬は「烈!マンションの方へ帰って来て!
俺等はそれまで帰国しないで待ってるから!」とやっとの思いで言葉にした
「解ったわ!そんなに時間掛からないから!
じゃ、行ってくるわね!」
烈が手を振るとオーディンの馬車は物凄い勢いで走って行った
オーディンは烈に渡された紙を見て
「この地が割り出した場か?」と尋ねた
「そうよ!」
「我等だとて神々を集結し、それなりの情報収集はしておった!
主は何でこの地と判断したのじゃ?」
「この地全体の地脈を調べ、クーたん達に調べて貰ってデーターを出して貰ったのよ
ミスリルが枯渇したと言われるイギリスの地で、ミスリルが吸い込まれる様に消えて行く場は必ずやあると、調べさせたのよ!
そこを封印させすれば、ある程度のミスリルは吸い込まれる事なく、イギリスの地全体に流れて来る筈!」
「我等の見解と一致しておるな!
ならばこの地を叩けばよいのじゃな!」
「………そうなんだけど、やっぱトラップあるわよね?」
「………そりゃとんで火に入る夏の虫………じゃからな!」
「ボク虫は嫌いだから頑張るわよ!」
「儂も虫は殺意が湧くから頑張るしかないわな!」
オーディンはガハハハっと笑い飛ばした
オーディンの馬車は淀みなく、目的地へ向かって空を駆けて行く
すると目的地近くの天空には既に、ケルト神話で有名な神々が待機していた
マナナーン・マクリール ディアン・ケヒト モリガン ルー ヌアダ
多分 その他にも有名な神々や英雄と呼ばし者がいるのであろう
解る神々だけでも相当な知名度の高い神々だった
そして、それらを取り囲むようにラグナロクの戦士が待機していた
オーディンは「我等だとて手を拱いて見過ごしていた訳では無い!
この場にいた神々は、既にどうすべきか?動いておったし、何度も何度も話し合い今後の事を考えて動いておった!
近年 妖精の存在を感じられなくなって、妖精王にも聞きに行った程じゃからな!
妖精王は『聖神に聞けば良いじゃないですか?
彼程に人の世に熟知した神はいないですから!
妖精達は彼に逢えば必ずや声を掛けます!
そして彼に出逢えば、時には相談に乗って貰う事もあると教えてくれました!
彼は妖精から相談された事は真摯に聞き入れてくれ、必ずや改善策を導き出して手助けしてくれると言います!
妖精達は、彼に相談して以来住みやすくして貰った!と感謝の言葉を聞きますから!
その聖神がイギリスでの妖精の事態を知らない筈がないじゃないですか!
イギリスの地に妖精が棲息出来ない状況等、彼は百も承知しているでしょう!
なので彼にお聞きなさい!』と申されたのじゃ!
近々 主の所まで呼びに行くしかあるまい!と思っておった所じゃよ!
じゃが呼びに行く前に主はいたからな!
このチャンスを生かさぬ訳などないのじゃよ!」
と話す
こんな短期間で此処までの神々を集結させるのは相当な下拵えをしてなくば不可能に近い、と思っていた
烈の猫達は烈のポッケから出て、配置に着いた
何故か?聖鳥 朱鷺もやって来ていた
オーディンはそれを見て
「最高の布陣じゃな!」と嗤った
烈は猫達と朱鷺が守る中、魔方陣を出した
「Ó, andar þessa heims, hlustið á orð mín.
(この地の精霊達よ!我の言葉に耳を貸すがよい!)」
烈が言うと風が神々達の周りを揺らす様に吹き荒んだ
「Við munum berjast fyrir því að fá þennan lífskraft aftur!
(この地のミスリルを取り戻す闘いをする)
Ef þú vilt ekki meiða þig, þá er betra að þú farir héðan!
(被害に遭いたくなくば、この場を去るがよい!)」
朱鷺は喉を鳴らして警戒を伝えていた
その場から精霊に寄り添う様にいた数少ない妖精が飛び立ち、その場にいた幽霊も鳥も動物も逃げ出して行く
その地の精霊は地中深くに姿を隠した
烈とオーディンと神々は、目的となる地に降り立ち、ミスリルをその場が吸い込んで逝く様を確かめた
オーディンは「ふむ!この場で間違いはないようじゃな!」と言葉にした
烈は「封印か?破壊か?…………此処の周りには住宅地はないから破壊かしら?」と思案する
神々やラグナロクの戦士は天空で、臨戦態勢を取っていた
オーディンは「破壊と申しても深さはどの位か解らぬからな……時間を掛けねばならぬ!
此処は封印して、後に調べて破壊、もしくは無効化させるしかあるまいて!」と的確な事を口にする
烈もそれに賛成して
「そうね、それがベストな選択ね!
ならば無効化はこの地の神々がやられると良いわ!長い時間を掛けて元へ戻される事を願うわ」と言葉にした
オーディンもその言葉を受け
「あぁ、それが最善となるであろう!」と言葉にした
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