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第81話 深謀遠慮 ❷
康太は「良い武器調達して貰ったんだ!
でも相手は化け物でこんなに怪我したって訳か………」と現実を犇々と感じ取って口にする
閻魔は「アレは人ではなかった………浄玻璃の鏡にその者の生前の行いすら映し出されはしなかった…………」と現実を告げた
榊原は「え!人ですらなかったのですか……ならば何なんです?其奴等は??」と誰にともなく問い掛けた
「それを踏まえて、近い内に地獄界や各国の要人を交えて会議を開くつもりです!
この様な案件が世界各国で多発しているらしいので、情報共有は必然となります!」
「そりゃそうなるわな………対話出来る国とは情報共有しとかねぇと気付けばガワだけ乗っ取られて中身スカスカにされて入れ替わっちまうからな!」
一生は「え?それってパンどろぼうの話か?」と問い掛けた
「違う!世界を揺るがす話をしている!」
「てもガワだけとか、響と奏と一希やレイ達が好きなキャラクターやんか!」
「………あ~アレもガワだけにして、中身スカスカにして成りすます話やったな
しかもそのガワ着てる話やな……
でも此れは真面目な世界転覆の話だ!
国を乗っ取り好き勝手にしやがってる奴等の話だ!想えばサザンドゥークとか近隣諸国も中身スカスカにして中身乗っ取りしやがってたな……
やってる事昔と変わらねぇのに、規模は世界を揺るがしてやがるからタチ悪いな!」
閻魔はチャッカリ「炎帝達も当然 その会議には参加して下さいね!」と便乗して謂う
「まぁ出ろと言われれば出るさ
ん?魔界で開く気なのかよ?」
「その為の青龍の地ですから!」
にこやかに言われれば言葉なんてない
一生は全員に寝間着に着替えさせると
「此処に来るまでに久遠と逢って話をした!
素盞嗚殿以外は2、3日で退院して良いらしいって事だ!素盞嗚殿は傷付き過ぎてるからな……」
建御雷神が「烈を抱き締めていた分、その身には怪我を負ったのじゃよ!」と孫を想い身を挺した事を話した
トキが鳴きながら素盞嗚の傍にいた
一生はトキの傍へ行くと
「静かに寝かせてやらねぇと駄目だぞ!」と優しくトキを撫でて言った
トキは涙と鼻水でベタベタの顔を上げて
「赤いのぉ〜死んじゃわない?」と問い掛けた
「素盞嗚殿が倅と孫を遺して死ぬ訳ねぇやんか!
見張ってねぇと破天荒な奴等は何するか解らねぇからな!」
「うんぁ〜ん 赤いのぉ!」
トキは泣いた
ずっと我慢していたのだ
「ほらほら、見舞いには俺か慎一が連れて来るから帰るぞ!」
トキはコクっと頷いた
康太は「なら帰るか!親父殿達は帰られる時に宴会開いてやんよ!だから寝てろよ!」と言うと建御雷神は「ならば治る様に寝ておるわ!」と言った
一生は「閻魔殿、ジャジャ姫様の子守は大変故、一日も早く怪我を治され帰らねぇと家がボロボロになるぞ!」と笑って言った
康太は「ジャジャ姫?それ誰よ?」と問い掛けた
「喜欢様に決まってるじゃないか?」
「次代の女神がジャジャ姫なのか?」
「らしいな、この前育児疲れでボロボロな豊乃姫が菩提寺に泊まりに来ていたからな!」
「え?オレ逢ってねぇぞ?」
「夏海が子守手伝うわ!と申し出てくれて、週末には来てるぜ!
烈が怒れば二度とやらねぇからな、烈が良く怒ってるぞ!」
「週末はチビッコは午前中の鍛錬だからな
お迎えは誰かが行ってるから会わねぇ訳だわ!」
「兎に角元気で少し怠惰なお姫様で、念動力で何でもかんでも移動させて、持って来ちまうのさ!
邪魔な壁なんかはぶち破り呼び寄せるから、もぉ大変でな
烈が地を這う様な声で「お尻ペンペンするからね!」と何時も怒ってるぞ
俺はそれを見て、される方からする方にシフトチェンジしやがってるわ!と笑っちまったな!」
「すげぇ強い力持ってるじゃねぇかよ?
念じるだけでモノ呼び寄せれるのか?
そんな力 母ちゃんにあったかな?」
閻魔が「母上ならば楽勝でやれますが、烈が怒るので最近はやりませんよ………」と謂う
建御雷神が笑って「我が妻は最強であるからな!でも怠惰よ!あまちゃん!と怒るからな
孫が真似しちゃってるじゃない!と最近は良く言われて苦笑しておるわ!」と話す
康太は「あ~母ちゃんは究極の面倒臭がりだったわ………外を歩くのも面倒だと瞬間移動しやがってたわ!」と思い出し笑う
榊原はそこは笑えません………と心の中で思った
取り敢えず見舞いを終えて飛鳥井に帰る
康太は竜馬に「夕飯まで寝て来いよ!」と謂うと、竜馬は部屋へと向った
家族には烈が入院した事は伝えなかった
一生がコッソリと慎一に伝え、慎一と一生で烈の付き添いをし、猫達が帰って来たならばお弁当を持って行っく算段を付けていた
入院三日目 建御雷神と閻魔と弥勒は退院した
飛鳥井の家で宴会した翌日から、閻魔と建御雷神は少し菩提寺に留まり鍛錬をする事にした
まだまだ歯が立たなかった現実に……鍛錬を積み重ねねばならないと思ったのだ
そして師範代の陣内に自分に合ってて、実力を出せる武器も相談した
取り敢えず一通りやってみて、どんなモノが合ってるか?調べていくと言われ、実践の日々を積み重ねる事にした
豊乃姫も我が子を連れて人の世に来ていて、菩提寺の皆の手を借りて少しの間、人の世でお世話になる事にした
豊乃姫は毎日バスに乗り飛鳥井記念病院へ行き、烈を見舞った
烈は一週間、眠ったままで起きる事はなかった
素盞嗚尊は烈が起きる前に退院して、菩提寺で鍛錬の日々を送っていた
烈は一週間後 目を醒ましたが、脇腹の傷が中々引っ付かず退院の目処は立ってはいなかった
リハビリをして体力回復訓練を受けつつ、竜馬達と五社共同プロダクションの書類に目を通す
今回はクー達は烈の元に戻るのに時間が掛かっていた
元々の身体が何度も負う怪我に耐えられなくなり、劣化していたからだ
この機会に、と、クー達は補強されもっと色々な機能を付けて戻って来た
その時 クー達とは毛色の違う、焦げ茶色のアフガンハウンド並みの大きな犬サイズの【猫】が着いて来ていた
病院に来るとクーは
「烈、今回の件を踏まえて、創造神が戦闘力を高めてお前の護衛として、渡して来た奴だ!」と紹介した
「え!大きくない?」
烈はその大きな身体に驚いていた
サイズで言えばアフガンハウンドバリの大きさ………
嫌 其れよりも大きいかしら?
二足歩行ならば父ぉーさん位はあるかしら?
しかも骨太で結構なガタイとなっていた
「創造神が色々と多機能な奴にしようとしたらデカくなったそうだ!」
「あら?そうなのね!ならゴンちゃんね!宜しくね!」
ゴンちゃんと言われたアフガンハウンドバリの犬サイズの猫は「それって俺の名前か?」と問い掛けた
「そうよ?ゴン、嫌なら他を考えるわ!」
「嫌 良い!名前………俺も名前が着いたんだ!」と厳ついのに嬉しそうに笑って言った
「クーたん、ルー スー身体は大丈夫なの?
ゴメンね傷つけちゃって………」
ルーは「嫌、其れが俺等の役目だから大丈夫だ!」と答えた
「そんな役目なんてないわよ!
傷付いて良い事なんてないんだからね!」
「烈………俺等こそ護らねばならないお前を傷付けさせた………」
「アレはねトキたんが最初は………とんでもない呪文を唱えようとしたから慌てたのよ!
そしたら一瞬の隙を突かれただけの事よ!
クーたんやルー スーの所為じゃないわよ!」
スーは「烈が血塗れやったから、めちゃくそ焦ったやんか!」と泣きながら謂う
烈はクー ルー スー そしてゴンちゃんの頭を撫でてやった
人の温もりが心を温かくして行く
こんな想いは初めてだった
「トキたんは?帰ったの?」
と烈は問い掛けた
クーが「素盞嗚殿がまだ消毒が必要だから、飛鳥井にいるんじゃねぇかと思うぞ!」と答えた
「飛鳥井の家族見えるかしら?トキたん……」
「炎帝と共にいるならば見えるだろ?」
「ボクもそろそろ退院しないとヤバいわね!
4月も大分来ちゃってるじゃないのよ!
GW何処にも行けなくなっちゃうじゃないのよ!」
ルーが「沖縄だろ?竜馬とお前の兄達が段取りしてくれてるだろ?」と謂う
「そうだと良いわね!」と呟き
烈は竜馬に「沖縄の件どうなった?」とラインした
竜馬は『バッチリ手筈は整えたよ!
喜屋武さんも受け入れは万端と待ち遠しいと言ってるよ!』と返って来た
「ならチケット買っておいてね!
ボクはにーに達とちっこいのの分ね!」
『其れも既に手配してチケットは来てるっす!
康太さん達にもチケット頼まれて家族の分のチケットも確保済みっす!』
「四方ちゃんと君ちゃんには説明しないとね!」
『それも終わってるっす!
烈の兄さん達が説明会を開いて、チケットは自腹で会費は昨今の値上げ情勢を踏まえて1週間分の食費を計算して三万円に設定して取ってたっす!
なので皆もチケットを確保してあると思うっす!』
「ならボクは退院するだけね!」
『脇腹の傷中々治らないっすから………プールもキツいかもだよね?烈は………』
「まぁ泳げなくてもGWをベッドの上で終わりなんて嫌だもの!
後 沖縄の至る所の映像も撮りたいしね!」
『其れはオリヴァーが頑張ってくれると思うっす!』
「オリヴァー来ちゃ駄目じゃない!
会社は?どうするのよ?」
『ロード・ペンバードン教授お墨付きの経営のプロを配置して貰ったので、一週間なら休めるとホクホクで来るつもりだよ!』
「身元は大丈夫なの?
ロードが紹介したと言っても、油断したら会社乗っ取られるわよ!」
『え?そんな事はないと想うよ?』
「ならさ、今すぐイギリスに行き不穏な空気ないか?GW前までに確かめに行きなさいよ!」
『え………烈、何か掴んでるの?』
「ボクの駒はイギリスにもいるの忘れたら駄目よ!」
『直ぐにチケット取ってイギリスに行くよ!』
そう言いラインを終えた
烈はPCの画面を見つめ
「決算の下方修正入れないとダメージ凄いの見て何故に全面的に信用するかな?」とボヤいた
そしてロードにもラインを入れ
「ヨニーに変な人材紹介しないでくれない?
会社を食い潰されたら堪らないわよ!」と文句のラインを入れた
そしてPDFファイルを貼付しておいた
これでロードも動くだろう
「イギリスの根回しは此れで完了ね!
後は会社ね、少し変な動きしてる現場あるから調べないとね!」
と人を配置する
常に誰かの目を配置して不正は絶対に許さない姿勢を貫いて行く
母の元にも少し変な動きしてる現場の資料をPDFファイルで貼付して送信
此れを見るならば母は即座に動くだろう!と踏み送って行く
寝ていても、意識があるならば目を光らせて置かねばならない
烈は社内報にも
【心に何時も己の信念を忘れず抱かれる様に!
自分は間違ってないか?
誰が見てなくともお天道様は必ずや見ている事を忘れてはならない
世道人心 天理人道
正しき道を逝かれる事を願う!
わが社の信念は常に正しき道を逝く事のみ
疎にして漏らさず、総ては正される事となる
飛鳥井 宗右衛門 】
とわざわざ全て太文字で告知を出した
「さてと、退院しようかしら?
悠長に寝てなんかいられないわ!」
クーは「おい!退院許可出てないって!」と慌てた
「やる事は一杯あるのよ!」
パジャマを脱ごうとするのをクーは止めて目配せをする
ルーとスーはゴンを捕まえてコソコソ話をした
その頃 会社では、突然の宗右衛門の告知にざわめいていた
昼休みになると社員食堂では話題となった
愛染 瀬能 城田は突然の社内報に
「何かあったのかな?」と話題に上がっていた
瀬能は「不正かな?だから人道とか入れてあるんだろうな…」と不安気に言葉にした
城田は「確信と証拠は掴んでるからこその言葉と見たな!」と波乱の空気を感じていた
愛染も「宗右衛門は動かれる気だろうな………
最近顔を見られないし、お茶も誘われねぇ!と姉ちゃんは寂しがってたからな………白馬から戻られてないのかな?」と寂しそうに謂う
其処へ昼休憩の康太と榊原が来たから、三人は二人を座らせ
「日替わり定食奢るので話をさせて下さい!」と告げた
日替わり定食を頼み、康太と榊原の前に定食のトレーを置き
「社内報が出たのに烈は?
どうしていないのですか?」と問い掛けた
康太は目的の定食じゃないが、有り難く食べ始め
「入院してるから来られねぇんだよ!」と答えた
「え?入院?白馬での傷が悪化したのですか?」
「嫌 新しく脇腹ぶっ刺されて入院してる」
三人は言葉もなく青褪めた
瀬能は「入院してるのに社内報出して揺さぶりかけてるのですか?」とやっとの思いで言葉にした
康太は「其れが宗右衛門が役務だから仕方ねぇだろ!」と一蹴した
其処へ焦げ茶色の体をした、アフガンハウンドバリの大きな犬サイズの猫が姿を現し
「烈が退院しなきゃ!と我が儘言ってクー達を困らせてるんだよ、何とかしてくれ!」と言って来た
康太は「お前は?新しいのかよ?」と問い掛けた
「俺はゴン、烈の護衛猫だ!」
「また大きいの来やがったな!
解った!烈を大人しくさせてやんよ!
其れよりも飯食って行けよ!
城田、この猫に定食奢ってくれねぇか?
この猫は烈の猫だからな!」
「解りました!では定食を買ってきます!」
そう言い城田は食券を購入して、定食を頼みに行った
ゴンは瞳を輝かせ「良いのか?」と謂う
「良いに決まってるやんか! 」
「嬉しいな!」
好みが解らないから、猫が大好きそうな唐揚げ定食を頼んだ
ワクワク嬉しそうにトレーが来るのを待つアフガンハウンドバリのサイズの猫
城田がゴンの前に定食を置いてやった
康太は烈に電話して
「おい、ゴンが来てるぞ!
退院するって困らせてるんだって?」
『え?母ぁーさん??え??ゴンちゃん?
あら、いないじゃない!』
「兎に角 久遠が許可するまでは入院してろ!
沖縄に行きてぇなら大人しく治るの待て!
でねぇと父さん派遣してお尻ペンペンさせっぞ!」
『其れは嫌なのよ!でも沖縄の……』
「全部翔達と竜馬が動いて予約取ってるし、多分お前が連れて逝く予定の奴等には【沖縄旅行のしおり】作って説明会をやったから大丈夫だ!」
『また………にーに達に面倒掛けたわね………』
「面倒だなんて思っちゃいねぇよ!
お前の為に兄達は動くのは当たり前だと思ってるかんな!
だから早く脇腹の傷を治せ!
動いて開くなんてしてたら飛行機にも乗れねぇぞ
GWベッドの上でなんて嫌なら大人しくしてろ!」
『解ったわ!ゴンちゃんに何か食べさせておいて!多分ゴンちゃんは直ぐ来てそっちに行ったから!』
「定食を城田が奢ってくれてる!
其れよりも、あのPDFファイルで動いて良いのか?お前が来るまで待つならば、GWの後にするけど?」
『GW後だと休暇中に配線全部転売されちゃうわよ!』
「了解!ならば退院した貴史動かして警察に動いて貰うとするよ!」
『お願いね!母ぁーさん!』
「おー!お前は大人しくしてろ!」
そう言い康太は電話を切ると
「貴史呼び出してお仕事だぞ!社長ぉ〜!」と発破をかけた
「康太、その社長呼びは止めてくれませんか?
うちの子達何か悪いの食べたのか?
甘い声で【社長ぉ〜凄い!】とか言って来て気味が悪いんですから!」
榊原が言うと城田が
「其れって夢グループの通販でも観てるんですかね?あのCMの女優さんの喋り方がまさにそれですから!」と笑って言った
康太は「あ~母ちゃんが通販サイト良く見るわ!」とボヤいた
愛染が「玲香さんは時代劇でしょう?」と意外だと言葉にする
「母ちゃんは今 色んなの見てるぞ!
孫が沢山いるやんか、我が家は!
だからディスティニープラスとか色んなチャンネル見てるぞ!
最近は通販番組も楽しいと見てたな!」
瀬能は「通販番組かぁ~俺は見た事ないな………
でもその喋り方してる人、バイオハザードのCMに出てたのは見たかな?
ゾンビ来てるのに「凄ぃ〜!凄ぃー!」と言ってたヤツかな?
アンブレラヌードルのご紹介で〜す!とか言い食べてたの見たな
ゲームに疲れたら恐怖の悪夢セットを使ってよりゲームを楽しんで下さいってCM!
それがぶら下がり健康器で爆笑したヤツかな?」と謂う
康太は「それ、烈が通販見てて買おうとしてて聡一郎が『止めとくんだ!烈!お前にはまだ夢グループは早い!』って言ってたヤツだよな?」と爆笑した
榊原は「烈は義母さんの影響受けてますからね!」とボヤくと背後から
「それは悪かったわいなぁ〜伊織!」と声がして榊原は振り返った
すると玲香と瑛太と清隆がトレーを持って立っていた
榊原は「義母さん、夢グループの通販見てたんですか?」と問い掛けた
「あ~何時もは見ておらぬわ!
最近は時代劇も減ったからな、観るモノが減ったからな!
たまに見たりするのじゃよ!」
康太は「そう言えば母ちゃんは海外の通販番組も見てたよな?
響と奏がモップ手にして「ヘイ!ジョージ!今日のこの商品は何と!」とか言って兄達に「早く掃除しなよ!」と怒られてたな!」と爆笑していた
玲香は少しだけバツの悪い顔をして
「孫はどの子も可愛いからついつい一緒に見てしまうからのぉ〜」と謂う
康太は「まぁ良いやんか!其れよりも沖縄だな!」と話を変えた
瑛太は「烈はまだ白馬から帰れませんか?」と問い掛けた
愛染達は家族にも内緒だったのかと思った
康太は「烈はまぁなんだ、今は入院してる!」と話した
清隆は「え!初耳です!何時から入院してるのですか!」と問い掛けた
「一週間位前か?」
「包帯巻いたのがゴロゴロ来て宴会した頃ですか?」
「その前だな!」
「聞いてませんよ?」
「まぁちょっと前まで寝てたからな
面会しても寝てるから黙っていた!」
何という言い草!!
瑛太は「其れよりもこのアフガンハウンドバリの大きさの子は?誰なのか紹介して下さい!」と謂う
「あ~オレもさっき会ったばかりの烈の猫だ!
何でも退院するって言い張ってる烈を止めてくれと来た猫だ!」
「名前は?」
「…………ゴン……だって……」
んとに彼奴のネーミングセンスのなさは………
瑛太は「ゴン、宜しく烈の家族です!」と謂う
ゴンは礼儀正しく立ち上がると
「ゴンです!宜しくお願いします!」と言った
玲香は「あぁ、慎一には弁当4個差し入れ必要じゃと頼んておかねばならぬな!」と呟いた
烈は入院食が出るが、猫達はそうはいかないから………お弁当の差し入れが必要なのだ
今までは何を食べていたかは?知らないけど、増えたのならばご飯は食べさせなければ……と思った
榊原は「まぁ一人増えようが……財布が痛手になろうが………お小遣いは出しますとも!」とヤケクソに言った
玲香は「猫達の分は我が支払おうか?」と謂うと清隆も「私も支払いますよ!我が家の家族ですから!増えても払いますとも!」と謂う
清隆は「しかし大きい子だね!」と謂う
ゴンは「何か色々と機能を着けたら縮小出来なくて、このサイズになったと言ってた!」と謂う
誰が言ってたのか?聞くのも畏れ多くて聞けなかった
城田は「見舞いに行っても大丈夫ですか?」と問い掛けた
榊原は「起きてるなら構いません!」と答えた
三人は帰りに見舞いに行こうと決めた
ゴンは「なら俺はこの辺で帰ります!」と言い食堂を出て行った
榊原は「しかしデカい猫ですね!
だけどあんだけ大きければ犬でも良かったのではないですか?
猫にする拘りが凄いです!」とボヤいた
「烈は猫も犬も好きだけどな、クーを大切にしてるから、あの系統を選ぶんだろ?」
「クーもですけど、ルーもスーもプーも大切な我が家の家族ですからね!
ゴンも加わり賑やかになりますね!
まぁ兄達はブラッシング大変そうですけど………」
「プーミーいるからな………」
康太がボヤくと愛染が「プーミー、犬種のプーミーですか?」と問い掛けた
「あ~内緒な!烈の犬だから!」
「モップみたいな犬なんですよね?」
「あぁモサモサだぞ!
烈は俳優の花山院楓雅に5匹の子犬を託されてるからな!」
「え!あの花山院楓雅!!
何故に?どんな付き合いですか!」
「彼奴は色んな奴と付き合い有るからな!
まぁ其奴の事務所の社長と知り合いなんだよ!」
あぁXmasのイベントの時に一緒に仕事していたっけ?と思い出す
楽しく話してると昼も終わり、榊原と康太は仕事へと戻った
城田達も仕事をしに職場へと戻った
個室に戻ったゴンは「上手く両親の所へ行けたわ!」と報告した
ゴンは初めてのお使い(瞬間移動)だった
マップを頭に叩き込んて飛鳥井建設へ飛び、烈の両親の気配を探って食堂まで向かったのだった
烈は「ゴンちゃん 母ぁーさんにチクるとかないわよ!」とボヤいた
クーが「退院しようとしたお前が一番悪い!」と一蹴した
「アロンアルファで引っ付かないかしら?」とボヤいてると久遠が入って来て
「本当に引っ付けてやろうか?」と脅した
烈は「先生ぇー 沖縄行きたいのよボク!」と頼んだ
「親父と母さん達も行くんだって?」
「そうよ!志津ちゃんも沖縄行くのよ!
今回は少し少なくて少数精鋭で行くのよ!」
「其れでも何十人の大移動だろ?」
「仕方ないのよ、飛鳥井だけでかなりの数だもん!
先生ぇーも行く?交通費と食費で沖縄旅行楽しめるわよ!」
「急患あるからな無理かな?」
「当直の医者に入院患者見させといて、急患は取らずにおけばGW位休めるわよ!
そもそも飛鳥井記念病院はそこそこの病院で、救急指定病院じゃないのよ!」
「だけどな昨今の受け入れ態勢のなさに、要請が有れば受け入れるしかねぇと思うからな!」
「其れでも貴方は家族もいると分かりなさいよ!
家族との思い出も作らない義泰みたくならないでね!不幸の連鎖は断ち切らなきゃ……」
「なら紅緒と話してみるとするわ!」
「そうね、まぁGWが無理ならば夏季休暇を取れる様に根回しは必要かもね!」
「だな、其れよりも烈、GW前には退院させてやる………けどまだ頭の傷も完治してねぇし、親父には消毒頼んどくよ!
俺が行けるならば俺がやる事にする
そうだな、家族ともの思い出………沢山作らねぇと結婚した意味もなくなるし、もぉ大きくなったけど拓美と拓人との思い出なんてそんなにねぇからな……あんな風になったのは俺の所為でもある
これからは時間を作って思い出作るさ!」
「そうよ!それで良いのよ!
仕事の責任もあるけど、家族を犠牲にしてまで続ける必要なんてないのよ!」
本当にその通りである
その頃 康太は兵藤を呼び寄せ社長室で烈の送り付けたPDFファイルを開いて見ていた
榊原は「配線の横流しですか?建設中のビルの配線もチェックした方が良いですね!
手抜きした所はないか?
配線ない部分もあったりしませんかね?
倉庫には幾つも防犯カメラは付いてるし、目に見えない所にもあるし、ダミーもあるから横向けたり隠したりしてもバッチリ写ってますからね!」と呆れて言葉にした
呼び出された兵藤は資料を見て、警視総監をしている叔父に話を持って行く事を決めた
どう見ても組織的な匂いがするのだ
飛鳥井だけが被害を受けている訳じゃなさそうだ
犯人まで明らかにして、配線を買い取った業者のファイルまで揃えてあった
康太と榊原は碧威に後の事を頼み、警察へ出向くことにした
放っておいたら、打って出ようとしても取り返しのつかない事態を巻き起こす事になりかねないからだ!
榊原と康太はPDFファイルを印刷したのを書類に纏め、兵藤と共に警察へと出向いた
烈は城田と栗田と九頭龍にPDFファイルを送信して、とことん建設中のビルを調べる様に指示を出した
栗田は即座に棟梁の所へと出向き、調べて貰う事にした
城田は九頭龍と共にチェックしに向かった
廃墟とか空き家とか、配線泥棒は後を絶たない
単価が値落ちしないから狙われるのだろうが、倉庫のを横流しされたら会社としても黙ってはいられはしないのだ
康太は三宅建設 南雲建設 駿河建設へ、このPDFファイルを添付して
「貴殿の会社も今一度調べては如何ですか?
組織的な匂いがするので、チェックは欠かさないで下さい!」と送信した
宮瀬那智からは『有り難う御座います!今一度調べてみます!』と返信があった
南雲建設も『おー!即座に調べます!』と返信があった
駿河建設と謂うのは最近 烈の駒が建設会社を引き継いで社長になった会社だった
業務提携を宮瀬・南雲・駿河と結び、仕事をして行くと宗右衛門が決めたのだった
駿河建設の社長 信川徹也は
『我が社もまさに被害に遭ってる最中で警察に行くつもりです!』と返信があった
康太は「オレ等も警察に行くんだよ!根回ししといてやるから、お前が被害届出す時にスムーズに捜査へ移行できる様にしといてやんよ!」と根回しはしてやると話す
『え!良いんですか?ならば此れから証拠を整えて、夕方にでも証拠を手にして警察署へ被害届を出します!』
「そうしろ!オレ等は此れから警察署へ行って被害届出して来るからな!
使えるコネは使いまくりで根回しして来るとする!」
『はい!今後も宜しくお願いします!
それと、烈は最近全然連絡ないので、連絡してくれる様に言っといて下さい!』
「あ~、話しといてやんよ!」
そう言い電話を切り駐車場へと向かう
榊原は「其れでは行きますか!」と言い榊原は車を走らせ警視庁本部庁舎まで向かった
「根こそぎ潰すかんな!」
康太は久々に血が滾って燃えまくっていた
兵藤は康太がこうなったら止まらないのを覚悟して嫌な顔をしていた
警察を動かす
それは大変な事なのだ
重い腰を動かすには犯罪の証拠が最後にはモノを謂うのた
康太の携帯に突然電話があり
「え?何だろ?」と言い電話に出ると
『よぉ真贋、絶対に警察も動き出すだろう証拠持って行ってやるよ!』と有栖院暦也から電話があった
「そりゃ助かるわ!」
『なら待ってろ!』
「オレが何処にいるか?解るのかよ?」
『警視庁本部庁舎だろ?
受け付けに俺の来訪を伝えといてくれ!』
そう言い電話を切った
警視庁本部庁舎に到着して受け付けでアポを取ってる事を伝えた
受け付けの警官が「案内の職員が参りますので暫くお待ち下さい!」と謂う
「後でもう一人来るから、そしたら連れて来てくれよ!」と頼んでおいた
「承知致しました!」
暫く待つと何か偉そうな警察官がやって来て
「此方へどうぞ!」と案内された
応接室に通され警視総監がやって来ると、康太と榊原は資料を出して説明した
兵藤も「宮瀬・南雲・駿河建設でも今調べていると謂うので、組織的犯罪かと?」と付け加えた
暫くすると受け付けから
『お連れ様がお越しです!』と連絡が入り警視総監は直ちに部下を迎えに行かせた
暫くして暦也は二人の男を連れてやって来た
一人は警官、もう一人は年若い奴だった
「現行犯逮捕したのを連れて来てやったぞ!」
暦也はそう言い皮肉に嗤った
証拠と現行犯逮捕された男と、逮捕した警官を連れて来たのだ
警視総監は「有栖院暦也………まさか……何故貴方が?」と問い掛けた
「俺か?俺はARЯK警備保障の社長してる!
俺は、オーナーの頼みならば何処だって行くと決めてるんだよ!んな事より現行犯逮捕だ
この男をキッカケに組織犯罪の解明でもして被害者の救済をしてやれよ!」
と言い、犯人と警官を引き渡して帰って行った
嵐のような男の介入に、警視総監は
「嵐のような方ですね!
何故に彼が?」と問い掛けた
「ARЯK警備保障は飛鳥井烈と三木竜馬がオーナーを務める会社だからな
彼奴は宗右衛門の為ならば、己の命を賭したとしても役務は完遂する奴なんだよ!」
「宗右衛門の息の掛かった方なのですね
其れよりも宗右衛門を無傷で返す事が出来ずに申し訳ないと思っています!」
「まぁそれは良い!
其れよりも現行犯って事は事情聴取だよな?
うし!まずは人か傀儡か?見分けてやんよ!」と言い時空からレイが貯蔵している水を取り出して飲ませた
すると黒み涙を流し始めた
康太は烈に電話をした
烈が『はい!何ですか?母ぁーさん?』と問い掛けた
「ゴンとルーをオレの元に送ってくれよ!」
『ルー、ゴンちゃん 母ぁーさんの所へ飛びなさい!』と謂うと二匹は姿を消した
ゴンはまだ難しくてもルーが一緒ならば瞬間移動出来るだろうと踏んだのだ
「うし!来たから切るとする!
おめぇは大人しく寝てろよ!」
『解ってるわ!』
そう言い電話を切ると康太はゴンとルーに
「此奴は傀儡か?漆黒のコピーか?解るか?」と問い掛けた
ゴンは言われたヤツを凝視した
「素材は人間、でも脳は別のが載せ替えられ、身体も色々な機能が付いてる
その際たるが自爆!精度を上げてこのビルの部屋位ならば吹き飛ぶだろうな!」
康太は顔色を変えて
「それは確かなのか?」
「俺は幾つかの機能が付けられた存在だからな
傀儡と人の違いならば、この【眼】で解る!
そして其奴が今 自爆しそうなのも解るから窓を開けてくれ!」
「此処は警察署だから窓は開かねぇよ!」
「そうか、でも仕方ないよな?
死ぬよりは、吹き飛んだ方がまだマシだよな?」
康太は「だな、それは仕方がねぇな!」と謂うと
ゴンは窓へと其奴を突き飛ばし自分達の前には障壁を張り巡らせた
男は自爆した
意図も容易くその命を賭けて自爆する道を選んだ
何も話さない道を選んだのだ
謂わば口封じ
警視総監は唖然として、その光景を見ているだけしか出来なかった………
異変に気付いた警官達が慌てて部屋に入って来てた
「何がありましたか?総監!」
総監は「自爆したのですよ……犯人が………」と伝えた
肉片と血溜まりの残骸を見て即座に理解した者達は、警視総監を別室に案内して、他の者達は直ちに会議室へ移動させた
自爆した部屋は特殊清掃を呼んで、肉片を一纏めにさせた後に清掃をした
窓は特殊強化ガラスでヒビは入っていたが、破れてはいなかった
会議室へ移動された康太と榊原と兵藤は、事情聴取をされて資料を渡して
警視総監に「直ちに裏付けを取り組織犯罪に関わった者達を逮捕します!」と約束してくれた
話が着くと、康太は榊原と兵藤とゴンとルーと共にその場を後にした
康太は帰りの車に乗り
「ミンチか………当分ハンバーグは食いたくねぇな!何か気分悪いから家に帰り、取り敢えず風呂に入るとるか!」と言った
兵藤は障壁の外にいたゴンをウェットティッシュで拭いてやって
「家に帰ったら風呂に入れてやるからな!」と言った
取り敢えず飛鳥井の家へ帰り、康太と榊原は部屋へ行き風呂に入り、兵藤はお風呂場に行きルーとゴンを風呂に入れた
風呂に入ってると烈の兄達が、お風呂場を覗いた
もしかして烈が入ってるの?と思い覗いたのだった
流生は「あれ?兵藤君、こんな時間にお風呂とは珍しいわね!」と話し掛けた
「あぁ烈の猫が血で汚れたから風呂に入ってるんだよ!」と謂う
翔は「え!その子は烈の猫なんですか?
初めて目にします!名前は?何というんですか?」と質問攻めにした
ゴンは「俺は烈の護衛猫のゴンだ!今日、やって来て何か酷使されてる感じだな!」とボヤいた
ルーも風呂に入り「其奴は今日、俺達と共に来た奴だ!今後は飛鳥井で烈の護衛に当たる事になる!」と説明した
兄達も服を脱いでお風呂に入るとゴンとルーの体を洗ってやった
ついでに兵藤の背中も洗ってやる
「烈は忙しいのかしら?」と流生は呟いた
ルーは「…………烈は今入院してる!」と話した
音弥は「え!嘘!聞いてない!」と叫んだ
翔は「敵を用心しましたか?」と、家族に知らせない状況を考えて言葉にした
兵藤は「違う、今朝方まで寝てたからな!
敢えて康太は言わなかったんだろ?」と告げた
大空は「そう言えば兵藤君も、あっちこっち怪我してるよね?」と問い掛けた
「あ~一緒にいたからな!」
太陽は「烈は何処を怪我したの?」と問い掛けた
「脇腹貫通したのと、あっちこっち怪我があるんだよ!彼奴まだ土石流の時の怪我も治ってねぇからな!もっと遡れば正義を庇った時の怪我も完治はしてねぇ!」
「何をしに行ったの?烈は………」
「春になり暖かくなったからウヨウヨ出て来た奴等を駆除しに行ったんだよ!」
「…………それはGのお話?」
「違う!宗教団体を隠れ蓑にして、殺戮に特化した奴等を駆除しに行ったんだよ!
下手したら、その内お前達の前にも現れて……息の根留められ兼ねねぇかな………
敵は少しでも少ない方が良い!との理由で、倭の国の宗教団体と魔界の猛者とで闘いに行ったんだよ!まぁ相手は人であって人でねぇ化け物で、俺らはかなりの痛手を負った
怪我人もボロボロ出したし、その最たるが烈と素盞嗚殿だ!」
ゴンは「俺は烈の傍にはいなかったが、何時も銀河系の宇宙から烈は見ていた
仲間や家族の為に必死になり生きている………そんな彼奴の傍に行けて俺は嬉しかった!」と来たばかりだが、ずっと見ていた日々を語った
流生は「ゴンちゃんは大きいわね!」と綺麗に洗ってやり泡を流して湯船に入れてやる
兵藤は「病院へ行くなら報告兼ねて俺も行くから、お前等も行くか?」と問い掛けた
「ん………止めとく………烈が僕達を守ってくれているならば、烈からラインあるまで行かないでおくよ!」と答えた
「んまぁどの道、GW前には退院して来るだろ?」
「だね、GWだもんね!」
兄達はニコッと微笑み頷いた
兵藤は風呂から上がるとゴンとルーを連れて病院へと向かった
病室には誰か来てたのか?
果物の籠がベッド横のテーブルに置かれていた
「誰か来てのかよ?」と兵藤が聞くと
「愛ちゃんと瀬能ちゃんとしろたんが来てくれていたのよ!」と答えた
兵藤は烈に警察署での一部始終を話した
烈は無言でそれを聞いていた
そして「裏高野に似た宗教団体は氷山の一角でしかない!と謂う事ね
自爆要員はゴロゴロいるんだせ!的なデモンストレーションは大成功ね!」
「アレは脅しの材料だと言うのか?」
「でしょうね!
と謂う事は竜ゅー馬達は危ないわね
クリスに助けを求めとかなきゃ!」
と言い烈はクリストファー・オブライエンに直接電話してワンコールで出たクリストファーに自爆する刺客対策を頼むわね!と言った
倭の国では目の前で自爆した奴がいるから!と頼むとクリストファーは即座に動くと約束してくれた
兵藤は「竜馬達はイギリスかよ?」と問い掛けた
「まんまと誘き出されちゃったわ………
このタイミングってのを考えなきゃいけなかったわね!」
「何時 イギリスへ行かせたのよ?」
「母ぁーさん達にPDFファイル送る前!」
「ならば預言者じゃあるまいし、解る訳ねぇやんか!」
「そうなんだけどね
でもよく考えれば、餌撒かれてるって気づかなきゃならなかったわ!」
「んなん、康太の様な眼を持ってねぇ限り解る訳ねぇやんか!
でも、んなの、要らねぇって彼奴なら言うぜ!」
兵藤は烈の頭を撫でてやった
烈は「ゴンちゃんとルーたん、怪我はない?」と問い掛けた
ゴンは「汚れたけど綺麗に洗って貰ったんだよ!」と嬉しそうに言う
烈は笑って
「ねぇ兵藤きゅん!」
「おー何だ?」
「ボクさ体貫通してたじゃない!
お水飲むとピューピューとお水 出たのかしら?」
「……………それはねぇな!出るのは血だけだ!」
「そうなのね、折角貫通したのに楽しみもないのね!」
「楽しみなんてなくて良いって!」
「其れよりも、結婚式の準備は万端かしら?」
「おー何度か衣装合わせに行き、式場のスタッフと式のスケジュールに合わせて予行演習したりしている!
しかし……あのドレスすげぇのな?」
「ええ、二千万位するからね!」
「え!ドレスで二千万なのか?
式の費用とかじゃねぇのかよ?」
「ドレスのみの費用よ!
あのドレスは第一王女が式を挙げられた時のドレスでね!
リメイクして娘の為に渡されたのよ!」
「そんなの家に保管していたら泥棒に入られねぇか?」
「兵藤きゅんちに泥棒は入れないわよ!
ドアや窓に勝手に触れたらセキュリティ作動するし、犯人には軽い電気ショック与えるから突破は無理だと思うけどね!
でも………裏高野に似た宗教団体の奴等ならば楽勝で破られちゃうからね………困ったわね」
「あんなのウヨウヨいたら、それこそ怖いって!」
「強くなりなさい!兵藤きゅんち!
こんな不景気な世の中だから強盗が減らないのよ
引ったくりやスリも減らないのよ!」
「世知辛い世の中だな………」
「だわね!ボク、兵藤きゅんの結婚式の後見人として竜馬やメンバーと共に出るから!
体力回復しなきゃね!」
「すまんな………」
「どう?今の紗理奈ならば共に生きて行ける?」
「あぁ、背中は任せておけるからな!」
「美緒たんを泣かせないでね!」
「最善を尽くすさ!」
兵藤は他愛もない話をして烈が寝るまで傍にいた
烈は更に三日間入院して体調を整えた
入院して実に一週間ちょいで、やっと烈は久遠に退院しても良いと許可を出された
烈は即座に着替えて、朝も食べずに飛鳥井の家へと帰って来た
クーとルーとスーとゴンが、烈の退院の荷物を持って帰って来たのだ
朝から烈と猫が荷物を持って帰って来ると、家族は驚いていた
康太は「病室抜け出て来たのかよ?」と思わす聞いた程だった
烈はキッチンに行き自分の食卓テーブルの席に座ると
「違うわよ!先生ぇーが退院して良いって言ったのよ!だから朝も食べずに帰って来たのよ!」
「そうか………」
康太はホッと胸を撫で下ろした
榊原は「康太は良く病室抜け出てましたからね………」と笑って言うと康太は
「うるせぇよ!」と拗ねた様に言った
慎一は烈の前に減塩味噌で作った味噌汁とサラダと納豆とご飯を出してやった
烈はそれを食べて
「今日は国土交通省の役員と共にビルのチェックに向かいます!
社長も同席願えますか?」と切り出した
榊原は「ええ!是非にお願いします!」と申し出た
「昨日の内に栗田と陣内と九頭龍と城田には指示を出して建設中のビルのチェックはして貰ってます!なので不審な点が出ているビルから優先に回ります!」
「………やはり配線抜かれたビルが?」
烈は宗右衛門の声で
「飛鳥井の信用の失墜を目論んでいたのかも知れぬ輩の思惑になど乗りはせぬ!
飛鳥井宗右衛門がいる以上は、そんな横槍など通しはせぬ!
常に【眼】を配置した儂の眼には、そんな小賢しい工作など通用などせぬ!
【眼】は何も人間ばかりではない!
至る所に監視カメラを設置し、それをコンピューターが監視して不穏な動きをした者を即座に検知するシステムを構築しておる以上は好きにはさせぬよ!」と返した
榊原は深々と頭を下げ
「ですが宗右衛門、貴方は今手負いなのを忘れられない様に!」と父として釘を差しておく!
烈は「解ってるわよ!父ぉーさん!
其れよりも皆 此処にいる少し大きな子は新しくボクの護衛になってくれたゴンちゃんと謂う子なのよ!宜しくお願いね!」とゴンの紹介をした
ご飯をモリモリ食べていたゴンは、お口の横にご飯粒をつけたまま立ち上がり
「ゴンです!宜しくお願いします!」と自己紹介した
瑛太は「しかしゴンは大きいですね!」と謂う
「そうなのよ!来た時に『え!こんなに大きなの来ちゃって良いかしら?』と思っちゃったわよ!」
烈が言うとゴンは悲しそうな顔をして
「俺は嫌われているのか?
大きいとダメなのか?」と聞いた
流生は慌てて「そんな事ないわよ!ゴンちゃん!」と慰めた
烈も「どんなゴンちゃんもゴンちゃんだから、家族は大好きになってくれるわよ!」と言った
音弥は「後でお風呂に入れて、ブラッシングしてあげるね!」と謂うとゴンは嬉しそうに笑った
ご飯を食べると烈はリビングで休んでいた
プーに「変わった事ないかしら?」と問い掛けた
プーは「常に緊張感を持って護衛している!
少し前に白装束の奴等が兄さん達の前に現れやがった事がある!
その時はトキが来てくれて、奴等は逃げて行った!」と話した
「其れって此処最近?
1週間以内の話かしら?」
プーは「そうだ!」と答えた
康太と榊原と烈の顔色が即座に変わった
康太は「殲滅出来なかった………と謂う事か?」と呟いた
「潜んで隠れていたのね!
ルーとスーは今後はにーに達に付いてて!」
康太は「それが狙いかもよ?」と心配して謂う
「多分ね!揺さぶりかけてきているのよ………
イギリスでもヨニーの利益がただ下がりしてて、今 竜ゅー馬達をイギリスに行かせたんだけど…
どうやらそれ罠かもって………」
「え!竜馬達は今 イギリスにいるのかよ?
きな臭いわな、見事におびき出されちまった訳か………」
「クリスには頼んでおいたわ
オーディーンはイギリスの地の異変ならば動くだろうし………何かあれば解ると思うのよ!
丁度タイミング良く、ゴンちゃんの調子を見に来たガブリエルに、よーく頼んでおいたのよ!
そしたら何かあれば即座にオーディーンに連絡取ります!と約束してくれたからね!それで少しは安心かしら?」
「オーディーン駆り出されて仕事されねぇ事を願いてねぇな……
オーディンまで動くって事は、そこそこじゃ終わらねぇからな………」
康太はそうなればただじゃ済まないと想い言葉にした
「ボクも体一つだし、満身創痍だから痛いし疲れるのよ!
でも、そう言ってられないからGW前にはあらかた片付けないとなのよ!」
「だな!うし!最近はお前に任せ過ぎてたかんな、此処いらでオレも頑張ってやんよ!」
「母ぁーさんは、そこそこで良いから!
父さんが碧威と共に是正に動いてね!
その場には飛鳥井大空が同席する事になるから!」
「え!大空が?」
「ええ!そろそろローテーション底上げ始めるわ!篩い落とされない様に踏ん張って貰わなきゃ!」
兄弟だとて、使えなきゃ篩い落とされ、明日はない
兄弟の絆は消えなくとも、飛鳥井でのポジションは消えてなくなる…………
厳しい試練の道だった
「太陽は碧威の手腕を拝見していてね
翔は真贋がどう動かれるのか?
ちゃんと見て勉強して下さい!
流生と音弥は、その時自分ならばどう動くか?
頭の中でシュミレーションして、後でレポートを提出してね!」
まさに実践教育の最中だった
「ボクはスーツに着替えて来るので、皆もスーツに着替えて来て下さい!」
烈が言うと兄達は即座に着替えに向かった
レイが心配そうに烈を見ていた
烈はレイを見てニコッと笑うと、何も話さず自分の部屋へ行った
凛と椋と響と奏がレイを抱き締めた
一希もハイハイしながらレイを抱き締めていた
康太は其処まで非情になっている烈に、言葉もなく現実を受け止めていた
避けては通れぬ道なれば………
自分は躊躇いもなく通って来ていた
が、我が子がこの先……逝かねばならぬ道を………
こんなにも辛く想っていた
家族はこんな想いをして、我が子を弟を送り出していたのか……
思い知らされる
突っ走る事しかして来なかった
今 自分のコピーの様な烈が逝くべき道を想えば………こんなにも辛くて遣る瀬無い想いを………思い知らされていた
榊原は康太の手をギュッと強く握り締めた
康太と共に生きて来た榊原ならば、康太の想いが犇々と伝わって来るのだった
烈がスーツに着替えて来ると、猫達の姿は無かった
きっとポケットに入ったのだろう
兄達もスーツに着替えて来ると烈はケントを呼び出した
兄達はリック・村上が、烈はケントか迎えに来て会社へと向かった
康太は榊原と共に会社へと向かう
車の中で康太は
「オレって何時も伊織や母ちゃんや父ちゃん……瑛兄にあんな思いさせてたんだな………」と呟いた
「今は僕と共に親として我が子を見守って行けるので、そんな想いも愛しい位です!
康太が親となり、我が子を愛して日々を過ごす
前世でもなかった経験は、君を親にしてくれ、痛みを教えた
今の君は誰よりも強いし、我が子の為ならばどんな苦労と痛みも………乗り越えられる強さが有ります!
僕は君が親になれるのか?
僕自身が親になれるのか?
不安だった時も有ります!
我が子と暮らせなかった日々に、僕は我が子に忘れられてしまい………嫌われてしまっていたら………
と考えて怖かった時も有ります
共に暮らし始めても、自分は親としてちゃんとしてるのか?
自責の念が消えませんでした
でも君がオレ等は親として我が子と共に日々を刻めば良いやんか!と言ったから、僕は毎日を我が子と暮らし、時にはお尻ペンペンして怒り、共に泣いて、共に笑って生きて来たのです!
あの子達は未来永劫に我が子です!
あの子達が幾度転生しようとも、我が子として何時か魔界で暮らせる日々が来る事を信じて生きようと想います!」
「伊織……何かお前の本音は中々聞けねぇから驚いた………だよな、オレだって親として何をしたら良いか?解らなかったさ
俺の果てが尽く狂い出したのを、此の身で感じて恐怖すら覚えていたんだよオレは!
特に烈、真矢さんの妊娠は太陽と大空で終わる筈だった
なのに妊娠した
一度は死産したが、再び妊娠した
オレは………真矢さんの子を転生させると約束したが……その魂が何処へ行ったか?すら解らずにいた……そして其れを言えずにいた
そして時を同じくして 宗右衛門の魂、即ち聖神の魂が消滅したと聞き………叔父貴にその事を伝えた時は身を切られる程に辛かったさ
そしてまた真矢さんは妊娠した
その子はやけに貫禄があり、宗右衛門や源右衛門を彷彿させる姿に………まさか?とは思った
だが、オレの眼には宗右衛門は映らなかった
今世は宗右衛門を欠いて生きて行かねぇとならねぇと躍起になり不動産を所有したり、宗右衛門の仕事を絶やさない為に動いた時もある
が、オレは烈の瞳が蒼く光るたびに、その眼の色は冥府の地下深くにいる奴に似ている………と思い出していた
烈の兄達は弟をこよなく愛し、オレ等は気付けば親として生きていた
今思えば……アレは宗右衛門だった
そしてオレはまた宗右衛門に救われ、親として生きて来られた
彼奴は恩返ししてると言ってるけど、もぉ返しきれない程の恩を貰ってるのに………
彼奴はまだまだ恩返ししてる
本当に………オレは今世は幸せだと思う
親として痛みを知り親の愛を知り伝えて行く努力をして生きている今が一番幸せかも知れない!」
「康太………そんな言葉を聞いたら事故りそうです」
笑って言う榊原の顔にドキドキする
恋心はまた心に燻り続け、熱い炎となり身を焦がしている
が、今はお仕事だ
自分達の会社の存続、後継者の教育の為に
最高の両親を魅せねばならない!
「伊織 逝くぜ!」
「ええ!望む所です!」
戦場だって愛を囁いてやる
愛してるぞ!青龍!と叫んでやるさ!
其れが己の生き様なのだから!
康太は、嗤っていた
皮肉に唇の端を吊り上げて嗤っていた
榊原は其れこそが飛鳥井康太だと、その横で嗤っていた
会社の駐車場に、車を停めると烈と兄達が待ち構えていた
「母ぁーさん遅いじゃない!
愛の語らいは今夜にでもベッドの上で続きをしなさいよ!」
烈がボヤく
康太と榊原は苦笑して共にエレベターに乗り込んだ
烈はエレベターに乗ると
「フォーメーションAで!」と告げた
兄達は頷いていた
康太は「フォーメーションA???何よ?それ??」と聞いたが答えてはくれなかった
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