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第80話 深謀遠慮 ❶

準備万端の中、ステージ上に紫園が姿を現した その姿を見て康太は思わず「師匠……」と呟く程の出来だった 耳が痛くなる程の静けさの中、紫園は指先まで神経を尖らせ土御門孔明を演じ始めた プロジェクションマッピングはあの日の桜が綺麗に咲き綻び、まるで桜並木の中にいる様な錯覚を覚える程に鮮明な桜が映し出されていた 刹那い想いが伝わる 桜並木の向こうに愛しい人がいる そんな想いが伝わる狂言だった 謡と囃子が刹那さを更に醸し出していた そして鬼の能面を着けると桜吹雪が巻き起こり、荒々しい憎しみが伝わり………息をする事さえ忘れて魅入っていた そして嵐が過ぎると、穏やかな能面をつけ桜を見上げた 烈が舞台に姿を現すと【さくら】の2番を口ずさんだ 「さくら さくら やよいの空は 見わたす限り かすみか雲か 匂いぞ出ずる いざや いざや 見にゆかん」 詩が終わると、物凄い桜吹雪が巻き起こり 桜吹雪に飲みまこれる様に紫園は姿を消した 見事な映像が能楽を魅了した そして幕が下りた ヤンキース球団オーナーは泣いていた 言葉なんて関係ない 表現が心を揺さぶり、物悲しさに包まれて涙が止まらないのだ 社長も専務も泣いていた 舞台の幕が上がると、其処には面を取った紫園と烈が仲良く立っていた そして観客席に向かって深々と頭を下げた 紫園はマイクを持つと 「1月から始まった能楽の公演は、今日、この時を以て終わりとなります 最終日を飾る為に我が盟友、前世から繋がる我が友が応援に来てくれ有終の美を飾ってくれました 本当に有り難う、我が友 飛鳥井烈 そして【R&R】のメンバー達! 本当に本当に有り難う! そして観に来て下った方々 本当に有り難う御座いました! またお会いしましょう!」 と言い深々と頭を下げた そして姿勢を正すと舞台の裾に下がった 烈は笑顔で観客に手を振っていた そして幕が下りて終わりを告げた 魅了されて動けなかった観客はやっと帰宅の途に着いた 控室に行くと疲れ果てているメンバー達がソファーの上にデローンと寝そべっていた 紫園は「飛鳥井へ帰ろう!そして料理を運び宴会をしょう!」と言った 康太は「打ち上げはホテルじゃねぇのかよ?」と問い掛けた 「まぁ今回の公演に携わった方々は、近くのホテルで打ち上げするみたいです! ですが私は料理を早い内に確保して保冷バッグに入れてバスの中に入れておきましたから、打ち上げは盟友達と飛鳥井の家族と飲兵衛仲間とでやると決めてるのです!」 康太は笑って「紫園らしくて良いか!さぁ帰るぞ!」と言い立ち上がった 烈は「少し出るの待って!」と謂う 「何があったのよ?」 「クーたん達が戻らないのよ!」 康太は顔色を変えて「何かあったのか?」と問い掛けた 「何もないと想うけどね、ボクはクーたん達が戻ってから行くから、先に帰ってて!」 「嫌、一緒に帰ればええやんか! 難儀な事態ならば出るし!」 そんな話をしていると、やっとクーが姿を現した 「白い忍者みてぇな姿したのが出て来やがったんだよ! 捕まえようとしたら、黒装束の奴等がやって来て捕縛しようとした でも何方も腕も呪文も互角でケリがつけねぇ状態だった 激しい闘いを、紫園の公演中にやりやがっていたからトキが吹き飛ばしやがったんだよ で、戻って来るのに時間が掛かった!」 クーの説明に康太は「黒装束?」と呟いた 鷹司は「其奴等は我が一族の裏部隊の奴等じゃわ!兄者が白馬を演じるならば出て来るやも?と警戒して潜んでおったんじゃよ!」と説明した 「あ~鷹司の裏部隊ならば黒装束だわ!」と納得 鷹司は「さぁ飛鳥井へ行くぞ!」と言いウキウキでバスへ向った 皆もそれについて行くしかなかった 【R&R】のメンバー達は自分のバスで飛鳥井へ向かい 康太達は乗って来たバスに乗り込み飛鳥井へと向った 義泰 志津子 久遠 紅緒はバスに乗せ、一緒に飛鳥井へと向かって貰った その変わりにケントの車には、兵藤と竜馬が乗り込んだ そしてバスとは違うルートで走って行った 烈は「美緒たんも来て欲しかったのにね………」と少し残念そうに謂う 議員として結婚式や祝賀会は夫妻同伴となるから、美緒は夫の議員仲間の結婚式に参列中だった 外せぬ付き合いと謂うのは在るから、中々一緒に行くのは無理な時も出て来るのだった 兵藤は「美緒も行きたがってたぜ………でも夫だけ行かせる訳にはいかねぇからな………残念がってたわ!」と代弁してやる 「まぁ今生の分かれじゃあるまいし、また今度誘うから大丈夫よ! あ………でも………下手したら今生の分かれになりそうね………」 とケントの引き攣った顔を見れば、ピンチなのは伺えられた 烈は【R&R】バイク便の子達に位置情報を添付して呼んだ それと同時に唐沢にも位置情報を貼付して 「凄い距離を狭めて煽り運転されてるんだけど、このままじゃ事故るわ!」とラインを送った バイク便の子達が駆け付けるのと、時を同じくして西園寺班が地元の警察と共にパトカーでやって来た 煽り運転をしている車を取り囲み停まる様に警告する が、煽り運転をしている車は停まらす、烈の車に体当たりを始めた スピードを付けて何度も何度も体当たりをする 西園寺維弦は待機させていた狙撃班を呼び出し、煽り運転をしている車のタイヤを狙撃させて止めようとした が、『タイヤをパンクさせた位じゃ止まらねぇぞ!その車ごと体当りして停めるしかねぇ!』と唐沢から怒鳴られ、突撃をかました 体当たりしてる車の左右から突っ込み強制的に動きを止めさせた それでやっと車は動きを止めた バイク便の子達は「その車の他に指示を出してるであろう車もいた!それはキッチリ映像に残してあります!」と謂れ、映像を受け取り、検問を急遽行いナンバープレートの番号と車種を知らせる が、ナンバープレートは付け替えてる可能性が高く検問じゃ引っかからないだろう……との見解だった 唐沢は「烈の研究室から届いた最終兵器を使う!」と言い指示を出していた 烈は「ボク帰っても良いかしら?」と問い掛けた 「その車 少し直して整備しねぇと駄目だから、変わりの車を持って越させるから少し待て!」 「緑道にも連絡しとかなきゃ! きっとアレ、裏高野に良く似た宗教団体の奴等だろうからね!」 「え?嘘、何で其れが解るのよ?」 運転手は白装束ではなく、普通の服を着ていた 「運転手の体を調べれば血の血判で誓いを立て、墨と血を混ぜたので逆五芒星の入れ墨してるから!」 「逆五芒星?そんな入れ墨してるのかよ?」 「そう、最初に目にしたのはアメリカだったわ マックレイとの対談の時、ナイフを片手に襲いに来た奴の心臓に位置する所に逆五芒星の入れ墨があったと、アメリカ軍の総司令官が言っていたわ! そして堂嶋正義を襲った奴も、逆五芒星の入れ墨が首に入れてあったでしょ?」 「あぁ、お前に言われて調べたら入れ墨が入っていたよ!」 「白馬の地にも逆五芒星が引いてあったの知ってるじゃない! 逆五芒星が何を意味するか?」 「そう言えば西洋の方の悪魔は活発な動きしてると報告あったな!」 「ねぇ唐ちゃん、悪魔って発祥は西洋でしょ? なら何故倭の国に悪魔いたのかしら? そしてその悪魔は何故に外国にもいるのかしら? 力が大きくて分けられたのかしら?」 「それを俺に聞くな! 俺に解るのは、不可解な事案が増え過ぎて出番が増え過ぎたと謂う事だけだ! しかも凶悪になりチーム一つ消し飛ばしやがって! 余計に忙しくなったじゃねぇかよ!」 「近い内に班編成するから、ね!」 「それは頼むな!」 其処へ烈の乗る変わりの車がやって来て、烈は車に乗り込んだ ケントは運転席に乗り込むと、車を走らせた 烈はポケットを覗き込み「大丈夫だった?」と話し掛けた スーが「死ぬかと思ったわ!何なんやあの車!ほんま腹立つわ!」とボヤいた 「飛鳥井へ行ったら宴会よ!」 「其れは楽しみやから機嫌直すわ!」 何とも現金なやつである 烈は用心の為に菩提寺で降ろして貰った 唐沢が手配してくれた代車と言えども、徹底的に調べないと下手に家の近くで停まれはしないのだ ケントもそれは百も承知していて、事務所に戻ったら徹底的に調べるつもりだった 烈は英生に電話して「黙って聞くのよ、コッソリ菩提寺までお迎えに来て!」と頼んだ 英生は「了解!」と言い電話を切った 兵藤は「何か最近 見境いねぇな!」とボヤいた 「そうなのよ、裏高野に似た宗教団体が出来たらしくてね 其れが何だか暗躍してやがるのよ!」 「まぁ良い駒を手にした位なんだろうな………」 「そう、チェスの駒みたく使い捨てに出来る奴等なんだろうね」 「反吐が出るな!」 「其れならボクは何時でも出してるわよ!」 そんな話しをしていると、康太が榊原と共に迎えに来てくれた 英生がコッソリお迎えに行こうとしている様子を視て、康太と榊原がお迎えに行くから!と言い来てくれたのだ 「烈!どうしました?」 と榊原が心配して烈に駆け寄る 怪我してないか?確かめて抱き締めた まだ土石流の時の傷もまだ治っていないのだ 堂嶋正義を助ける為にした頭の怪我も、やっとテープになったのだ 烈は「竜ゅー馬と兵藤きゅんは大丈夫? 巻き込むつもりはなかったけど、見境いなしで来るとは思ってなくてね………」と言い淀んだ 康太は竜馬を視て大体の事態は把握はした 「逆五芒星身体に入れてるのか? 悪魔と契約したのかよ?其奴等は!」 「どうなんだろ?ボク倭の国の悪魔見た事ないから解らないのよ! 悪魔………倭の国の悪魔と西洋 北欧 欧州とか他国の悪魔って、どう違うのかしら? 何故に今 悪魔と契約してるのかしら?」 「あ~悪魔も四龍と一緒だよ! 一つにすると絶大な力を手にする事になるから分散してあるんだろ? 光と闇 善と悪 そのバランスをとる為に悪魔はいるんだからな! まぁ近年 そのバランスが崩壊してるからな……… 倭の国の悪魔は引っ込んで、影からバランスを取ってる、でねぇと利用されて世の中は悪しかなくなるからな!」 「そうなのね、他国は今 悪魔の影がチラホラ見え隠れする奴等との闘いとか言われてて大変みたいよ…………」 「まぁ最終決戦へむけてのカウントダウンは、とっくに切られてるんだし仕方ねぇだろ? 其れよりも帰るぞ!」 と言い後部座席に烈と竜馬と兵藤を乗せて、飛鳥井の家へと帰って行った 家に帰ると紫園が打ち上げをやる!と、ホテルから持ち込んだ料理が所狭しと並べられていた 皆は3ヶ月に渡る長きの公演の労を労った あれから交流試合は一週間のスケジュールを駆け巡り幕を閉じた 開幕戦を控えているシーズン前と謂う事も有り、始球式の華々しいセレモニーを彩るタレントは既に決まっており、【R&R】は投げる出番は来なかった ヤングマンは何とかして【R&R】を!と頑張ったが、既に決まっている事なので!と一蹴され、何とも出来なかった ヤングマンは君島の事務所にも謝罪に行き、NYへ来て始球式に同席して欲しい!と告げた そして慌ただしく帰国して行った 唯一 今回の来日で紫園の能楽を堪能出来たことは、感謝され喜ばれたから由とした そして4月 桜は散り、季節は春へ突入していた 4月1日 朝 烈は3階エレベター前で社員を待っていた その横には飛鳥井栗栖、今は改名して飛鳥井碧威(あおい)と名乗っている 裁判所に申請して正式に改名が許され、名実共にその名で生きて行くと決めたのだった 因みに有栖は琉威(るい)と正式に改名している 飛鳥井神威の息子として生きると決めて、名前に神威の名前の一文字を入れて名を作ったのだった 二人は有栖院の家と決別すべく、新しい人生を歩み始めた 飛鳥井建設 副社長 飛鳥井碧威がなると社員に正式に告げる為にその場にいたのだった 社長と会長と相談役もその場に駆け付け社員が全員集まるのを待つ 始業の時間の5分前になると烈は 「其れでは本日 4月1日から副社長になられる飛鳥井碧威をご紹介致します! 彼は飛鳥井志津子の後任となり副社長となります!社員の皆さん 顔を覚えておいて下さいね!」 と碧威を一歩前に押し出した 「飛鳥井碧威と申します! 本日から副社長としての任を与えられました 精一杯頑張りますので宜しくお願いします!」 拍手が巻き起こり顔見せは成功となった 顔見せを終えると、皆 職場に戻った 新しい風が吹き始めた飛鳥井建設だった 烈は白馬の残務処理をしつつ、会社へと顔を出していた 会社への迷惑電話も今は全くと言って良い程に、掛かって来なくなり、一安心と思えた 烈は社員達に「新社屋への引っ越しがあるので、使わないモノの整頓をお願いします!」と社内報やホームページ等や、社内の掲示板で伝えた 碧威は社員達に積極的に関わり対話を良くした 社長室に釘付けになってる社長と違い、忙しくない時には社内に顔を出していた 独身の副社長は女性社員に人気は高い が、碧威は「僕のお嫁さんは宗右衛門が決めるから!」と公言され撃沈した が、目の保養候補として人気は相変わらず高かった そして4月に入っても、雑務に追われつつも何とか其れ等を熟した 専門学校の正式な依頼が宮瀬建設 南雲建設 飛鳥井建設に届いた 社長は重役 役職を呼び出して会議を開き 「このお仕事は引き受けても構いませんか?」と議案を提出した 栗田は「宗右衛門はいらっしゃらないのですか?」と問い掛けた 社長の榊原が「宗右衛門は今 一族の為にだけ動いてらっしゃるので、会社にはあまり出てはいらっしゃいません!」と告げた 康太が「白馬の土石流の天災で一族の者が巻き込まれて他界した その者達はオレの頼みで幼稚園を経営していた その者達が他界したから残務処理や保護者への謝罪等に時間を使っている! まぁ其れも大半は片付いたらしいから、最近は暇を見つけて会社に顔は出してるけどな 今日は会社には来ていねぇ!」と説明した 栗田とて白馬の土砂災害はニュースで目にしていた その遺族の中に飛鳥井の者が混ざっていたと謂うのか……… 「因みに、その遺族は先月まで副社長をしてくれていた志津子の一人息子だった者だ…………」 「…………!!」 皆 言葉を失った………… が、社長が「其れでは議決を取っても宜しいですか?」と現実に引き戻した 城田は「八雲動物病院跡地ですよね?この場所?」と問い掛けた 社長は「ええ、そうです!」と答えた 「烈の土地だった筈だろ? 烈は土地を売りに出したと謂う事ですか? やはりあの噂は本当だったのですか?」 「噂?宗右衛門は今動かせる資金はない! ビルを壊して土地を売りに出している?とか謂う噂ですか?」 「ええ!其れです!」 「飛鳥井宗右衛門、宮瀬建設の創設者である蓮司の父親、南雲建設の社長とは前世の盟友だそうです 建築は技術職が育たない環境だと三人で育てる学校を建てよう!と約束していたそうです 宮瀬建設の先代は魂まで粉砕する事故に遭ったが、遺言は遺してあったので息子に全てを託したそうです! なので今 建築の推移を叩き込む専門学校を作るそうです! 高等学校とかで専門の知識は叩き込まれたとしても、現場では中々即戦力になる技術職は出来ていない 其れを現場で即、即戦力になれる人材を育てる! そんな意志を継いで作り上げるのです! なので専門学校を建て、その後のプロフェッショナルな教師を押さえておくならば、資金はいくらあっても足らないんので売りに出しているのですよ!」 愛染は「前世の盟友との約束を実らせる為に………更地にして資金を作ってるのですか?」と呟いた 康太が「それだけじゃねぇよ!宗右衛門事業団として出金が重なって資金不足となったから資産の調整の意味合いもあったんたよ! 宗右衛門事業団と飛鳥井建設は常にWin-Winの仲で、助け合い生きて来たんだよ! 宗右衛門が今貧乏なのは飛鳥井の家の新居に兵藤、蔵持の新居、飛鳥井建設の新社屋の建設に全精力を注いだから金欠なんだよ! 一度にやれば、オレだって金欠になるさ! でも、今、それをしねぇとならねぇと宗右衛門は星を詠み導いたんたよ! ならばオレ等は宗右衛門に報いる為に働くしかねぇんだよ!」と付け加えた その後は満場一致で専門学校の建設に【諾】と賛成した 宮瀬建設でも南雲建設でも建設の許可を取り、GWが開けたら整地して建設が始まる事になった GWを終えたら三社共同事務所は【R&R】の新社屋へ移転を完了させる それに伴い、五社共同プロダクションと謂う部署を立ち上げて、三社共同事務所と君島、四方の事務所とも連携を取り仕事の調整をする会社を立ち上げて、その会社は【R&R】の新社屋ビルに入る事を提案として出す事にした その話をする為に烈は白馬から仕事を片付けて戻って来たのだった 神野に「話があるからホテルの部屋を取っておいてね!」と頼むと何故かホテル・ニューグランドの部屋を取ったと知らせがあった 神野はホテルの名前と部屋番を伝え 「お前はホテルに想い入れも拘りもないのは知っているが、お前から連絡が来た時、康太と一緒にいたんだよ! そしたら康太が何故か?『オレがホテルの部屋を取ってやんよ!』と予約してくれたんだ…………文句はお前の母に頼む!」と言い訳とも付かない説明をした 烈は笑って「文句なんか言わないわよ!ホテルなんて何処でも構わないんだから!」と言った そして神野達 三社共同事務所の責任者と君島と四方の事務所の責任者が集められた 今日は【R&R】としての仕事だから烈はメンバーと共に黒のスーツに紫紺のストライプの入った制服を着て、【R&R】と描かれたネクタイを締めていた メンバーも全て同じスーツとネクタイだった 【R&R】がホテルにやってきた!と謂う事で騒ぎになったが、ホテル側が即座に警備態勢を敷いてくれ、迅速に部屋へと案内された こう言う対応がなされるからこそ康太愛用のホテルなのだと烈は思った 部屋へ通されると、烈はソファーに座り足を組み、肩肘を着いて皮肉に嗤っていた 神野は「康太かよ!」とボヤいた 竜馬は「皆様お集まりと謂う事で始めさせて戴きます!我等は何処にも属さずに己の信念を貫いて参りました! それをやるのはやはり【力】が要る 其れは貴方達も嫌と謂う程に思い知らされて来られたと想います! 別に我等の話ではなく、貴方がたが今後、どんな妨害もなく仕事が出来る様に、【力】を持って下さい!との話です!」の前置きをした 烈は「まぁボク達は誇示する力は必要ないので、今後の貴方達の話となります! で、提案なんですが、【五社共同プロダクション】と謂う部署を立ち上げては如何ですか?と謂うお話なんです!」と話す その説明は経営のプロのダニエルが説明した 「五社共同プロダクションと謂う事務所を立ち上げて、【R&R】の新社屋へ事務所を置く その事務所は仕事の話を妨害もなく円滑に進める部署として、互いの事務所のタレントが共に働く時に活用されると良いでしょう! まだまだ芸能界には派閥もあるし大きな勢力図もある! 今の事務所は【宗右衛門】相手に何か仕掛ける事はないが、用心に越した事はない! で、此処で本題に入ります! 今後 暫く【R&R】は倭の国で仕事は入れません!此れはメンバーと話し合い決定しました なので貴方達は今後 どんな妨害にも屈しない事務所を作る必要があると宗右衛門が星を詠み導いた果てだと思って下さい!」 君島は「五社共同プロダクションですか! 我等も何らかの打診はしたいと思っていました! 五社共同プロダクションを別枠で立ち上げられるのならば、こんな良い条件はないでしょ! ですが、【R&R】は今後暫くは倭の国では仕事しないのですか? 我等はもう当分は貴方達と仕事はご一緒出来ないのですね…………」と残念がった 四方も「我等も神野達と共闘して共に行ける道を探っていたので、その提案には二つ返事で【諾】と申します!が、【R&R】は倭の国で暫く仕事しないのですか?」とやはり残念そうに言った 烈は嗤って「我等【R&R】は、ちんまりと纏った所にいる人間達じゃないからね! 破天荒な奴等ばかりだし、この先の暫くは破天荒な仕事してやろうじゃないの!と決めたのよ! 不可能な事なんて何一つない! 【何者に囚われない    何者にも干渉しない       我等の世界     それが【R&R】で在る】だからね! 我々は我々の道を逝く! 例えば人跡未踏 前人未到な場所にだって我等は自分を刻む! 【R&R】と明日は己の手で刻む 我等は【R&R】であると刻む! それがボク等だからね、この先はそんな可能性を現実にする活動をするのよ!」と告げた ヘンリーは嬉しそうに笑い 「我等こそが【R&R】だから!」と言葉にした メンバーは頷き笑った 君島は「何をなさるのですか?」と問い掛けた 「まだ決めてないけど、命がある限りは己を刻み【R&R】としの生き様を刻むつもりよ!」 四方は「羨ましいです………我等はもうそんな自由には動けはしませんから……余計そう思います!」と思いを語った 「ボクと竜ゅー馬はスカウトキャラバンの審査員や企画構成をやっても良いと思っているわ! 新しい風を吹き込みたいならば、己も前向きに歩き出さなきゃね!」 「あれから阿賀屋様に入って戴き経営にメスを入れました! やる気のない社員やタレントを傷つけたマネージャーは退職させました 飛鳥井神威弁護士を阿賀屋様から紹介下さいましたので、裁判にして賠償請求する勢いで社員に向き直りました! そしてマネージャーを募集し、次のマネージャーを育てタレント共々育成して逝く気です!」 四方が言うと君島も 「僕は社内に余り目を向けてなかったのか? マネージャーの横暴さに気づきませんでした! 飛鳥井の烈君のお兄さん達にアドバイスを貰い、HPを作り直しました! 其れで社員の声を拾って行こうと思っています!」と話した 烈は子供じみた笑いを浮かべ 「にーに達なら完璧なアドバイスくれるから大丈夫ね!」と言った 具体的な会社としてのリソースを打ち込み、話し合いをしながらカタチにしていく そしてある程度カタチが整うと 「ボクが手を貸せるのは此処までです 今後は連絡が付かない時が増えるでしょう! 貴方達も警護を強化して下さい! ボク達といる、其れが周知された今…… 標的が貴方達に向いたとしても………可笑しくはない現状なのをお伝えせねばならないのです!」と話した 四方は「烈君?…………」と声を掛けようとした が、時空が裂けて【何か】が出よっとしていて……話せれなかった 「じゃ、竜ゅー馬 後は宜しくね!」 と謂うと、目の前から烈は姿を消した それと同時に時空は元に戻っていた 君島は「何があったんですか?烈は何処へ行ったんですか?」と問い掛けた 竜馬が「時空を切り離し飛ばしたんですよ! でなくばこの場は殺戮のプロが姿を現し皆殺しにされてしまうしかないから…………」と説明した 四方は「烈君は大丈夫なのかい?」と震える声で問い掛けた デービットは「烈には考えがあるんやろ?我等には計り知れん事やから構わんでええねん! 其れよりも我々は【五社共同プロダクション】の設立をせねばならないねん!」と発破をかけた 静まり返る部屋にドアをノックされる音が響いた 竜馬がドアを開けに行くと、其処には60代前半の初老の紳士が立っていた 「何か御座いましたが? 結界が揺らいでおりました!」 竜馬は初老の紳士を招き入れ 「飛鳥井宗右衛門が滞在しておりましたので、追跡して来た輩が時空を歪め入ろうとしていたのです!宗右衛門がその時空ごと切り離して消えたので被害はない筈です!」 と説明した 「烈ちゃんが来ていたのですね! 来たならばお茶に誘ってと話をしたかったです……」 と残念がる紳士を、四方と君島は驚いた顔で、その光景を見ていた 竜馬は「この方はホテル・ニューグランドの総支配人です!烈は宗右衛門として企業に関わっているので顔見知りなのです! 因みに俺も総支配人の茶飲み友達です!」と謂うと総支配人は笑顔で 「ええ!竜ちゃんとも茶飲み友達です! しかし………結界を揺らがす事態など、白装束の間者が来て以来の事態です! この地は土御門孔明の結界で護られし土地 更に春に中庭に桜を植えたので、結界は強化されたとお聞きしましたのに………」 「結界が強化されたからこそ、時空ごと切り離せたのでしょう! でなくば巻き込まれて………この場の者達を皮切りにホテル中のお客様に手を出す気でしたでしょうから!」 「大変な思いをされているのですね! 皆様にはお茶の差し入れを致しましょう! また烈ちゃんがお越しになったら声を掛けて下さい!とお伝え下さい!」 「烈に伝えときます!」 「では!」 と総支配人は部屋を出て行った 竜馬は「烈には全て整ってから、報告を上げたいので、皆さん頑張って事務所を立ち上げて下さい! お茶だけ飲んだら今夜は完徹で仕上げるからね! 場を移して頑張るぞー!おー!」とやる気を出していた 柘植と須賀は「「完徹コースだね、こりゃ!」」とボヤいた 小鳥遊が「完徹でカタチにならないと連日連夜 寝させて貰えない話し合いとなるよ!」と釘を差す 神野は「止めてくれぇ〜!それは拷問に近いってばー!」と叫んだ 四方は「やられた事有るのですか?」と尋ねた 「沖縄のスカウトキャラバンの時に決めるまで寝かせないからね!と目を擦りながら詰められましたよ!」 と説明 君島は「其れは僕が事務所の移転の時にやられました!リソースが甘いんじゃ!と【R&R】の皆様には寝ずの教育されましたとも!」とボヤいた ヘンリーは「5日後でも寝れたんだし良いじゃん!」と笑う 5日後!!言葉もなかった フレディは「さぁ烈が来るまでにカタチにするよ!でなきゃ一ヶ月2時間睡眠やらせるからね!」と脅す! 竜馬は「コイツは有言実行な奴なので謂う事聞いておきましょう! リーダー命な奴なので!」と説得した 四方は「【R&R】でリーダー命じゃないメンバーいないじゃないか!」とボヤいた 皆はお茶の差し入れを飲み、後はホテルを精算して場を移した 場は飛鳥井建設近くのタワマンだった タワマン最上階のペントハウスで会議をする その間 烈は何処へ行ったかさえ解らなかった 烈から連絡があったのは3日後の事だった 両親には「少し其処まで、裏高野山に似たヤツ等を、根こそぎ駆除して参ります! 暖かくなって来たからって、ウヨウヨと活動を始めやがって!Gの様にウザいのよ!」とラインがあった 康太は苦笑して『無理するなよ!助けが必要な時には必ずや声を掛けろ!』とラインを返した 烈は親指を立てたスタンプを送信した 両親に報告も入れたし、烈は兵藤を呼び出した そして竜馬には「ボクのいない間にリソースを確り立てて完成形に近付けておいてね!」とラインした 竜馬からは『任せておいてよ!俺、頑張るからね!』と返信があった 携帯をサコッシュに入れ、烈は思う存分潰してやろうじゃないの!と燃えていた 組織の事を調べて行くと、【元帥】と呼ばれし存在が頂点として君臨していて、その者が幹部に命令を出していて、部下らしき男達が命令を受けて動いている指揮系統が出来ていた 多分 元帥を操っている存在はテスカトリポカの分身か?漆黒のジャザーが化けた存在と踏んでいる まぁご本人様は今回も関わっているだけで配下の者に指示を出しているのだろう 鷹司緑道 裏表 高野山 宗教団体トップや術者 魔界から閻魔大魔王 素盞嗚尊 建御雷神 転輪聖王がやって来て一掃作戦に参加してくれた 閻魔は「作戦とか?戦略とかは有るのですか?」と問い掛けた 「作戦とか戦略とかは、全く考えてないわ! 兎に角 ぶっ潰す!それだけ! でもセコい奴が相手だから、色々とロケットランチャーを退魔に特化した玉に変えて持って来ているわ! 其れでは鬼ちゃん達、あの票的に向けてケットランチャーぶっ放す準備をして下さいね!」 と指さす 指さす方は物凄い立派な屋敷が建っていた 時代を忘れ取り残された様な御城が聳え立っていた 権力を誇示する奴等は肩書や誇示出来る建物を建てるのだと思う 「裏高野に似た宗教団体は既に、全国に拠点を展開して、勢力を伸ばしつつ有ります! 拠点の場所は掴んでます! 現地に行き一つずつ潰すのは面倒なので、全ての拠点を時空で一繋ぎにして人の世と天界の境界へ飛んで闘います! 鬼ちゃん達は標的に向かってロケットランチャーぶっ放して貰うので、的を目視出来る様にしてるので、そこへ向かってぶっ放して下さい!」 鬼はロケットランチャーを構え、その時を待っていた 兵藤は朱雀に姿を変えて、上空からその様子を見守る様に、其時を待っていた そして準備が整うのを確認して「撃て!」と叫んだ 四方八方 バラバラの方を向いて時空に向けてロケットランチャーは放たれた 七賢人 八賢者は桃源郷の近くから駆り出されて来ていた 七賢人 ラルゴ ミルゲ ノア レオ セオ アーサー ルークが時空を操る呪文を唱え 八賢者 アーロン カレブ タイラー イーロン ラドルフ アイロス アルク ロックが人の世と天界の境界の空間を確保させた 無事に境界を一つに繋げると、その拠点はロケットランチャーの攻撃を受けて木っ端微塵に吹き飛んだ事だろう その拠点には唐沢達 内閣調査室の班が向かっていた 先の尾行で幸村班は壊滅して隊員は死したので、烈が自衛官の精鋭をスカウトして【迷彩班】を作った この迷彩班は現役の自衛官の隊員で編成されていた 招集を受けたら軍用機で駆け付ける防衛のプロ達が任務に当たる事になる! 【迷彩班】はロケットランチャーをぶっ放された場所に配置して、不審なのはいないか探りつつ市民の安全確保の為に、その場の確保に当たって貰った 準備万端 後は何が出て来るか? きっと死なない ロケットランチャー如きで死ぬ奴なんか存在していないだろう 何だって身体に文身咒と謂う邪法な呪文を刻んでいるのだ その時点で人とは違う何かを授けられているのだろう 一筋縄ではいかない! が、目の前のコバエは叩き落とすと決めている! 本部にいた男達は一斉に外へと出た そのまま別の時空へと飛ばすと、男達は一人の男の前に跪いた どうやらその男が元帥とやらだと理解する が、元帥と思わしき男はまだ若く 飛鳥井瑛太位の年だった 元帥と呼ばれているから高齢者を想像していたが………… 「身体を乗り換えやがったのね!」 と烈はボヤいた 鷹司緑道は驚愕の瞳で烈を見て 「その様な事………出来るのか?」と問い掛けた 「そりゃ出来るでしょうね! 元始天尊の歹から傀儡は既に作っていたんだし、傀儡にはラビリンス系の呪文唱えられて、迷惑かけられ事があるからね! そりゃ導師だもんキョンシーなんて簡単に作るわよ!傀儡なんてお手の物よ!」 「あぁ、その報告は政治屋から上がって来ておったな……」 「まぁどの道 我等は引く道などないのよ!」 「解っておる!引く道など等になくなっておるのは犇々と理解は出来ておる!」 「だけど差し違えて死ぬのは、相手が違うわ アレはラスボスじゃない! タダの駒よ、タダの駒相手に命を懸けてやる気はないのよ!」 「裏高野の奴等も怒り心頭で、やる気満々で来ておるからな! どれだけの力を持っておるか解らぬが………人の領域を超えた奴と謂う事で良いのじゃな!」 「そうね、人にカウントしていいか?は解らない存在と謂う事ね!」 御城から逃げ延びた輩が烈の前にやって来ると、先頭に立つ男は嗤って 「本当に小賢しい事がお好きな様ですね聖神は!」と皮肉を口にした 「其れはお前達の方でしょ? 本当にちまちまと嫌がらせレベルの妨害しやがって!ウザいのよ!」 「人と変わらぬ力しか持たぬ神の癖に偉そうに!」 「まぁボクは今人だし、神としてもそんなに力なんかないのは自分が良く解ってるわよ! だけどそんな力なんて不必要なのよ! そこそこな奴でボクは満足してるから!」 「ならば消えろ!目障りなんだよ!お前は! お前が消えればニブルヘイムも絶望で消えてくれるかも知れぬしな!」 「それは無いわよ! ボクがこの世から消えようとも、ニブルヘイムは役務を放り出して絶望なんてしないわよ! 彼は兄として弟達を護る義務があるんだから!」 その場にいないニブルヘイムの存在に皮肉を言い呼び出そうとしてるのか? 「お前のピンチに来ぬと謂う事は主は捨てられたのか?」 「ピンチじゃないから来ないのよ!」 「ほらほらクソ長い詠唱唱えなくても良いのか?」 「良いのよ!詠唱ならばこの地に呼び出す前にしてあるから!」 「小賢しい!生きて帰れると思うな!」 「其れはお前の方よ! 帝を駒に使い世界転覆を目論んだ愚か者めが! この蒼い地球(ほし)はお前の為に在る訳では無い!思い知るが良い!」 厳つい男達が飛び掛って来て、闘いは始まった 金龍の道場で鍛え上げた猛者が迎え撃つ 素盞嗚尊 建御雷神 転輪聖王は昔取った杵柄とばかりに素盞嗚尊は聖槍を手にして振り回し 建御雷神は雷槍と謂う大槍を振り回した 転輪聖王は全ての力を解き放ち、薙刀を手して立ち回っていた 道場で鍛えた弥勒は武術は全般使える様にはなっていた その中で一番使い勝手の良い薙刀を手にして闘っていた その薙刀は需要薙刀 銘 泉森兼定作により作られた銘のある薙刀だった 転輪聖王は楽しそうに、その薙刀で闘っていた 男達は一番な邪魔な烈を倒したくて一斉に襲い掛かった が、烈の横には聖鳥 朱鷺がいて下手に近づけなかった クー ルー スーが烈を護る 烈が無理ならば七賢人 八賢者に一太刀を、と押し寄せて倒そうとする どうせ賢人や賢者など力のない奴等だろうと、軽く見て近寄って来た が、彼等は近づく事すら出来なかった 近付けば近付く程にトラップが仕掛けてあり、そのトラップに引っ掛かり、身体ごと木っ端微塵に吹き飛んでいたから、距離を取るしかなかった 元帥は「本当に小賢しい!」と歯軋りして悔しがった 熾烈な闘いは互いの戦力を削り合い、カタが着く事はないだろう……… 宗教団体達は己の最大限の力を出して闘っていた 鷹司緑道と率いる裏部隊の者達も引けを取る事なく闘っていた が、力は互角 消耗戦になりつつある闘いとなっていた 素盞嗚尊 建御雷神 転輪聖王 鬼達 助っ人に来てくれた者達は皆 血を流していた 当然 相手も傷つき過ぎ血を流していた が、痛覚がないのか? 怪我をしていても、平気な顔をして痛みで顔を歪める事もない 殺戮兵器としてのみの存在なんだと、闘っている者達は痛感していた 烈は天に向かって大声で 「ニブルヘイム、浄化の雨を降らせて!」と叫んだ するとニブルヘイムの姿はないのに、雨が降り出した 閻魔は降り出した雨に濡れてニャッと嗤うと 「闇に染まりし魂よ! 正しき裁きを今 此処で受けるがよい!」と宣言した 浄玻璃の鏡が姿を現し、闘っている者達を映し出した …………が、その鏡に誰一人生前の所業は映し出されなかった 閻魔は「もう人である事を捨てましたか………」と呟いた 「ならば遠慮は要らないわ! 殺っちゃって下さい!」と告げた が、殺っちゃって下さい!と言われても相手は兵 そんな簡単な話ではなかった 互いに血を流し傷つき過ぎていた ワラワラと鬼達や閻魔、素盞嗚尊 建御雷神 転輪聖王 そして鷹司家裏部隊 宗教団体が、己の総力を出し切り、それでも負ける訳にはいかない!と闘っていた 烈も草薙剣で闘ってはいるが、何せ体力差もあるし身長差もあるのだ クー ルー スーも必死に戦闘に加わり烈を護る 朱鷺は呪文を唱え始めた 烈は慌てて止めようとした が、朱鷺に気が向いて止めようと動こうとした瞬間 相手の刃が烈の脇腹目掛けて剣を突き刺し貫通させた そしてその剣を引き抜き斬り掛かった 烈は成す術もなく痛みで動けずにいた クーが慌てて烈を突き飛ばし、クーが変わりに斬られた 生暖かいヌルッとした温かさが流れ落ちるのを感じていた 「っ………」 思わず脇腹を押さえる烈を守りクーは斬られても尚 盾になった ルーもスーも駆け付けて、烈を守っていたが、弱らない敵と謂うのは、此方の体力を削って行き、此方は傷つき過ぎていた 朱鷺は両羽根を天に向けて羽ばたくと 「創世の光よ!今此処を照らせ!」と叫んだ 眩い光が辺りを包む 人には暖かく柔らかな光は多幸感を与え、安心感を与えた が、闇に染まりし者は………その体を維持するのも不可能になりつつあるのか? バラバラと黒い何か撒き散らし崩れて行く 元帥は「その鳥………何を放った!」と叫んだ 烈は「さぁ?何かしら?」と揶揄した 素盞嗚尊は烈の服が血で滲んでるのを見て慌てて近くに駆け寄って抱き寄せた が、最後の悪足掻きとばかりに、烈を抱き締める素盞嗚尊に消えかかっている輩は斬りつけていた 朱雀が烈が刺されたのに気付き、慌てて地上に降りると、一斉に遅い来る輩は標的目掛けて斬り付けて朱雀は怪我をした 烈には地上に降りるな!と言われていた が、降りた瞬間不意打ちで斬られた 朱雀はそれでも気を取り直して武器を呼び出し闘った 己の身は己で守れなくてどうするの?と扱かれ鍛え上げられた日々が無駄になる 烈は元帥に 「我等は誰にも屈しない! 我等の地球(ほし)は我等で護る! さぁ消えてなくなりなさい! まぁお前達が消えたとしても氷山の一角でしかないのは解るけどね、コバエは邪魔臭いのよ!」と言い放った 「まぁ我等は魂さえあれば誰かの体を乗っ取れば生き永らえれる!」 「無理よ!この空間からは出られない! 貴方達が行くのは冥府の地下深い牢獄だから! タルタロスの牢獄へ落ちなさい!」 「誰が!そんな所になど逝かぬ!」 「えんちゃん!お願い!」 烈に言われると閻魔は 「其れでは冥府の審判官 アイアコス神 裁きをお願い致します!」と嗤って告げた 神々しい光の中 冥府の審判官 アイアコスが姿を現した 元帥は「冥府は中立であろうが!」と叫んだ 冥府の審判官 アイアコスは 「冥府は中立であるが、この地球(ほし)の危機なれは互いが協力し合う世界平和条約を締結しておる今、我が姿を現したとしても不思議ではあるまいて!」と天秤を限界させ告げた 天秤に魂が吸い込まれて行く 否応なく魂は吸い込まれ天秤に掛けられ量刑に科せられる 元帥も例外でなく天秤に吸い込まれて行った 天秤は裁きを告げ、天秤の中の魂全てをタルタロス要塞地下深い牢獄へと飛ばした 全ての魂を飛ばすと冥府の審判官 アイアコスは天秤を消し去り 「闇に染まりし罪人は魂の浄化をせねば二度と陽の目は見られぬ奥深くへ飛ばした 烈よ、主は一刻も早く病院とやらに行き治療をするかよい!」と告げて姿を消した 無傷な賢人と賢者は烈達怪我人を 「鬼の所へ送ってやるわ!」と謂う 鷹司緑道と宗教団体は「我等は鬼の所ではなく、即座に動かねばならぬ故、鷹司の家まで頼む!」と謂うと鷹司と宗教団体は鷹司の家に、烈は鬼の所へ転送した 烈達は飛鳥井記念病院へと転送されていた 烈が姿を現すと受付が即座に久遠に連絡した 「院長、烈君再び血まみれです! そして多数血で染まった怪我人が姿を現しました!」 それを聞き久遠は慌てて受付へと出向いた 怪我人を即座に処置室へと連れて行き、怪我の状態を見る 早く処置が必要な順に順番を付けて対処する 烈は脇腹剣で貫通していたから、即時にオペになった 看護師の鈴木泰知は烈の両親に 『烈君多分入院です! その他に多数の怪我人もいるので寝間着とかを、お願いしますね!』と電話を入れた 電話を受け取ったのは榊原だった 「烈が怪我したのですね 解りました!即座に向かいます 他の者の寝間着も誰かに言って持って越させます!」 と言い電話を切った 康太は「取り敢えず入院の用意させとくか!」と言い一生に電話をした 電話をしていると兵藤が姿を現した 兵藤も怪我をしていた 「貴史!お前怪我してるやんか!」と慌てた 一生は『貴史は入院しそうな感じか?』と問い掛けた 「解らん!取り敢えず病院へ行くから寝間着とか頼むな!」 『了解!』 電話を切ると康太は 「どうしたのよ?」と問い掛けた 「烈が刺された! 気を付けていたけど、一瞬の隙を突かれて刺されちまった! すまねぇ!俺が着いてたのに!」 「まぁそれ覚悟で行ったんだろ? ならば誰も責めるな!と烈は謂うだろうさ!」 「俺はロケットランチャーを発射の合図をする為に朱雀になって空にいた 烈が闘いになっても降りるな!と言ったから空にいたんだよ! でも烈の体を刀が貫いたから降りて近寄ろうとしたら、ウヨウヨしたのに邪魔されて……戦ってたけど、及ばす怪我しちまった………」 「もぉ良い!兎に角病院に行くぞ!」 と言い康太は兵藤を引きずり飛鳥井記念病院へと向った 受け付けに話をし烈の個室へ行くと謂うと、受け付けは 「ご両親は何時もの個室なので、どうぞ! そして怪我人様は治療をなさった後で個室へどうぞ!」と言い兵藤は引き摺られ久遠の所へ連れて行かれた 久遠は「そこに並ばせとけ!」と謂うと順番のラストに兵藤を座らせた 烈は出血が多量で、竜馬を呼び出し輸血していた 輸血した竜馬は烈の個室に連れて行かれ、野菜ジュースを渡され飲んていた 個室に来た康太は「竜馬!」と驚いて名を呼んだ 竜馬は「烈はまだオペ中だよ 出血多量だったから呼び出されて輸血していたんだよ!」と謂う 「烈と一緒だったのかよ!」 「嫌 別行動だったよ!」 竜馬が答えると何時の間に来たのかレイが 「竜馬は別行動でした! 僕はずっと烈と瞳を同化させていたので……飛んで来ちゃいました……」とニブルヘイムの声で答えた 康太はレイの頭を撫で 「最近は聞き分け良くなって来たもんなお前………」と子供の成長を染み染み感じて言葉にしました 暫くすると烈が個室に運ばれて来た 眠っていたが、ICUに入るまでの重傷でなかったと胸をなで下ろした 鈴木泰知が「康太さん、多分お知り合いの方々も入院するので寝間着とかお願いしますね! 烈君が【鬼ちゃん】と呼んでた方々は手当てを受けたら帰られるそうなので、重症化してる方々4名、嫌ラストの方も入院だろうから5名分お願いします!」と告げて慌ただしく出て行った 康太は「4名?誰よ?」と首を傾げた 榊原は「烈の祖父と弥勒と閻魔ですかね?そしてラストの貴史で5名です!」と推察を口にする 「んとによぉ最近の兄者は烈と組んで悪さして怪我するんだよな?」とボヤいた そして一生に「烈のダブル祖父と弥勒と閻魔と貴史の分5名分の着替えも頼む!」とラインした 『了解!多分そうじゃないかと源右衛門の部屋から寝間着用意してるから後少しで行くよ!』 「おっ、解ってんじゃん一生!」 『最近はこの顔ぶれで入院だろうが!』 「………だな、それじゃ頼むな!」 『了解!』 康太は一生と電話を切って 「今回は神威いねぇのか?」と呟いた ニブルヘイムは「天界と人の世の境目に飛んでの闘いだからか?神威はいませんでしたね!」と呟いた 「珍しいな倅のピンチには必ずや駆け付けるのに?」 「多分、人の世で根っこ張り巡らせさせていたのかも知れませんね?」 「あ~被害は最小限……ってか? そんな被害出る闘いしやがったのか?」 「私は其処まで詳しくは把握はしてませんでしたが、裏高野に似た宗教団体の施設は思ったよりも勢力を伸ばし全国に散らばっていたそうで、時空を繋いで的を作り、其処に鬼ちゃん達にロケットランチャーをぶっ放させてましたよ?」 「あ~アイツ一つ一つ潰すの面倒臭がったのか………」 「何でも暖かくなったからウヨウヨと増えて秋には卵を産んでもっと増えるから、その前に手を打つと言ってました!」 レイはニコッと笑い話す 康太と榊原は顔を見合わせ「「ったくアイツは………」」と苦笑した 暫くすると兵藤が個室にやって来た 「素盞嗚殿は思ったより酷く入院になった 弥勒も閻魔も建御雷神も血を流し過ぎて貧血起こしたから、個室にぶち込まれるそうだ!」 「お前は?」 「俺は烈の横にベッド運び込むから寝てろ!と言われた………」 話してる矢先に看護師がベッドを運び込み、兵藤を寝かせて点滴を打って個室を出て行った 「済まなかったな、怪我させて……」 「此れは俺が悪いから大丈夫だ! 其れよりもあの場に冥府の審判官 アイアコスって神が出てその場の奴等の魂を天秤に掛けて、全ての奴等の魂を冥府の地下深い牢獄へ放り込むとか言ってたな!」 「あぁ、その神は烈が冥府の四天王に変わり配置した神々の一柱だ! 冥府は世界平和条約に締結したから出てくれたんだろ?」 「何か凄い神って存在感の奴だったぜ!」 「………何かそう言われると複雑じゃねぇかよ!」 「其れよりも冥府の神呼び出しちまうのかよ?閻魔は!」 「兄者と謂うより烈だろ? アイツは定期的に冥府に行き食と秩序を正しに行ってるらしいからな!」 「良くもまぁ冥府行こうと思うよな?」 「まぁな、親父殿が寂しがらない様に定期的に遊びに行ってくれてるらしいからな…… クライスなんてオレよりも烈に尽くしていたりしてな!」 「あ~何となく理解だわ! しかし今回の敵は変身しやがって気持ち悪かったぜ!」 「変身?ライダーにでもなるのかよ?」 「ライダーとかじゃねぇけど、一瞬で白目向いてムキムキの鋼の体に変わってやがった」 「其れは身体に文身咒入れてる奴等だろ? 奴等は皆、モヤシみたいなヒョロヒョロだとしても、術を発動したらムキムキになり別人になるみてぇだな! その代わり命を削って人間辞めてるって気付かずに化け物になってるんだよ!」 「それって痛みさえ感じねぇのか?」 「兵器にするなら痛覚は遮断してるんだろ? 例え殺されたとしても死なない兵器に感情も痛覚も必要ねぇからな!」 なんて話をしてると一生が寝間着を持ってやって来た 「お前等、患者のいる場でどんな話ししてるんだよ!」と呆れて兵藤に寝間着を差し出し 「ほら着替えろよ!」と謂う 「あ~俺は今体痛いし後で良いや………」 「なら手伝ってやるから着替えろ!」 一生は兵藤を寝間着に着替える手伝いをしてやった 着替えを紙袋に入れると、寝ている烈の方を見た そして近寄り烈の頭を撫でながら 「また怪我したのか?烈は………」と呟いた そして「烈の猫達は何処なのよ?」と心配して問い掛けた レイが「クーが烈を助けに入った時に深手を負ったから創造神が呼び寄せて直してると思う! そしてトキたんはじぃたんの所だと思うよ!」とニブルヘイムの声で答えてやる 「そうか………クー達も直せない程の怪我だったんだな……… さてと隣の病室へ行き寝間着に着替えさせてから、トキを回収して飲ませるか!今夜は!」 康太は「なら竜馬、烈の飲兵衛仲間呼んでやれよ!」と謂うと竜馬は携帯を手にして 「了解!」と飲みのお誘いラインをした 「なら行くとするか! 烈寝てるし、後で誰かに付き添い頼むとするわ!」 と言い立ち上がると兵藤に 「寝てろよ!貴史 後で美緒には知らせとくから!」と告げた 「知らせなくても良いぞ! どうせ、そんなに長くは入院してないだろうし!」 「でもな怪我したんやし、知らせる必要あるかんな!」 「寝てるの暇だからPC持って来てくれよ!」 「了解!後で持って来てやんよ!」 そう言い康太と榊原と一生と竜馬とレイは烈の個室を出て隣の個室へ向った ノックしてドアを開けると意外に重傷な素盞嗚尊が酸素マスク付けて寝かせられていた 「叔父貴!」 康太は慌てて素盞嗚尊の所へ向った 素盞嗚は寝ていた その隣にいた建御雷神と転輪聖王も包帯巻き巻きでベッドの上に寝かせられていた 一生が一人一人寝間着に着替えさせていた 病院の術着みたいな寝間着は後でクリーニングして返却する予定だった 弥勒は「痛えよ!一生、少しは優しく出来ねぇのかよ?」とボヤきつつ着替えていた 弥勒が終わると建御雷神に寝間着を着せる 「赤いの痛いって!」と文句を言うが寝間着に着替えさせた 一生は「いい年こいて無理は駄目ですぜ!」とボヤく 「今後は無理しねぇとやってやれない事ばかりだろうが!しかも烈が楽させてくれると思うか?」 「ボケるわよ!と相賀も酷使されてるからな……… 楽させてくれる訳はねぇわな!」 「彼奴………九曜に頼み雷槍と謂うわしの槍を作りやがったから、頑張らねばならぬ状態になったのじゃよ!」 建御雷神が言うと弥勒は 「俺なんか需要薙刀 銘 泉森兼定作により作られた銘のある薙刀を持って来て『コレ使いなよ!弥勒ゅ!』と笑顔で渡されたんだ! 頑張らねぇとって思うやろ! あ~でも俺もまだまだだわ、より一層の鍛錬しねぇとな!」と反省する様に言葉にした

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