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第18話
それからは目まぐるしく時は過ぎていってもうすぐ臨月になる。
それまでいろいろなことがあった。
早産の危険性があって入院したりもして不安になって世羅さんや周りに当たり散らかしてたくさん迷惑もかけた。
会社の同僚や社長、家族、そして何より一番世羅さんが支えてくれた。大丈夫だと声をかけてくれた。
驚いたのは元永が誰より協力してくれたこと。
「だって!俺の愛する七星さんのことですから!いつか部長から奪ってやる!」
大騒ぎしながらたくさんたくさんサポートしてくれた。今でもストレートに思いをぶつけてくるから困ってしまうこともあるけど協力してくれたおかげで進めていたプロジェクトが予定よりとても早く完遂され大成功を収めたのだ。
それが評価され元永は俺の上司となった。
「俺なんて!七星さんが産休入っちゃうからそのポストになれただけです!だけど任されたからにはがんばります!うまくいったらご褒美に七星さんのキッスください!!」
なんて絶叫したのを世羅さんに引っ叩かれていた。それをみんなが微笑ましく?見てた。
「元永チーフ。頼みましたよ!俺も出産頑張るから。」
「うーっ…七星さぁん!愛してますぅ」
「申し訳ございません。私には愛する旦那様がおりますので」
「もう!改めてそんなこと言わないでくださいよー!わかってますよ!…出産…頑張ってくださいね!俺にも赤ちゃん抱っこさせてくださいね?俺の子!って皆に言いふらしますから」
「もーとーなーがー!おーまーえー」
般若みたいな形相で世羅さんが首根っこを摘んだ。
「いだい!いだいでずって!」
「元永チーフ。よろしくね。赤ちゃん抱っこしてね?」
「あいしてますー!七星さぁん。」
そんな絶叫を背に会社後にした。
「元永…残念なイケメンっすね」
「確かにな。あいつ顔いいし仕事もできるし何気にスペック高いんだけどなぁ。ただ、相手が悪かったなぁ。俺がキララを譲るわけねぇだろ」
「俺も譲られる気はないですよ?」
「きららっ!」
「…えっ?それだけでいくの?あんたホント変態っすね」
「愛故だよ…愛故」
「先が思いやられますね。大丈夫です?」
「大丈夫だ。もし間違えそうなら指摘してくれる人間がわんさかいる。だから…信じて?」
「はい!」
2人で手をつなぎ家路を急ぐ。もうすぐ会える我が子を思いほほえみ合うのだ。
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「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
まさかのことがおきまして…この度男の俺が出産しパパになりました!
fin.
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