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07君がいるなら、キスするしかない
「自分の魔力の感覚? そんなの自分自身にしか分からん」
サシュは剣の方は順調に強くなっていった、でも魔法の方がどうも上手くいかないようだった。さもありなんサシュ自身の魔力が感じ取れないから、魔法の実践のほうも上手くいかないのだ。でもそれを俺が教えてやることはできなかった、何故なら俺は自分の魔力の感覚は分かっていて、なんか腹を中心に体中を巡るものとしか言えなかった。他人の魔力の流れなんてさっぱりだ、サシュ自身でどうにか探りあてて貰わないといけなかた。
「ええと、光《ライト》、あっ、一瞬光った」
「だから魔力はこの腹を中心に巡るもんなんだよ、少なくとも俺はそうだ。ってお前の腹やわらけー」
「ひゃっ!? お腹をくすぐらないでください。集中できません~」
「すげー、餅みたいだな。ほらっ、キスするぞ」
「やぁ!? それも駄目です!!」
「サシュは俺の奴隷だろ、嫌とは言わせん。ははっ」
俺が魔力の流れを教えるとこんな調子だった、だってサシュの腹ってすっごく柔らかい、腹筋でバキバキにわれている俺の腹とは比べ物にならなかった。思わずその柔らかい腹を食えそうだった、でも噛んだら痛いよねーってキスだけにしておいた。サシュは真っ赤になっていたが、文句を言いつつ嫌そうではなかった。そんなふうにのんびりと過ごしていたら、冒険者ギルドから呼び出しがきた、とても行きたくなかったが俺とサシュは仕方なく冒険者ギルドにいった。
「ダークベアを倒して貰いたい、街に近づきつつあるのだ」
「よく魔物が寄ってくる街だなトレンデの街って、それで報酬は?」
「トレンデの街の防衛費から金貨四十枚出す」
「まぁ、妥当なところだな。いいぜ、場所を教えな」
そうして俺は金貨四十枚でダークベア退治を引き受けたが、金貨二十枚あれば人間が一年遊んでくらせるくらいだ。俺が受け取る報酬で俺とサシュが一年遊んでくらせるわけだ、サシュが首をかしげていたから後で金についての講義をしようと俺は思った。
「もう街の外壁に近いところまで来てるとはな、サシュ!! お前は俺の後ろの離れた場所で見ていろよ」
「はい、カイト。それでは待機してるです」
こうして俺はダークベア退治を引き受けたが、ちょっと面倒な相手だった。足が短いから斬り落として体を倒すといういつもの手が使えなかった、最初から魔力を込めた剣で斬り裂くしかなかった。俺は少し不安を感じつつ、それでも冷静にダークベアを待っていた。
「うっわっ、身長三メートル超えかよ。毛皮が綺麗に取れなくて残念だぜ!!」
俺はダークベアが近づいてきて攻撃の為に立ち上がった瞬間に、俺の魔力を込めた剣でダークベアを斬った。少し浅いと反射的に俺は判断してすぐに後ろに飛びのいた、俺の剣はダークベアの体を切り裂いていた。腸がでてきていたが、さすがは魔物だ。その状態で突進してきやがった、だからそれを避けて、いや避けずに俺は風の壁をまとわせダークベアの攻撃をはじいた。避けていたら後ろにいたサシュにダークベアは突っ込んでいたはずだ、あんなに柔らかい体ダークベアの一撃で死んじまう、俺は踏みとどまって攻撃をはじいた隙にダークベアの首を全力で斬り飛ばした。
「ふぅ、俺は熊とは相性が悪いな。覚えておこう、普通の熊はこんなに強くはないと思うけど」
「カイト、大丈夫ですか!? 怪我は無いですか!?」
「ああ、無事だ。でも剣が壊れちまった、鍛冶屋にいかなきゃだな」
「本当に無事ですか、触らせてください」
俺はサシュがあちこち俺の体を触るのを好きにさせておいた、そしてサシュが落ち着くと冒険者ギルドで報酬の金貨四十枚を受け取った。でも剣が壊れたから買わなければならなかった、良い剣は金貨四十枚でも足りないくらいだった。割に合わないなぁと思いつつ、サシュをつれて鍛冶屋に行った。
「ロングソードで俺の手に馴染むやつはっと……」
「交易の街だけあって、いろんな剣がありますね」
「なぁ、店主。こんな見た目重視じゃなくて、もっと重い剣はないか?」
「うわぁ、真っ黒な剣。すごく重そう」
俺は店先に並べてあった装飾が見事な剣ではなく、もっと実用性重視の剣を店主にないか聞いた。すると店主は刀身が真っ黒なロングソードを出してきた、少しそれを持って振ってみたが俺には丁度いい重さで、振った感じもなかなか良かった。試し切りもさせてもらったが問題はなかった、魔力の流れも良い剣でだから買うことにした。
「金貨四千枚」
「えええええっ!?」
「うん、分かった。支払いは金と宝石でもいいか」
「見せてみろ………………、ああっ、これで良い」
「きんかよんせんまい?」
「ありがとよ、店主。体が随分と軽くなったぜ」
俺はこれまで貯めてきた金の輪や宝石を店主に渡した、すると随分と体が軽くなった。それでもまだ金の輪が二本ほど残っていたし、一文無しになったわけじゃなかった。良い買い物をした俺に対して、サシュは剣の値段に目を白黒させていた。そんなサシュを俺は宿屋で襲った、可愛いから遊ばせて貰うことにした。
「サシュ、貧乏になった俺をなぐさめてくれー!!」
「きゃっ!? またキスですか!! …………でも良いです、なぐさめてあげます」
「おおっ、どんとこいという感じだな。体中、キスしてやるぜ」
「あははっ!? くすぐったい!! でも気持ち良いです」
「俺のキスが気持ち良いのか?」
「はい、カイトに触れられると気持ち良いです」
俺が軽い冗談交じりにサシュの体中にキスしてまわると彼は気持ち良いと言った、そしてサシュはおかえしに俺にも体中にキスしてくれた。それは気持ち良くてくすぐったかった、俺は体中にキスした後はサシュを大事に腕の中にいれて眠った、サシュもニコニコしていてすぐに眠りについた。その翌朝のことだった、起きたらサシュが真っ青であたふたしていた。
「カイト!? 僕は病気です、なんか体中に赤い跡ができてます!!」
「あー、おはよ。サシュ、それはキスマークって言うんだ。病気じゃねぇよ」
「そうなのですか!? でもカイトの体中にキスしたのに、カイトにはキスマークがでてません」
「肌を吸う力が弱いとできないんだ、まぁ今晩も試してみな」
「はい、僕がカイトの体にキスマークを残して見せます」
「ははっ、楽しみにしているぜ。サシュ」
サシュは自分についている体中のキスマークを不思議そうに見ていた、そして今夜も俺にキスしてくれるそうだ。それなら俺もサシュの柔らかい体にキスをしてまわろう、そう思って俺はベッドから起き上がってサシュと一緒に朝食を食べに行った。
「一歩前進かな、俺の性奴隷さん」
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