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19空を飛んでも、戻ってきたい
「よっし、もっと強くなれるように頑張ろ」
ティオの街について飢餓に陥った人間が襲ってくるのから逃れた俺たち、俺は何かもう少し力があればとそう思っていた。それから大凶作がどこまで迫っているのかも心配だった、アキュの街一つで済んでいればいい、でも街一つで済まないのが大凶作というものだった。
「サシュ、おはよー。んくっ」
「んー、んー、ぷはっ。カイト、おはようなのです」
「それじゃ、着替えて朝ご飯をたべようか。あっ」
「わっ、これは、朝なので、自然にっ!?」
「よしよし、サービスでぬいておいてやる」
「あっ、カイト。舌で舐めちゃ駄目、やぁ、口に入れられたら出ちゃう、すぐに出ちゃう!!」
俺はサシュが朝立ちしていたので俺の口でぬいてやった、サシュは真っ赤になってしまったが、代わりに僕もしますと言った。だから俺も朝から可愛いサシュの舌で、全部入らないけど口で気持ち良くぬいてもらった。
「はぁ、気持ち良かった。サシュ、ありがと」
「僕も気持ち良かったです、カイト。ありがとうございます」
そうやっていちゃいちゃした後に、俺たちは朝食を宿屋の食堂で摂った。それが終わったら街で聞きこみだった、サシュがはぐれないように手を握って、街の中でとりあえず目に入った飲み屋に入った。そこでジュースと薄い蜂蜜酒を頼んで、サシュはジュースを俺は薄い蜂蜜酒を飲みながら、俺はこっそりと店主に話を聞いてみた。
「アキュの街が大凶作で滅んだらしい、最近そんな話を聞かないか?」
「なっ、それは本当か!?」
「この目で街に人らしきものがいないのは見た、えらく食いついてくるな。何故だ?」
「アキュの街はおいらの姉貴が嫁いだ街だからだ」
「アキュの街の人間は近くの街に助けを求めた、生きているとしたらそこだろうな」
「…………最近、手紙が無いと思っていたら。くそっ」
その後しばらく飲みながら大凶作の噂について店主に聞いてみた、そうしたら二、三つの街を越えて大凶作が起こっているらしいという話は聞いたと言っていた。
「まさかそれがアキュの街だってなんて……。くそっ、くそったれ!!」
「落ち着いてくれよ、姉さんがアキュの街を出てこのティオの街に向かった可能性は?」
「それなら姉貴が必ず手紙をくれるはずだ」
「街の混乱で手紙が届かなかったのかもしれない、まだ希望はあるさ」
「ああ、そう願うよ」
「ごちそうさん」
その後も二、三件の酒場で話を聞いてみたが、どこの酒場も言うことは同じだった。二、三つの街を越えると大凶作が起きているらしいという話を聞いた、中にはいち早く逃げてきたんだという客もいた。俺はこの大凶作は下手をするとこの街までくるかもしれないと思った、だから更に遠くの街に逃れた方が良いかもしれないと思った。
「サシュ、大凶作が起きて飢餓から人が人を襲っている」
「……お腹が空くのは辛いのです、人から奪ってでもという人もいるのです」
「だからもう少し離れた街に行くか、このティオの街で様子を見るか迷っててな」
「うーん、僕はこの街の様子を見るとしばらく居てもいいと思います」
「そうか、ちょっと俺の心配のし過ぎかな」
「カイトは用心深いのです、それも良いところです」
俺はサシュに相談してティオの街に少し留まることにした、これといった特徴のない街で小さ目だったが過ごしやすい街だった。俺は冒険者ギルドの依頼を探してみることにした、ワイバーンの討伐などがあって珍しかった。それで俺とサシュとで行ってみたのだが、特に苦労することもなかった。
「崖か、繁殖地なんだろうな」
「ワイバーンとドラゴンは一緒なんて言う人は嘘つきです」
「ははっ、確かにワイバーンよりドラゴンは遥かに賢いし強い。一緒にすると怒られるな」
「そうなのです、カイト。それでワイバーンは倒せそうですか?」
「ワイバーン十匹で金貨十枚だったな、楽勝、楽勝」
「では僕はカイトにくっついています」
俺はワイバーンには悪いが魔力を黒のロングソードにこめて振るった、それで竜巻を引き起こした。それを上手くコントロールしながら、地面のあるところで竜巻を解除した。そこにはワイバーンが五十匹ほど死ぬか、まだあきらめが悪く生き残っていた。俺はきちんと生き残っていたワイバーンに止めを刺した、サシュは死んでいるワイバーンにナイフを突き刺して、体を切り裂いて魔石を回収していた。
「カイト、全部で五十二匹いました」
「ありがとな、サシュ」
「どういたしましてです、それじゃ帰りますか」
「ああ、ティオの街に帰ろう」
そうしてティオの街に帰ってくると入り口が揉めていた、なんでもアキュの街の金持ちが財産全部持って、馬車で命からがらこの街に逃げてきたらしかった。俺は飢餓が忍び寄ってくる気配を感じながら、そのお金持ちとやらを見ていた。こうして逃げてきた者がいるということは、更にそれが増えるということでもあった。食べる者が無いというのは辛い、こっちの世界に飛ばされてきてしばらくは、お金もなかなか稼げなかったし飢えとの闘いだった。そしてふと思いついて、サシュにも飢えについて聞いてみた。
「サシュ、お前は飢えたことはないか?」
「…………お父さんがお酒ばっかり買ってきて、お母さんが出ていってからは飢えとの闘いでした」
「そっか、俺もこっちの世界に来た頃は腹空かしてばっかりいたぜ」
「カイトがですか、意外です。すっごく何でもできるのに」
「そりゃ今になって魔法の使い方が分かったからさ、そうじゃなかったら俺は飢え死にしてた」
「カイト、今日の食事は美味しいものを食べましょう」
それから俺たちは冒険者ギルドでワイバーンの討伐報酬を貰って、ワイバーンの魔石を売り払って宿屋で温かい夕食をいただいた。米や味噌が懐かしいが、もう固いパンの食事にも慣れてしまった。そして、お風呂に入るとサシュといちゃいちゃしまくった。
「サシュ、ほらっ。もっとこすり寄せて来いよ」
「はい、カイト。体を支えていてください」
「よっしっ、それじゃそのままこすりあわせてくれ」
「ひぁっ、はい。やぁ、気持ち良いです」
「俺もだ、ほらっもう出るぞ」
「僕もです、僕も、ああっ!!」
俺とサシュは体を寄せ合って互いのものをこすりあわせた、それだけでは刺激が足りないのでサシュが頑張って愛撫してくれた、おかげで何回か気持ち良くいけた。
「サシュ、俺は飢えが大嫌いだ。それが近づいてくるようだったら、このティオの街を出よう」
「僕も飢えは寂しいし、辛いから嫌です。だから、カイトの考えているようにしましょう」
「サシュ、まだ髪が濡れてるぞ」
「わっ、ちょっと待って。か、カイトそんなにしたら髪が痛みます」
「髪の痛みとか心配してるの?」
「僕はカイトの性奴隷ですから、いつも最高の状態でいないと」
そんなサシュが可愛かったから風呂から出た後もまた一回ぬいた、それでサシュは疲れて眠ってしまった。出会ってもう長くなるが、相変わらず可愛いかった。
「皆が飢えなんて知らないで、過ごせれば良いのにな」
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