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第23話(最終話):幸せなドスケベ達
鍵をガチャガチャと回す音がして、俺は座っていたソファからぴょこんと立ち上がった。
「おかえり冬真~」
俺は玄関まで走って行き、冬真に抱きついた。
「ただいま朔太。俺がいなくて寂しくて一人えっちしちゃってないか?」
「たった二泊三日の帰省でしないよ!」
さっそくのセクハラに俺がツッコミを入れる。
冬真は、三連休を利用して、妹の春奈ちゃん(2歳。かわいい)に会いに実家に帰省していて、今戻ってきたところなのだ。
「それはよかった。……今度から、何日くらいで一人えっちし始めるか試してみようかな……」
相変わらず、スケベなことについては天才だな。
* * *
俺たちは、別々の学部になったものの、どうにか同じ大学に合格し、念願の二人暮らしを始めた。
俺の家族も、冬真の両親も、寂しがりつつも喜んでくれた。
ちょうど、桃香さんが春奈ちゃんを妊娠していたころだったので、「父さんも母さんも、これで心置きなくイチャイチャできるだろうし、家のスペースが空いて正直助かるだろ」
と冬真は言っていたが、
「失礼ね、本当はもうちょっと広いマンションに引っ越そうと思っていたわよ」
と桃香さんに言われた。
ちゃんと家族としてやっているんだなぁと、俺は嬉しくなった。
* * *
「監視カメラを部屋に仕掛けて……」
「なんでそんなに俺の一人えっちが見たいんだよ……」
「朔太が一人でしてるとこ、見たいから」
真顔で言われた。もうだめだこいつ……。
「それより冬真、もう眠い……」
「うんうん、じゃあ一緒に寝ような」
そう言って、流れるような仕草で、俺を冬真のベッドに誘導する。
俺に布団をかけると、
「俺はシャワー浴びてくるから。待ちきれなくて一人えっちしちゃだめだぞ」
と言って、よしよししてきた。
一人えっちが冬真の中で謎のブームを見せているようだ。
冬真が帰ってきて嬉しい。大学に入る前は別々に暮らしていたなんて信じられないくらい、冬真が一緒にいるのが当たり前の生活になっていた。
大学では、俺たちは交際していることをオープンにしているので、周囲にも「カップル」だと認識されている。何か言ってくるヤツもいないし、一緒に登校したり昼ご飯を食べられたりして嬉しい。
家に帰れば一緒にご飯を食べてイチャイチャして……。本当に結婚しているみたいだ。
冬真がシャワーを浴びている音が聞こえた。冬真が一緒にいるんだと実感できて、ドキドキするのに落ち着いた気持ちになる。
──本当は、ちょっと……いや、けっこう寂しかったぞ……。
まだかな、まだかなと期待が高まっていく。もうすぐ冬真が来て、優しくキスをしてくれて、それで……。
その流れが刻み込まれている俺の体は、想像しただけで熱を帯びていく。
──俺、こんなにはしたない体になっちゃったんだ……。恥ずかしい……。
羞恥心がますます、俺の下半身に熱をこもらせる。
──冬真がいなくて寂しかったんだ……。早く来て……
俺は、ついベッドの脇に置いてあるローションを手さぐりで取ってしまった。
そうしたらもう我慢できない。俺は自分のお尻の穴に指を入れ、グチュグチュと中をかき回した。
「はあっ……、はぁっ……」
くちゅ、くちゅ……。
"一人えっちしちゃダメだぞ"
さっきの冬真の声が脳内でリフレインする。俺は背徳感でますます興奮し、息が荒くなる。
「と、冬真……っ」
「どうした朔太」
ハッとして顔を上げると、シャワーを浴びてTシャツ姿になった冬真が俺を覗き込んでいた。
俺が答えに窮していると、冬真は布団をめくり、自分で自分の尻穴を慰めている俺の姿をあらわにした。
「我慢できなくなって、一人えっち始めちゃったのか、朔太」
冬真はベッドに腰かけて俺の頬に手を当てた。
「だ、だって……、冬真がいなくて寂しかったんだよ……っ」
「もうあとちょっとの時間だったのに……」
冬真は、フフっと笑いながら言う。
うう……冬真が帰ってくるまでは、一人えっちしたいなんて、思ってもいなかったのに……。
ドスケベの天才の暗示か何かなんだろうか……。
「……いいよ、続けて」
「……え?」
「一人えっちで、イクまで完遂してごらん? あ、前は触っちゃダメだよ」
冬真は、意地悪そうに笑って言った。
「う……そんな……」
「俺、朔太が一人えっちしてるところ、見たい。見せて……」
冬真は、下半身に手を当てたままの俺にキスをした。
くちゅ、くちゅ、と舌を絡められると、脳みそまでとろとろに蕩けたようになり、下半身がますます疼く。
俺は、冬真が言う通りに、一人えっちを再開するしかなかった。
「あっ……はぁっ、ん……」
俺は自分の指を、再び尻の穴の中で動かし始めた。
前立腺を自分でグリグリと刺激する。
「はぁんっ、ああんっ」
「いいよ……、朔太、……かわいい……」
冬真は、俺の体を少しずらして、隣に寝転んだ。二人並んで寝られるように、狭いマンションなのに冬真のベッドはセミダブルを入れている。
「少し手伝ってあげるね」
冬真が俺の乳首をくりゅっとつまむと、電流が走ったようにビクンッと体が跳ねた。
「ひゃあんっ!」
俺は我慢できずに甘い声を上げてしまう。ひとりでに、尻の穴に入れた指が、きゅぅん、と締めつけられる。
「朔太は本当におっぱいが弱いな」
冬真は、俺のもう片方の乳首をぺろぺろと舐めた。
「ああっ……っ! そんなっ……んんっ!」
もっと……もっと……
本当は指じゃなくて、もっと太くて大きいのが欲しい……。
そう思いながらも、俺の指は勝手にぐちゅぐちゅと自分の尻の穴をかき回し、ゴリゴリと前立腺をこすった。
やがて、頭がパアッとなるような恍惚感が全身を覆い始める。
「あ……ダメ……、ダメ……」
冬真に見られながら、一人でお尻の穴でイクなんて、ダメだ……でも止まらない……。
「いいよ、朔太……」
よく見ると、冬真も自分の股間に手をやっている。俺の一人えっちを見て、興奮しているんだ。
俺はその事実にますます興奮し、一人で身をよじらせてうわ言のように喘いだ。
「ああんんっ!イッちゃう……、一人えっちでイっちゃうよぉ……」
「うん、イキ顔見せて」
俺は乳首を舐められながら激しく自分の中をかき回す。
「はぁんっ! あああっ……! イクッ……!」
体をビクビクさせて絶頂に達し、俺は涙目になってベッドに横たわった。
「はぁ……、はぁ……」
ボーっと脱力している俺の体を、冬真が抱きしめ、よしよししてくれた。
「偉いね、朔太。がんばったね」
「うん……」
めちゃくちゃにド変態なことをさせられただけなのに、冬真に褒められると、頭がとろけて、嬉しくなってしまう。
「とうまぁ……。ごほうび、ごほうびほしい……」
俺は、冬真に下半身をこすりつけて、唇を吸いながら、淫らにごほうびをねだった。
「もう……、朔太は本当にいやらしいな……」
冬真は、俺の顔を見ながら俺の股間のものをさすってきた。それだけで、俺の下半身は再び熱を持ち始めた。
「んぁっ……!」
「がんばったから、ごほうびをあげるよ」
そう言って、いったん唇にちゅっとすると、冬真は俺をうつぶせになるように裏返し、覆いかぶさってきた。
俺は恥も外聞もなく、シーツに肘をついて尻を上げて、冬真に自分の尻の穴を差し出した。
「ああんっ!」
冬真のちんこは、もうぐちゅぐちゅになっている俺の尻に、ズズッと一気に入った。
「朔太、そんなに欲しかった?」
パン、パン、パンと冬真が後ろから腰を打ち付けながら尋ねてくる。
「あっ、ああっ……ほ、ほしかったあ……っ! 冬真のちんこっ、欲しかったぁんっ」
俺は、冬真の激しい動きに合わせて、尻を振りながら答えた。
ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、と冬真のちんこが、俺の気持ちいい部分にこすりつけられる。
「ああんっ! はぁっ、ああっ……気持ちいい、気持ちいいよう……」
「朔太、かわいいよ……、愛してる……」
冬真は俺の腰をつかんで、さらに奥へ、ズブッと冬真のモノを押し進めた。
くぽっという感触がして、全身が「ケツマンコ」になったとしか言いようのない、どうしようもない快楽に満たされた。
「ひあっ! あぁっ、そんな……、深いぃ……」
あまりの快感に、俺の目から涙がこぼれた。
くぽっ、くぽっと、肉壁をこすりあげられる音が響いてくるような気さえしてくる。
「朔太の奥にも、俺の精子を染み込ませないとね」
冬真はそう言って笑うと、俺の乳首をクリクリしながら、さらに激しく腰を打ち付けてきた。
「奥に、奥に、冬真のがいっぱい……イっちゃう、イっちゃう」
冬真の精子が、俺の奥にまであふれているところを想像して、俺の内壁は、興奮に震えている。
「俺もイきそう……、朔太、一緒にイこうね……」
「うん、冬真と一緒にイクぅ……っ」
俺の絶頂と同時に、冬真も俺の中で果てた。熱いものが注がれていく感覚を味わいながら、俺は意識を手放した。
ドスケベの天才に大切に育てられて、俺も無事、ドスケベの天才になってしまったかもしれない。
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お し ま い
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