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「んっ……」
環 が目を覚ますと、外は星がきらきらと輝きを見せていた。どうやらまだ夜らしい。
すぐ横には、刹那 がベッドから起き上がって環の方を向いていた。
「起きた、環?」
「刹那……。寝てないの?」
「環を見てたら眠れなくて」
「だめだよ。ちゃんと寝なきゃ」
環は刹那の手を握り、指先に唇でそっと触れた。すると、環の手を振りほどいた刹那の手は、ゆっくりと環の頭を撫でる。
「うぅ……」
「大丈夫だって。夜はまだまだ長いんだから」
「そう、かもしれないけど……」
「起きて、俺に触るのはやだ?」
挑発的な笑みで刹那に見下される。視線がぶつかった途端、環の鼓動はドクドクと速く脈打っていた。
「ねえ、どうなの……?」
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