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「やなわけ……ないよ!」  環はがばりと起き上がり、刹那にぎゅっと抱きついた。待ってたと言わんばかりの刹那の腕は、ぎゅっと環を抱きしめる。  刹那の肩口に顔をうずめると、うっとりとする花のような匂いが環の鼻孔をくすぐる。環は何度も深呼吸した。 「これだけでいいのか?」  そっと離されて刹那の顔が視界に入った次の瞬間、環の唇には柔らかい感触があった。  刹那の唇だ。 「んっ……」  ただ温もりを重ねているだけの行為。環はこれ以上になく心臓が苦しくなっていった。嬉しさが溢れすぎて、壊れてしまいそうな感覚に包まれる。  突然、刹那の手が環の手に指を絡めてきた。環はされるがままに指を重ねると、刹那が急に笑い出した。  次の瞬間には刹那の舌が環の口腔に侵入してきて、あっさりと環の舌を絡めとった。 「んぅ、んっ……」

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