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拝啓、君へ《ハルカside》3
「んぅ…だめっ、ハルカさん…」
ほの暗い寝室で深いキスを何度もしていると、竜が珍しく俺を拒否をする。
「隣の部屋…おじいちゃん達、寝てるから」
追記、
『竜の実家の寝室で(しかも緋禄の部屋)』ということを付け加えておこう。
俺は無視をして竜のTシャツの中をまさぐる。
「声抑えればいいだろ?」
「んぁっ―…抑え、られないからっ…だめ、明日帰ってから…しよ」
そんな嫁の発言をまた無視をしたのは言うまでもない。
「後で覚えてろよって言っただろ?」
「んっ、ぁ…そんなの、忘…れたぁ」
「ほう。強制的にお二人の前でバラード歌わせておいて、忘れた...とは。おじいさま方に変わって躾が必要だなぁ」
そう言って俺は竜の背後から両乳首を弄る。
「あっ…だめ、―…んぅ、はっ」
「嫌だぁ?俺に弄られたくてこんなに勃ってんぞ乳首」
勃起した乳頭を親指と人差し指で挟んで、潰れそうなぐらい圧力をかけたり緩めたりして刺激をする。
そして時たま人差し指で両乳首をクリクリと弾きながら往復させると、竜の体がビクビクと痙攣し始める。
「アッ、んん―…だ、め…!はぅ…」
「ほらほら、声出てる。起きるぞお二人が」
乳首イキも出来てしまう嫁に容赦ない旦那の俺。
いや、だって…ねぇ。
こちとらくっそ恥ずかしいのに、バラード歌わされたわけですし。
俺はしばらく乳首を攻めたあと、手の動きを止めた。
そして竜をベッドの上に座らせ、両足を開かせ、ズボンを下げた。
勃起してトロトロしている竜のモノを手で弄りながら顔を見た。
「ゴムねぇし、汚すから今日はフェラするだけな。ちゃんと声抑えとけよ」
俺は上目遣いで竜を見ながら口を動かし続けた。
「―、ふ…―んっ、んっ…」
竜は声が出ないように自分の両手で口を塞ぐ。
俺はそんな竜の声が漏れるように、あえて激しく顔を動かした。
そして、バラードを歌わされたことを忘れていなかった俺は、竜の両手を掴んで声を抑えられないようにした。
「ハル、カさ…ん!」
「覚えてろよって言っただろ?これも躾だ。声出すなよ。Okey?」
悪いな竜。
お前の旦那は、いじわるな冷血黒髪眼鏡男(兄貴)と同じドSの血が入ってるみたいだ。
俺は容赦なく竜を攻める。
竜は声が出ないように自分の腕付近のTシャツをかじりながら、歯を食いしばっている。
おー、それがドSの血を騒がせるとも知らずに。
「ーー!…ッ!…っん…―…っ!ふ…―…ぅ!」
俺は竜に声を出させるために、喉奥まで竜のモノを挿入した。
そしてわざと唾液を吸う音をジュブジュブと立てて興奮させる。
知ってるよ。
お前がこの音だけでもうイキそうになってることぐらい。
「、ーーん!…ッ!…っん…―…っ!ッ…!」
俺が上下にラストスパートをかけると、竜は体をビクつかせて俺の口の中に精液を出した。
「躾、完了♡」
俺は手の甲で口を拭って、イッたばかりの竜を見つめて言った。
「はぁ…はぁ…ハルカさんのも、するぅ…」
そう言うと竜は俺を押し倒して、硬くなった俺のモノを取り出してゆっくりと舐め始めた。
竜のフェラはとてもエロい。
喉奥ギリギリまで挿入したあとに、高速で竿を扱きながら亀頭を吸う。
そして時たま焦らすように下から上へゆっくりと舌を使って舐め上げたあと、自分の唾液を吸い込む。
これが俺の嫁なのかと思うと更に興奮する。
でもね、竜くん。
今日の俺はいつも以上にドSなのよん。
「んっ!」
というわけで、俺はバラードを歌わされたという怨念に近い事実を思い出し、竜の頭を両手で抑えてイラマチオをした。
「んっ、ンン!はっ、―…ンンッ!!ぐっ、ん…」
普通の人からしたら、父親に犯されていた竜に、こんな無理やりするなんて可哀想だと思うかもしれない。
竜を好きになる前の俺だったら、きっとそんな感情を抱いていただろう。
「ふ、んんっ、…ンッ、ン!はっ、―…ンンッ!!ぐっ、んう…」
でもあの父親との思い出を上書きするために、竜があいつにされたことを繰り返していくうちに芽生えた感情がある。
あいつに負けたくない、あいつ以上のことをしたいと思っていると気付いたら俺はこんなにもドSになっていた。
「竜、俺もうイキそうだ。どうする?ティッシュに出すか?」
頭を押さえつけていて、話すことの出来ない竜に分かり切った問いかけをする。
竜は即座に首を横に振った。
「だよな」
そして俺は竜の喉奥に自分のモノをこれ以上ないくらいに押し込み、精液を放出させた。
竜はまだピクピクしている俺のモノを、唇と舌を使ってじっくり舐めとったあとに笑顔で言う。
「ハルカさん…ごちそうさま」
あぁ、笑顔の破壊力やべぇ。
この笑顔、世界救えんだろ。
「っ!」
俺は再び竜のモノが硬くなっていることに気付いて、再びフェラを始めた。
「待って、ハルカさんっ!おしまい…あっ、ん、だめぇ」
結局それからお互いにシックスナインを何度もして、寝たのは深夜2時過ぎだった。
緋禄の部屋でこんなことしてしまったという背徳感に包まれつつも、達成感のほうが強かったのは言うまでもない。
「おじいちゃん、おばあちゃん、またね!」
「二人とも、またいつでもおいで。竜、これ」
「ありがとう」
おじい様から彼岸花に似ている花弁が宝石のようにキラキラと輝く花束を貰い、俺たちは竜の実家を後にした。
「その花、去年も貰ってたよな」
「うん、ひー兄の誕生花なんだ。ネリネっていう花。ネリネの花言葉は、『また会う日まで』なんだよ」
「へぇ。緋禄らしい花だな」
拝啓、緋禄
見てるよな?
竜はこんなにも笑えるようになったよ。
お前が与えようとしていた竜への愛は、俺が死ぬまで引き継ぐから。
だから安心してくれ。
追伸、
緋禄に出会えてよかった。
そっちに行ったときは、俺の生歌を聴かせてやるからしばらく待ってろよ。
哀沢 迥
―6年後
Distant Dragon結成時、竜と俺は左胸にネリネのタトゥーをいれた。
そして俺たちの初めてのアルバムのタイトルを、ネリネの英名であるDiamond lily(ダイヤモンドリリー)にして発売した。
リード曲であるNerineはもちろんバラードで。
アルバムのジャケットは緋禄の恋人である咲輝に描いてもらった。
今日も俺たちの胸の上でダイヤモンドリリーは動き続ける。
【拝啓、君へ END】
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