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2026年1〜6月

1月17日 結ぶ 溶けるような ぴったりと 1 ぴったりと重なった肌。溶けるような熱。「好きだよ」耳元で囁くと赤く染まった顔がくしゃりと歪んだ。「俺は嫌いだ」結んで押さえつけていた手が逃げようとする。無駄なことをする彼が可愛くて、可哀想で、愛おしい。食べ尽くしてしまいたい。戦慄く彼の唇に自分のそれを重ね、震えさえも飲み込んだ。 2 契約を結ぶことが目的だった。でも、溶けるような愛情を注がれた俺は空っぽではなくなった。ぴったりと寄り添った心は温かい。「晩御飯、何にする?」「シェパーズパイ」即答したのは、前に2人で作った時、焼き加減を失敗してしまったから。今日こそは成功させる。俺たちは足早にスーパーを目指した。 4月17日 扇情 寄せる 解く(ほどく) 1 最近付き合い始めた恋人は照れ屋だ。肩を寄せただけで赤面し扇情的な眼差しを向けてくる。可愛い。今すぐベッドに引き込んでネクタイを解きたい。と、思っていたのに。「え、ちょ、待っ」「待つ必要、あります?」ベッドに転がされたのはまさかの俺。草食系だと思っていた恋人は、獰猛な肉食獣だった。 2 荒縄を解いた腕がだらりと垂れ下がった。血が滲んだ手首に唇を寄せると芳醇な香りがして、閉じ込めていた激情が煽られる。くっと喉が鳴る音に顔を上げれば、扇情的な表情を浮かべた彼がいた。「まだ食べないよ」彼を味わうのは、彼が僕に屈し、快楽の海に溺れた時だ。今はまだ、味見しかしたくない。 5月9日 生温い スキップ 腕をとる 1 ババ抜きで勝ったらアイスを奢ってもらう。勝負に勝ってスキップする俺を、あいつは生暖かい目で見てくる。「最高の気分だ」「そうかよ」「次は勝てるといいな」「調子に乗りやがって」舌打ちと共に腕をとられ、不意打ちにキスを奪われる。「今夜、覚悟しろよ」魅力的な宣戦布告に、俺は口元を緩めた。 2 今日は良いことばかり起こった。難しいと言われていた契約を取れた。偶々寄った商店街の福引に当たった。気付けばスキップしていた。上機嫌な俺の頬を湿った生温い風が撫でる。おかしい。今日は乾燥注意報が出ていたのに。立ち止まった俺の腕をとったのは、電柱の影からぬっと出てきた異形の手だった。

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