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第10話 夏の前
夏の前のじめじめした時期が忙しいかった。
蒸し暑いのも手伝って。バタバタしてた。
あれから本社の人間も何度か工場に出向いてきては、会議を繰り返してた。
でも佐々木 は一度もこなかった。
寂しかったけど、時にアクションも起こさずに過ごしてた。
それが夏前の出来事。
それから本格的に夏に入る前に工場では夏祭りが開催される。
かなり大規模でなんと市長もくる。そして花火も上がる。地域のレクチャーの一環なんだけど。
その夏祭りのときになぜか飲み会が開催される。色んな関係各所の人間をよんで接待?を。
もちろん本社からもくるだろう。だからその時にもしかしたらあえるかな?と。。。そんな事を考えてた。
ところがその夏祭りの準備中にとんでもないことが内々に発表された。
新車を開発。
今多分車業界は頭うちかもしれない。
ここで以前のようにするには。。。必要だ。
みたいな事を発表された。
そして本社の開発部、技術、。。。とにかくいろんなところから色んな人間が工場にくる。……
なんでわざわざ?と頭の中にはてなマーク?が渦巻いてたら
上司に呼ばれた。
「今度の開発に加わってくれ」と。
びっくりして言葉がでない俺に上司が更にくわえた。「向こうからのご指名だ。」
これには本当にびっくりした。
「えっ。なんで。俺?」やっと振り絞って聞いた。
「おまえが以前、管理者の試験を受けたときにだした、レポートが高い評価を受けてね。是非と。言う事だ。頑張ってこいよ。」背中をおされた。
しかし何を頑張るのだろう。
よくわからない。
「今度ちゃんとした打ち合わせがあるから出席するように。」その言葉と一緒に詳しい書類をわたされ、読んどいて。と言われた。
席について渡された紙をペラペラとめくってみると、佐々木の名前が。
「えっ。」
あいつと一緒に仕事が出来るのだろうか?確かめてみようか。
どうしようか?と悩んでたら佐々木からメールがきた。
どうやら佐々木はこの前の夜、一緒に酒を飲んだ時には 全部知っていたようで隠してすまない。と言うメール内容だった。
知らなかったのは俺だけらしく、そのことについては腹をたてながらも一緒に仕事ができるのが嬉しい。よろしく。と。返事をした。
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