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腕輪(2-3)

 脱衣所で手早く服を脱ぐ。シンも帯を解くのが手慣れてきた。 「ほら、早く入れ」  背中を押されて風呂場に入った。 「そんなに急かさなくても平気なのに」  数秒遅れてシンも入ってくると、シャワーから水をバッと出されてかけられた。 「つ、つめた!」 「わりぃ」  お湯になるのを待って再び全身にかけられる。ボディスポンジを取ろうとしたらシンに奪われた。  ニッと笑われる。 「洗ってやる」 「えっ……」  嫌な予感がする。 「へ、変なことしたら怒るよ」 「変なこと?体を洗うだけだ」  我慢だ!我慢して反応しなければいいだけだ!小さい頃、父親や母親に洗ってもらったことを思い出せ……!  泡立てたスポンジでユルユルと体を擦られる。シンにしては力が弱い。 「な、なんかもっとしっかり擦ってくれない?洗えてる感じがしない」 「ん?お前肌薄いんだからこのくらいの力がいいんだぜ。俺が力を出したらお前、えぐれるぞ」 「そ、それはイヤだ」  スポンジが胸に当たって、軽い痺れが広がる。  妙にシンと近くて、見上げるとフワッと前髪が触れ合う。唇が、近い。 「んっ……」  唇が重なった。……ん!? 「ダメだって!しないって、言ったのに!」  シンの胸を押し返す。シンは相変わらずビクともせず、抱き締めるような体勢で背中を擦られる。 「洗ってるだけだが?意識しすぎだぞお前」  フッと笑われる。  絶対違う!絶対エロいことするんだ!  いつの間にかスポンジじゃなく、素手で背中に泡を撫でつけられている。 「やだ!触るな!……やっ!バカ!わっ」  泡に足を取られ滑りそうになり、シンにしがみついた。シンが俺の腰を支えてゆっくり床に座る。 「待ってろ」  対面で抱かれた状態でシャワーで泡を流される。 「……赤ん坊みたいだ俺」 「デカいが可愛い赤ん坊だ」  チュッと頬にキスされ、シンの手が尻に下りてきた。くるくると肛門をなぞられ、腰が跳ねる。 「あっ!いや、いやだっ。あっ」  シンの体が軽く揺れた。 「耳元でそんな声出すな。止まらなくなる」 「もう止まってないじゃん……っあ……っ」  シンが俺の尻を持ち、体を持ち上げさせながらお互いのものを擦り合わせている。 「もうやだ……っあ、はぁ……っん」  すぐに勃ち上がったのがわかる。お互い固く張り詰めてきてる。 「あ、んっ、んっ、あっ、あんっ」  ずり落ちないようにシンの首にしがみつく。グイッと高く腰を持ち上げられた。 「コウタ、少し腕を緩めて。俺の目を見ろ」 「……え?」  不思議に煌めくシンの瞳を見る。肛門になにかが触れた。ああ、入れるんだ。緊張する。 「この体勢で、すんの?」  座ったまま? 「そうだ。怖いか?痛くしない」 「うん、わかってる。……でも、言っとくけど、ここでするの、今日だけだからな」 「ああ」  嬉しそうにシンが破顔する。その笑い方は絶対またやる顔だ! 「うーっ、悪いけど信用できない」 「正解だ。またする」 「ダメだって!」  立ち上がろうとするが、シンがガッチリ腰を持っていて動けない。 「誰かが来るのが心配なら、安心しろ。まじないをかけてある」 「まじない?」 「扉は開かないし、狭いが結界を張ったから声も漏れない」 「はあ?なんでそんなことできんの!?」 「知らん。試したら出来た。腕輪には色んな効力があるってことだろ。だがこんな力、治癒力に比べたらゴミみたいなもんだぜ」 「すごいじゃん!あとは?あとはなにが出来る?」 「あとは……あとで教える」  シンに噛みつかれるように唇を奪われた。 「……んっ」  舌が侵入すると同時に肛門からも固くて太いものが無理矢理入ってくる。でも痛くない。 「あっ、ん……っ」  奥まで入ったのがわかる。体中に電気みたいなのが走った。  シンが俺の腰を軽々と浮かせて、また沈める。 「んっ、ぁっん……」  はじめはゆっくりと、しかし段々早くなってきて、濡れた音と皮膚が擦れ合う音が響く。 「あっ、あっ……ん、あん、やっ、……んっ、あっ……んんっ、んっ」  シンが再び深く口づけてきて、舌が絡み合う。 「……ん、んんっ……」  体の中も口の中も気持ちいい。  今日は色んな体勢でやらされてる気がする。こいつなんで色々知ってるんだろう?……でも、もうどうでもいい。なにも考えられない。  シンに大きく揺さぶられながら快感を味わう。  俺は今後もシンに流され続けるんだろう。  イヤイヤ言ってても本当にイヤじゃないからかな。本当にイヤな時はわかってくれるし。  やっぱりシンには敵わない。

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