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第50話 離れて眠る夜8
4ー8 どういうことですか?
それから、僕は、商会の副会頭として忙しい毎日を送っていた。
王都の近くの土地にいくつも農場を建設してそこで農作物やら、牛(カーブ)を育てていたので、そこを見回ったり、改善できるところを改善したり。
それに農産物やら、乳製品やらの販売ルートを確保するために僕は、配達業務を始めることにした。
契約した家に毎日新鮮な野菜や乳製品を届けるというシステムを構築した。
詳しい仕組みは、よくわからないが、転移の術を使った配送システムでこの世界からしてもかなり画期的なことだったようだ。
僕は、巨大な空間収納に配達するものを収納し、そこからそれぞれの家庭に転移するようにした。
これで、僕らの商会と契約した人々のもとには毎日、新鮮な野菜や乳製品が届くようになり、それは、王都の貴族たちに大いにうけた。
僕とクロードは、この配送システムを利用して他にも商品が届けられないものかと考えていた。
例えば。
このシステムの小型のものを使って人気のカフェから家庭へと暖かい食事を配送するとか。
応用は、いろいろできそうだし。
「これは、この世界の流通を根本から変えるものだ!」
クロードが興奮した様子で僕に話した。
「欲しいものが家に居ながら手に入るなんて!」
「いや。そんなに便利がいいものじゃないけどね」
僕は、ふぅっとため息をついた。
「本当は、注文したものをその場で転送できるようなシステムを作りたいんだけど。そのためには、まず通信のための機器とかを開発しなくちゃいけないから。とりあえず、今は、契約した先に配達するってことで」
「お前って奴は!」
クロードが呆れた様に僕を見つめた。
「その魔法もだけど、考え方も規格外だな!」
いやいやいや!
僕は、ふふっと笑った。
そんなことはないんだけど。
でも、この世界じゃ、それは、すごいことなわけで。
結果。
僕たちの商会は、ますます大きくなり、今では、この国を代表する商会になっていた。
そんなある日、僕に王宮からの呼び出しがあった。
「なんだろう?」
僕は、王の使者からの手紙を読んで驚いていた。
「なんですと?」
そこには、僕を第1王子として王宮に迎えたいというようなことが書かれていた。
どういうことですか?
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