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第49話 離れて眠る夜7
4ー7 結婚したい相手
僕は、王都のクロードのもとに身を寄せた。
クロードは、宰相の令息だったが、今では、家を出て自分の屋敷を構えていた。
「いつまでもここに住んでくれてかまわないから」
クロードが僕を客間を案内しながら言ってくれた。
「まあ、ここに居候してるのは、お前だけじゃないしな」
「居候って!」
クロードの後ろから顔を出したクリスがぷんぷん、頬を膨らませている。
「僕は、あなたの恋人じゃないの?」
はい?
僕は、目が点だった。
クリスとクロードが付き合ってたの?
「ぜんぜん、気づかなかった」
僕が驚きを隠せずにいると、クロードが困ったように笑った。
「そりゃそうだろうな。隠してたんだから」
クロードが僕に説明してくれた。
この王都の貴族の間では、嫡男以外が同性の妻を娶ることは決して珍しいことではないのだという。
というのも、同性の妻なら子が生まれないから跡取り問題が起きにくいのだとか。
いや。
もし、嫡男に子供ができなければどうするんだ?
僕がそう思っていると、クリスが答えた。
「万が一にも血筋が途絶えそうになれば、異性の側室を迎えて子作りするんだよ。まあ、そんなことは滅多にないことなんだけどさ」
僕が感心しているとクロードとクリスが視線を絡ませた。
「あの夜・・卒業パーティーの夜に何があったのかは知らないが」
クロードが僕に告げた。
「お前を弄ぶような奴は、最低の奴だ。別れて正解だ。お前には、俺がもっといい相手を見つけてやる!」
「そうだよ!ルルシア」
クリスも意気込む。
「だって、クロードもだけど、ルルシアだって、今や、この王都で1、2を争う『結婚したい相手』なんだからね!」
『結婚したい相手』?
僕がなんのことかわからずにいるとクロードがはぁっとため息をついた。
「王都の大衆紙が今、この国で一番結婚相手として相応しい紳士特集とやらをしてな。それの1位が俺で、2位がお前なんだよ」
マジかよ!?
僕がぽかんと口を飽けているとクリスがくすっと笑った。
「もちろん、実質1位は、君だよ、ルルシア。だって、クロードには僕がいるし!」
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