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第11話

「姉ちゃん、サエちゃん、報告がある」 カフェのテーブルに並んで座る二人を前に、俺は意を決して切り出した。 「え、もしかして!」 サエが目を輝かせる。 「芳賀と……正式に付き合うことになった」 その瞬間、サエは「キャーーーッ!」と声を上げ、店中の視線を集めた。 「あーちゃん、おめでとう!」と、まるで自分のことのように喜ぶサエに、姉が呆れたようにため息をつく。 「まぁ、よく決断したじゃない。でも、ついに彼氏持ちか。うちの家族も進歩したわね」 姉はそう言いながらも、満足げにコーヒーを一口啜った。 「じゃあ、次は同棲の相談かな?」 姉が冗談交じりに言うと、サエがすかさず乗っかってくる。 「実はスパダリ独占欲つよかったりして。あーちゃん、抱き潰されちゃう♡」 「アイツが離してくれないんだよ♡って惚気は受けつけない」 「勝手に話を進めるな!」 俺は慌てて二人を制止するが、二人はどこ吹く風。 すでに「次のステップ」について盛り上がり始めていた。 その日の帰り道、俺はスマホを取り出し、芳賀にメッセージを送った。

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